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行田 日本遺産取り消しのおそれ!

2023年07月15日 | エトセトラ

【上掲記事の続き】
見直し後の計画も不十分と判断されれば、最悪の場合、認定が取り消される。
行田邦子市長は「過去の事業を検証し、認定継続に向けて最大限努力する」とのコメントを出した。
市は今秋までに計画を修正して再提出する。
日本遺産は、地域の特色ある有形・無形の文化財に日本の文化・伝統を物語るストーリーを与え、その
有効活用を通じて地域振興に結び付けようと、同庁が2015年から行っている取り組み。「足袋蔵のまち
行田」は17年に認定された。
行田は江戸時代から足袋の生産地で、最盛期には国内の約8割を生産。足袋蔵や店舗などが数多く残り、
埼玉さきたま 古墳群などを加えた45件が日本遺産を構成している。

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この報道を受けて心配になってきました。行田市はよくお邪魔しているまちですし、個人的にではなく
講座という場ではありましたが、行田市の日本遺産の申請に携わった方から認定に至るまでの苦労話等
をお聞きしていただけに取り消しにならず継続されることを願っています。(私には何もできませんが)

文化庁の「日本遺産(Japan Heritage)」の認定制度が始まったのは平成27年度(2015年度)からです。
行田市では平成27年度から市単独で日本遺産の申請を行いましたが認定には至りませんでした。視点を
変えたり構成資産を増やしたりしてストーリーも構成し直したり、文化庁の指導を仰いだりし、3度目
の申請である「和装文化の足元を支え続ける足袋蔵のまち行田」で『日本遺産』の認定を受けました。
実は県内の他の市町でも日本遺産の申請を何度も行っているのですが、認定されないため表に出ること
がほとんどありません。
一ヶ年度の申請数は80件前後あり、日本遺産として認定をされるのは毎年10数件でしかありません。
今回の報道で知ったわけですが、日本遺産に認定されてもされっぱなしではなく認定継続の審査がある
ということです。
では、埼玉県内の自治体がこれまでにどれだけ日本遺産の申請をしているのかをさかのぼって拾い出し
てみました。1市単独のものもあれは数市町、さらに他県の市町村と組んでといったものもあります。
関係市区町が多数に及んでいる場合は県内から参加の市名を( )書きにしておきました。

平成27年度(2015年度)
 《申請者(自治体名)》       《ストーリーのタイトル》
 埼玉県 行田市           東国歴史フィールドミュージアム

平成28年度(2016年度)
 埼玉県 行田市           忍の水物語~“浮き城”と呼ばれた忍城と足袋のまち行田~
 埼玉県 春日部市以下8市町     埼玉県東部地域の水路と水田文化―葛西用水路と周辺水路・水辺の歴史の生き証人―
 埼玉県 川越市・新座市・三芳町   武蔵野を拓く! 江戸に最も近い川越藩の挑戦

平成29年度(2017年度)
 栃木県以下4県下6市町(加須市)   田中正造翁が問う「真の文明」によって守られるヨシ原/渡良瀬遊水地
 栃木県以下3県下3市(深谷市)    煉瓦窯が薫る宿場町 ~煉瓦窯と日光街道古河宿野木宿・中山道深谷宿~
 埼玉県 行田市           和装文化の足元を支え続ける足袋蔵のまち行田  「日本遺産」に認定
 埼玉県 川越市・新座市・三芳町   「知恵伊豆」のレガシー 武蔵野の景観を一変させた川越藩主・松平伊豆守信綱
 埼玉県 川越市           城下町川越のモダニズム~「あたらしものずき」川越人が生み出したもの~

平成30年度(2018年度)
 栃木県以下4県下6市町(加須市)   水を克服し,水との生き方を選んだ人々の知恵が生きる 本州最大の湿原渡良瀬遊水地
 埼玉県 川越市           「火廼要慎」の心が息づくまち ~時の鐘が語る城下町川越~
 岐阜県以下13都県29市区町(草加市)  芭蕉が残した自然観・風景観~時代を超えて詠われた地

令和元年度(2019年度
 岐阜県以下14都県下32市区町(草加市)   日本を楽しむテキスト『おくのほそ道』 ~日本人の美意識を磨く旅~

令和2年度(2020年度)
 岐阜県以下14都県下38市区町(草加市)   時間と空間を超えた『おくのほそ道』の旅 ~不易流行の世界へ~

認定されなかったからって、一度の申請であきらめることなく視点を変えたりして再度、再々度の申請をしているのが分かります。

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