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【上掲記事の続き】
見直し後の計画も不十分と判断されれば、最悪の場合、認定が取り消される。
行田邦子市長は「過去の事業を検証し、認定継続に向けて最大限努力する」とのコメントを出した。
市は今秋までに計画を修正して再提出する。
日本遺産は、地域の特色ある有形・無形の文化財に日本の文化・伝統を物語るストーリーを与え、その
有効活用を通じて地域振興に結び付けようと、同庁が2015年から行っている取り組み。「足袋蔵のまち
行田」は17年に認定された。
行田は江戸時代から足袋の生産地で、最盛期には国内の約8割を生産。足袋蔵や店舗などが数多く残り、
埼玉さきたま 古墳群などを加えた45件が日本遺産を構成している。
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この報道を受けて心配になってきました。行田市はよくお邪魔しているまちですし、個人的にではなく
講座という場ではありましたが、行田市の日本遺産の申請に携わった方から認定に至るまでの苦労話等
をお聞きしていただけに取り消しにならず継続されることを願っています。(私には何もできませんが)
文化庁の「日本遺産(Japan Heritage)」の認定制度が始まったのは平成27年度(2015年度)からです。
行田市では平成27年度から市単独で日本遺産の申請を行いましたが認定には至りませんでした。視点を
変えたり構成資産を増やしたりしてストーリーも構成し直したり、文化庁の指導を仰いだりし、3度目
の申請である「和装文化の足元を支え続ける足袋蔵のまち行田」で『日本遺産』の認定を受けました。
実は県内の他の市町でも日本遺産の申請を何度も行っているのですが、認定されないため表に出ること
がほとんどありません。
一ヶ年度の申請数は80件前後あり、日本遺産として認定をされるのは毎年10数件でしかありません。
今回の報道で知ったわけですが、日本遺産に認定されてもされっぱなしではなく認定継続の審査がある
ということです。
では、埼玉県内の自治体がこれまでにどれだけ日本遺産の申請をしているのかをさかのぼって拾い出し
てみました。1市単独のものもあれは数市町、さらに他県の市町村と組んでといったものもあります。
関係市区町が多数に及んでいる場合は県内から参加の市名を( )書きにしておきました。
平成27年度(2015年度)
《申請者(自治体名)》 《ストーリーのタイトル》
埼玉県 行田市 東国歴史フィールドミュージアム
平成28年度(2016年度)
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認定されなかったからって、一度の申請であきらめることなく視点を変えたりして再度、再々度の申請をしているのが分かります。