四季・めぐりめぐりて

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歴史講座1「虚実の斎藤実盛 -平家物語「実盛」の段を考える- 」

2024年09月01日 | 講演会・講座

埼玉県立嵐山史跡の博物館 令和6年度 歴史講座1
 演 題:虚実の斎藤実盛 -平家物語「実盛」の段を考える-  
 講 師:蛭間 健吾氏 (熊谷市教育委員会 市史編さん室) 
 日 時:令和6年8月30日(金)13:50~15:30
 会 場:国立女性教育会館 講堂(埼玉県比企郡嵐山町菅谷)

講座の最後に、絃月流 創始 須田 隆久 氏による、琵琶語り「実盛公」の演奏がありました。
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平家物語「実盛」の段は、その後の斎藤実盛のイメージを決定づけた白髪を黒く染めた実盛が、篠原の
戦いで戦死する場面である。
後に、能の世阿弥や俳句の松尾芭蕉などが取り上げ、戦前の小学校唱歌にもなった。この「実盛」の段
から、どれだけの史実の実盛を見つけ出せるかを考える。
                                    《講座資料から》

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を聴講してきました。

斎藤実盛は、藤原利仁の流れを汲む平安時代末期の武将で越前国の出(越前斎藤氏)。
武蔵国幡羅郡長井庄(埼玉県熊谷市)を本拠とし、長井別当と呼ばれる。
木曾義仲との逸話はあまりにも有名ですが、篠原の戦いで戦死した後の話は特に。


講座資料


熊谷市の妻沼聖天山にある斎藤別当実盛公像  2022.1.5撮影
老齢を敵に悟られぬよう実盛は白髪を墨で染めて戦に臨みました。その様子を表した像です。


熊谷市妻沼の妻沼公民館敷地内に建立されている芭蕉句碑  2021.3.14撮影
 むざんやな 甲の下の きりぎりす(むざんやな かぶとのしたの きりぎりす)
この句は、多太神社(石川県小松市)で所蔵する、白髪を黒く染めて挑んだ篠原合戦で討死した
斎藤別当実盛の兜を見て詠んだ芭蕉46歳の時の句
※この句の下五「キリギリス」は今言うキリギリスではなくツヅリセコオロギのことのようです


熊谷市西野の福川の南岸にある「斎藤別当実盛館跡」  2017.1.22撮影
大正15年3月に埼玉県指定史跡「斎藤別当実盛舘趾実盛塚」として指定されたが、昭和38年に県指
定を解除された。
昭和52年9月13日に「斎藤別当実盛館跡」として熊谷市指定史跡となった。

実盛と子供たちの史跡等は全国に広がって数も多いようですが、熊谷市内にあるものの中から3件
を挙げてみました。

聴講日:令和6年(2024)10月30日(金)