
名 称:黒岩横穴墓群(くろいわおうけつぼぐん)
形 態:古墳
指 定:県指定史跡(大正14(1925)年3月21日指定)
所在地:埼玉県比企郡吉見町黒岩
吉見町にある水田の灌漑用につくられた八丁湖(現在は整備されて「八丁湖公園」となっている)の北側にある。
凝灰岩の岩山の斜面に多数の穴が空いており、古墳時代中~後期に造られたものと推定されている横穴墓群。
学術的な調査がほとんどなされていないため、詳細は不明であるようです。
ほとんど未発掘(調査)・未整備ということもあるでしょうが、すぐ近くにある国指定史跡「吉見百穴」と比較
するとまだまだ知名度は低いようです。でも、逆にその方がある意味においては良いのかもしれません。

看板と案内板の向こうに柵で囲まれた山に多数の横穴があります

黒岩横穴墓群案内板 これだけの説明でも十分です
看板と案内板が並んで設置されながら、看板は「黒岩横穴群」と標記、案内板は「黒岩横穴墓群」とされています。
この違いは何でしょう?冒頭にも記しましたが、ここが県指定の史跡とされたのは大正14(1925)年3月21日。この
の時の史跡の指定名称は「黒岩横穴群」であったと思われます。その後の平成3(1991)年3月15日に史跡名称が変更
されて「黒岩横穴墓群」となったようです。つまり、史跡名称の変更以前に設置したものと以後のものとの違いだと
勝手に解釈しています。

これだけ木や草が繁茂していますと、数多い横穴といえども中々見つかりません。

こちらは横穴墓群側に設置されていた案内板ですが、名称変更以前のもので「史跡 黒岩横穴群」と標記されています。

繁茂した草の間にどうにか見える横穴 ほとんどが草木に隠れて見えません
人様のブログ等を拝見しますと、これほどには草木も繁茂してなく、もう少しはっきりと横穴が見えたり岩肌が見えた
りしている写真が散見できるのですが、季節の違いでしょうか?

どうにか見えた横穴

同上
黒岩横穴墓群の更なる発掘調査の予定は見当たりませんが、もし、そうなった場合、沢山の大きな発見があるかもし
れません。すれば、今の県指定史跡から国指定史跡へ昇格(?)も考えられないことではありません。
しかし、発掘に伴う整備により、たとえ作為的なものではなくも今の良好な保存状態が損なわれる危惧も無きにしも
非ずです。長い時間の流れによって形成されてきた今の良好な状態のまま置くのがよいのか、手を付けるべきか素人
ながら考えてしまいます。
散策・撮影日:2016年(平成28年)11月12日(土)