場所:台湾 高雄市橋頭区糖廠路24号 橋頭糖廠
保存車両:多数
(2015年4月19日訪問)
高雄市北部の橋頭糖廠で保存されている車両たちです。
台湾ではサトウキビの生産が盛んで、橋頭糖廠は日本統治時代に建設された製糖工場です。現在では工場は閉鎖されてしまいましたが、当時の設備を利用した見学施設になっています。そして原料輸送や製品出荷のためにナローゲージが敷かれていました。
軌間762mmであり、国際標準の1435mmの約半分であることから「五分車」と呼ばれています。
機関庫が残され、静態保存と思われますが多数の機関車が留置されています。
機関庫前に置かれているNo,950機関車と番号不明の機関車。足回りはロッド無しの3軸です。
このNo,13機関車のみは軌間1067mm用です。一般的な自動連結器が取り付けられています。機関車前のレールが3本あるのが分かるでしょうか。1067mmと762mmが3線軌条になっていると思われます。
当時のヤード跡と思われる場所でも多数の車両が保存されています。No,923機関車と貨車と人車。貨車は原料のサトウキビや製造した製品の輸送に使われていたのでしょうか。
No,918機関車と3両の貨車。
貨車はいずれも2軸で連結器はピンリンク式です。このような車両がガチャガチャと走り回っていたんですね。
番号不明のレールカー。自走できるようですが、正面には前照灯のみでワイパーや警笛が無いなど変な車両です。屋根上のピンク色っぽいものはパトライトかと思います。
職員輸送や巡回に使用されたかと思われます。
そしてこのレールカーは、車体中央部に運転席があります。床から飛び出しているレバーは逆転レバーやマスコン(スロットル)、丸いハンドルは手ブレーキだと思います。
このような構造だと「これ以上簡略化する余地が無い」ほど構造が単純になるメリットがあります。しかし運転士の前後に乗客や荷物を載せるので、運転士の視界が最悪になるデメリットがあります。
余談ですが、旧ソ連にもこのような構造のレールカーが存在しました。
番号不明の機関車。同じような外観の機関車でも、ライトや警笛の取り付け方がそれぞれ違うのが面白いところです。
これも下周りは3軸です。Nゲージのバックマン(後に河合商会で販売)のCタイプディーゼル機関車のような下回りです。
(その2)へ続く