ホタルの独り言 Part 2

ホタルの生態と環境を52年研究し保全活動してます。ホタルだけでなく、様々な昆虫の生態写真や自然風景の写真も掲載しています

オオルリボシヤンマの青色型メス(松本市)

2021-09-20 13:12:04 | トンボ/ヤンマ科

 オオルリボシヤンマの青色型メスを長野県松本市で撮影したので紹介したいと思う。

 9月7日にフィリピンの東で発生した台風14号は、17日(金)に福岡県に上陸(福岡県に台風が上陸するのは初)、翌18日午前3時には東海道沖で温帯低気圧に変わったが、前線や湿った空気の影響で各地で大雨を降らせた。この日は出勤日であり、朝から土砂降りの中でソーシャルワークを行った。
 仕事は昼過ぎには終了し、帰宅する頃には雨も小降りになった。雲に切れ間が見え始めた22時に自宅を出発し、今年8回目になる信州を目指した。目的はトンボ探索である。途中の道の駅で車中泊し、最初は標高1.618mにある池で探索。台風一過の素晴らしい秋晴れ。朝の気温は14℃ほどで、朝陽のぬくもりが心地良いくらいの肌寒さであった。
 池に太陽の光も差さない6時15分。1頭のルリボシヤンマのメスが飛んできた。その後6時50分には、繁茂するミツガシワの間で産卵を開始。20分ほど移動しながらあちらこちらで産卵を行っていた。9時頃まで待機したが、残念ながら目的の個体は現れず、標高1,450mの池に移動したところ、オオルリボシヤンマの青色型メスを発見した。

 オオルリボシヤンマのメスには、オスと同色の青色型(オス型メス)と緑色型(メス型メス)が存在し、10年ほど前からに日本各地で観察と撮影を続けてきた。青色型と緑色型は、地域によってその割合が異なっている。自身の観察では、兵庫県の六甲山(オオルリボシヤンマ(オス型メス/兵庫))では、メスの個体ほとんどが青色型であり、新潟県では混在し(オオルリボシヤンマの青メス)、東京都や福島県では緑色型しか確認していない。
 長野県松本市の標高1,450mにある池は、オオルリボシヤンマが多数生息しているが、これまで何度となく観察し撮影してきた中では、ほとんどすべてのメスが緑色型であった。しかし今回、完全な青色型メス(オス型メス)ではないが、複眼が緑色で、翅の付け根部分と腹部第一節の斑紋が青色であるメスを発見した。
 時期的に個体数が少なく、青色型メスは撮影した1頭のみであった。ちなみに、2018年8月26日には、複眼上部が青色のメスも撮影している。メスにおける青色の出現は表現形質レベルの変異であり、遺伝的要因と環境要因の両方の作用によって生ずるので、来年以降も継続観察していきたい。以下には、比較の意味でオオルリボシヤンマのオス、そして緑色型(メス型メス)の写真も掲載した。

 オオルボシリヤンマの青色型メスにおける青色の出現には、いくつかのパターンがある。これについては、次の記事にて写真を掲載したいと思う。また、青色型メス(オス型メス)はルリボシヤンマ属4種に存在するので、これについてはその次にまとめておきたいと思う。

以下の掲載写真は、1920*1280 Pixels で投稿しています。写真をクリックしますと拡大表示されます。

オオルリボシヤンマのオスの写真

オオルリボシヤンマのオス
Canon EOS 7D / Tokina AT-X 304AF 300mm F4 / 絞り優先AE F6.3 1/400秒 ISO 320(撮影地:長野県 2021.9.19 9:43)

オオルリボシヤンマのオスの写真

オオルリボシヤンマのオス
Canon EOS 7D / Tokina AT-X 304AF 300mm F4 / 絞り優先AE F6.3 1/500秒 ISO 320(撮影地:長野県 2021.9.19 9:43)

オオルリボシヤンマのオスの写真

オオルリボシヤンマのオス
Canon EOS 7D / Tokina AT-X 304AF 300mm F4 / 絞り優先AE F6.3 1/500秒 ISO 320(撮影地:長野県 2021.9.19 9:43)

オオルリボシヤンマの青色型メスの写真

オオルリボシヤンマの青色型メス
Canon EOS 7D / Tokina AT-X 304AF 300mm F4 / 絞り優先AE F6.3 1/400秒 ISO 500 +2/3EV(撮影地:長野県 2021.9.19 9:56)

オオルリボシヤンマの青色型メスの写真

オオルリボシヤンマの青色型メス
Canon EOS 7D / Tokina AT-X 304AF 300mm F4 / 絞り優先AE F6.3 1/400秒 ISO 640 +2/3EV(撮影地:長野県 2021.9.19 9:57)

オオルリボシヤンマの青色型メスの写真

オオルリボシヤンマの青色型メス
Canon EOS 7D / Tokina AT-X 304AF 300mm F4 / 絞り優先AE F6.3 1/400秒 ISO 640 +2/3EV(撮影地:長野県 2021.9.19 10:39)

オオルリボシヤンマの青色型メスの写真

オオルリボシヤンマの青色型メス
Canon EOS 7D / Tokina AT-X 304AF 300mm F4 / 絞り優先AE F6.3 1/400秒 ISO 640 +2/3EV(撮影地:長野県 2021.9.19 10:39)

オオルリボシヤンマの緑色型メスの写真

オオルリボシヤンマの緑色型メス
Canon EOS 7D / Tokina AT-X 304AF 300mm F4 / 絞り優先AE F6.3 1/400秒 ISO 640 +2/3EV(撮影地:長野県 2021.9.19 11:05)

オオルリボシヤンマの青眼型メスの写真

オオルリボシヤンマの青眼型メス
Canon EOS 7D / Tokina AT-X 304AF 300mm F4 / 絞り優先AE F6.3 1/500秒 ISO 500 +2/3EV(撮影地:長野県 2021.9.19 11:07)

オオルリボシヤンマの青眼型メスの写真

オオルリボシヤンマの青眼型メス
Canon EOS 7D / Tokina AT-X 304AF 300mm F4 / 絞り優先AE F8.0 1/500秒 ISO 1250 +1EV(撮影地:長野県 2018.8.26 9:26)

----------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------

東京ゲンジボタル研究所 古河義仁/Copyright (C) 2021 Yoshihito Furukawa All Rights Reserved.



最新の画像もっと見る

コメントを投稿