本蔵院 律良日記

熊本県にあるお寺“真言宗 本蔵院 律良のブログ”日々感じるままに活動のご報告や独り言などを書いた日記を公開しています。

今週のことば 5/27~6/2 「 咲くも無心  散るも無心 … 」

2013-05-26 18:33:40 | 今週の言葉

   咲くも無心

 

   散るも無心

 

  花は嘆かず

 

   今を生きる

 

      坂村真民

 

 

 今、庭の移ろいはバラが咲き、やがて散って、

新しい新芽がにょきにょきと出てきて、

次の命を生み出しているようです。

そして、アジサイが次々と変化のある色合いを見せています。

 

 どの花を見ても、とても美しい、

しかし、その美しさを自慢することなく、

人が見ようが見まいが、精一杯に咲いています。

やがて時が来れば、花を落とし、

実を結んでいきます。

 

 それに引き換え、自分の姿を見てみると、

ちょっとでもいいことをすると、

これ見よがしに自慢して、

自分を誇っているものです。

 

 そういう、花の姿に真民さんは感動されるのです。

 

こういう詩も書いておられます。

優しい言葉の中に、人生に対する厳しい生き方を示しておられるようです。

 

 「 日の昇るにも手を合わさず、

    月の沈むにも心ひかれず、

  あくせくとして一生を終えし人の

    いかに多きことぞ

 

  道のべに花咲けど見ず、

   梢に鳥鳴けど聞かず、

  せかせかとして過ぎ行く人の

    いかに多きことぞ

 

  二度とないこの人生を

    いかに生き いかに死するか

  耳をかたむけることもなく うかうかとして

   老いたる人のいかに多きことぞ

 

  川の流れにも風の音にも告げ給う

    声のあることを知ろうともせず

  金に名誉に地位に狂奔し終わる人の

    いかに多きことぞ 」

 

 お釈迦さまは富みも位も捨てて

出家されました。

 それなのに、私たちは富に目がくらみ、

勲章を羨ましく思い、いかにあくせく生きていることか。

 真民先生の詩を静かに読み返していくと

お釈迦さまの出家の動機が感じられるようです。

 何が大切か、

考え直す時間も必要のように思います。

 

 一休さんは痛烈に、

 

 『 南無釈迦じゃ 娑婆じゃ 地獄じゃ

    苦じゃ 楽じゃ どうじゃこうじゃと

      いうが愚かじゃ 』

 

言ってのけておられます。

 私たちの下手なそろばん勘定を

一刀両断の元に切り捨てておられるのでしょう。

 

 両方の人生の見方、

いずれにせよ、一度は考え直してみること

はっと気が付くことがあるかもしれません。

 

 

 

 

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