本蔵院 律良日記

熊本県にあるお寺“真言宗 本蔵院 律良のブログ”日々感じるままに活動のご報告や独り言などを書いた日記を公開しています。

種子(しゅし・しゅうじ)

2023-04-20 20:37:21 | 十地経

種、仏教では種子と

読み方は、

「しゅし」とも「しゅうじ」

どちらもあるようです

 

仏教ではよく植物が

例えとして使われます

「根」コン、ということも

五根とか六根とか

根というのははたらきです

眼根、目のハタラキ

見てそれを意識するのは

眼識です

その見られる対象となる

ものは色イロです

それを色境シキキョウ

というように

はたらきという意味で根

という字を使います

 

また、

熏習(クンジュウ)

ということがあります

香りが移るというか

衣でもいい香りで薫じると

その香りが衣に移るように

たとえば、

素晴らしい師匠の下にいると

その師匠の香りが移るように

その人となりが

移っていくというたとえで

熏習ということをいいます

 

香りということも

花の香りということがあって

インドでは美しい花よりも

香りのいい花が重宝される

ということを

聞いたことがあります

 

香りは目に見えないし

すぐに消えてしまう

でも、人柄とか

そのものを象徴するのも

香りということでしょう

 

種子ということも

もとは植物の種です

種の中に色々な可能性を

秘めていることから

種子ということを大切に

しているのです

 

「『十地経』でも

語っていますように、

菩提心というものは菩提を、

の母胎なんだ。

菩提のね、

菩提の母胎を菩提心という。

 

植物の種は

その種の中にですね、

非常な生産力というものが

ですね、

やがて果実というものを、

生命を生み出すような、

その、太陽の光をあてると

それがこう目覚めて

成長してくると。

 

これは、物質じゃないです

だけどまあ

生きているわけじゃない。

生命がまだ、

あるけれども、

生命がはたらいている

わけじゃない。

生命が眠っているわけや。

 

母胎における人間。

母胎の中における人間、

それはま、

それが将来の人間の

生命というものの、

が眠っているところ。

つまり、母胎、

人間の種は、卵ですね、

母胎にあると、こういう

 

胎蔵ということを

いうわけです、胎蔵。

阿頼耶識の場合は種子と

いうのかな。

種子を、種子識と、

阿頼耶識のことを種子識

といいますが、

種子を識が蔵している

という意味ですね。」

 

種子ということも

色々な説があって

かなり厳密に

説明していますが

簡単には

先天的なものと後天的なもの

生まれながら持っている

種子(可能性)と

後天的な色々な経験によって

身につけていく可能性

 

そういうことで、

菩提心というものを

人間本来蔵している

そういうことで種子という

ことを言うのでしょう

ざっとしたことですが、

 

これから、胎内の五位

体外の五位

ということが出てきます

お母さんのお腹の中での

時間を胎内の五位という

ように五つの段階で

説明しています

 

仏教の中でこういうことまで

考えているのは面白い

というか

とても興味あることです。

 

 

 

 

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