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本蔵院 律良日記

熊本県にあるお寺“真言宗 本蔵院 律良のブログ”日々感じるままに活動のご報告や独り言などを書いた日記を公開しています。

四苦八苦と三苦

2008-12-09 12:05:22 | 今週の言葉
 『 今週の言葉 』 が中途半端で終わっていました。

 今日のテレビでも盛んに 「 四苦八苦 」 という言葉が飛び交っていまし

た。

 繰り返しますが、最初の 「 四苦 」


1.生苦 ( しょうく )  今まさに、生きる苦しみ、生活の苦しみ、のよう

               ですが、もう少し深い意味もありそう?

2.老苦 ( ろうく )   これも切実な問題です。老いていくという残酷さ

               気持は娘なのに!

3.病苦 ( びょうく )  人は誰でも必ず病む。老・病・死、避けられない

               問題です。寝たきりにならないように、!

4.死苦 ( しく )    やはり、死の恐怖、一休さんでも

               「 死にとうない! 」 本音です。


 以上が四苦八苦の 『 四苦 』 です。これにもう四つ加えて、八苦とします


5.愛別離苦 ( あいべつりく )

        いつの日か必ず愛する人との別れは訪れます。

6.怨憎会苦 ( おんぞうえく )

        ところが、嫌な人とはなぜか、一緒にいなくてはなりません。

7.求不得苦 ( ぐふとっく )

        欲しいと思うものが自分の思うように手にはいらない。

8.五蘊盛苦 ( ごうんじょうく )

        五蘊が盛んであるという苦しみ。 


 この 『 四苦八苦 』 で一番わからないのが、8番目の 「 五蘊盛苦 」

です。そして、わかったようでも、わからないのが、1番目の 「 生苦 」 で

す。

 そこでお釈迦さまは、また別の見方で四苦八苦を分類分けされて、考察されま

す。今度は三種類に分けて、苦の正体を見ていかれます。


 1. 苦苦 ( くく )  自分にとって都合の悪いものがやってきた。

       病苦・死苦・怨憎会苦 がこれに当たります。

 2. 壊苦 ( えく )  自分にとって都合の良いものが自分から離れていく。

       老苦 ( 若さが去っていく ) ・愛別離苦・求不得苦 がまさ
  
          にそうです。

 3. 行苦 ( ぎょうく ) 「 諸行無常 」 というときの 「 行 」

          と同じです。一瞬たりとも同じではない、すべてのものは、

          必ず移り変わっていく。

       生苦と五蘊盛苦の二つがこれに当たります。



※ 『 花金 』 という言葉があるそうです。花の金曜日。なぜか?

  明日明後日が休みという気持。日曜の朝ぐらいから重たいものが表れてきま

  す。明日から仕事!。事実は金曜日は仕事、土曜日曜は休み。

  しかし、人間の意識は 「 明日は休み! 」 ということで、心が喜ぶので

  す。


 変な説明かもしれませんが、日曜日の午後から感じ出す重たい気分、本当は土曜

日のままで止まっていて欲しいのですが、現実は一歩一歩時を刻んで生きます。

これが『 行苦 』 ということの兆しかもしれません。


 現に、お釈迦さまが出家された時は、自分は王子様で妻も子もあり、周りの環境

はすべて満たされ、自分自身も人が羨むほどの美男子で文武両道に長けていたので

す。が、なぜそのことに満足されず、妻を捨て子を捨て、自分の国までも捨てて、

出家されたのか? 

すべてのもは移り変わっていく、『 諸行無常 』 ということの深い洞察からな

のでしょう。

そこに感じられたことが 『 行苦 』 ということではないかと思います。

この 『 行苦 』 ということが、人間では普段わからない、問題です。

ある意味、自分が一番問われるし、実存的問題なのかもしれません。

 

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