本蔵院 律良日記

熊本県にあるお寺“真言宗 本蔵院 律良のブログ”日々感じるままに活動のご報告や独り言などを書いた日記を公開しています。

おのおの はなのてがらかな

2019-01-12 20:53:51 | フラワー

今年最初の花が入りました

 

 

賑やかに百花繚乱という

ところでしょうか

 

 

それぞれの花が

見事に調和して咲いています

 

「くさいろいろ おののはなの

  てがらかな」

松尾芭蕉の句です

門弟たちと別れる時の

謝辞を込めた句ということです

門人たちがそれぞれ自分の花を

見事に咲かせている

そういう思いを込めて詠んだ

句ということです

 

 

今の季節、外を歩いても

冬籠りというか

春に向けて静かに眠っています

そんななか

玄関には色とりどりの花が

やってきて我が家も

急に明るくなりました

 

 

中心には青々とした麦の穂が入り

何かしら力強さを感じます

 

面白いもので

「手柄」漢和辞典には

載っていないのです

これは日本で生まれた言葉

なのでしょうか?

広辞苑には

功績とか腕前、手並み

というような意味が並びます

普通には

「おてがら、おてがら」という

よくやったという意味で

使うようです

念のため

「柄」を引いてみると

え。器物の取っ手。という意味です

次に

いきおい。という意味もあります

それから、日本での意味として

品格。性質。という

人柄という言葉もあります

 

おのおの

はなのてがらかな、というのは

それぞれが競い合っている

というのではなく

花の持っているそれぞれの力

能力というものを

出し切っているということでしょう

 

 

一即一切、一切即一

ということでしょう

一つの花が全体をあらわし

全体として一つの花である

 

 

一つひとつは独立しているけど

全体としても

置かれたところで

自分だけ目立つのでなく

自己主張することなく

全体に溶け込んでいる

その一つが欠けても

全体が崩れてくる

 

本当に手柄を出し切ってこそ

全体の一員として

その役割を十分に果たしている

それが全体の調和として

美しさを表現している

 

そう思ってみていると

一つ一つの花が

愛おしくも見えてきます。

 

 

 

 

 

コメント
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