「 桃李不言
下自成蹊 」
司馬遷
- 桃李もの言わざれども、
下おのずから蹊(みち)を成す -
「 桃や李 ( すもも ) は美しく咲いたと
見に来いと自己宣伝はしない。
ただ自らの勤めとして、精一杯
花を咲かせているだけではあるが、
その美しさにひかれて人々が集まり、
下に自ずから小道ができたという。」
これは司馬遷 ( しばせん ) の
『 史記 』 の中に、李将軍を讃える
言葉として出てきます。
また、日航系のホテルでは中華料理の店は
『 桃李 』 で統一されているようです。
そして、いま一番有名な俳優さんに
『 松坂桃李 さん 』 がいらっしゃいます。
また、 『 成蹊学園 』 という大学は
この言葉の最後の文句を学校の名前につけられました。
東寺いた頃お会いした先生に、
「 東井義雄先生 」 がいらっしゃいます。
東寺でお話しもしていただき、
三浦先生も親しくしておられました。
その先生の言葉に、
『 根を養えば 樹はおのずから育つ 』
ということを思い出します。
花や実はすぐに目につき、
そこだけを求めようとするのですが、
その花が育ち実が結ぶということの
根の働きをほめる人はいません。
人の人生も同じです。
長い月日をかけて土作りをし、
種をまき、根を張らせていくという
報いのないところで、もくもくと精進し続ける
ことができる人は少ないようです。
毎日のお勤め、掃除、
そして日々出会う人とのなんでもない挨拶、
そのなんでもないことの積み重ね、
それが、
「 お会いしてよかった ! 」
「 何気ない一言で元気が出た ! 」
という出会いがあって、
自然と人生の根が張っていくのではないでしょうか。
『 徳は事業の基なり。
いまだ基の固からずして、
棟宇の堅久なる者はあらず。
心は後裔の根なり。
いまだ根の植 ( た ) たずして、
枝葉の栄茂する者はあらず。 』
ということばもあります。
「 土台がしっかりしていなければ
家も長持ちせず、
根がしっかりしていなければ、
枝葉も繁茂することができないように
いかなる事業も、それにあたる人の
徳そして人格が大切である。 」
人づくりも、年月を忘れ、努力を惜しまず、
結果を問わず精進し続けること以外に
ないとうことでしょう。