金子みすゞ(長門市)を訪ねて

2014-05-13 18:10:19 | 
山口県生まれの女性童謡詩人、「金子みすゞ」という人を知っているだろうか?

「遊ぼう」っていうと
「遊ぼう」っていう。
 
「ばか」っていうと
「ばか」っていう。
から始まる『 こだまでしょうか』という詩は、知っていると思う。
その「金子みすゞ」の生まれた地、山口県長門市にやってきた。



金子みすゞの銅像の横に有名な「大漁」の詩がある。
「大漁」
朝焼け小焼だ 大漁だ
大羽鰮(いわし)の 大漁だ。

浜は祭りの ようだけど
海のなかでは
何万の 鰮のとむらい
するだろう  
 

大漁を喜ぶ人間と、獲られてしまった何万ものいわし。
その喜びと悲しみをさりげなく描いている詩である。



町の中は「金子みすゞ」の詩であふれていた。
本名は金子テル。
昭和の初めに26歳という若さで短い人生を閉じた。
「みすゞ」というペンネームは、信濃の国の枕詞、みすずかるという言葉の響きが好きでつけた名前。
朝顔のつる

垣がひくうて 朝顔は
どこへすがろうと さがしてる
のびろ、朝顔、
まっすぐに、
納屋のひさしが もう近い。 
 





「星とたんぽぽ」「私と小鳥と鈴と」「さびしいとき」「こころ」等  
500を越える詩は、20歳からのわずか5年間の間に創作されたもの。
《弟は、みすゞが姉と知らされずに育てられ、やがてみすゞに恋をする》




「七夕のころ」  
《義父はそれに気づき書店の番頭格である男とみすゞを強引に結婚させる》




「郵便局の椿」  
《23歳で結婚したが、夫は文学に理解のない人間だった》
《夫は女性問題から失業、さらに病気をみすゞにうつした》



「子供の時計」     
《みすゞは夫から童謡を書くことと、投稿仲間との文通を禁じられた》
《病床の中みすゞは細々と詩作を続けた》



「角の乾物屋の」    
《結婚から4年後、離婚が決まり子どもはみすゞが育てることになった》


右側から見た みすゞ  

《考えを翻した夫が、「娘を返せと」頻繁に要求してきた》
《戸籍上、既に母ではなかったみすゞは、連れに来られたら娘を渡さなければならなかった》



正面から見た  みすゞ  
《最愛の娘を奪われないために自殺を決意する》



左側から見た みすゞ
《娘を自分の母に託すことを懇願する遺書を遺し服毒自殺、26歳だった》




「燕の母さん」という母親の愛の深さを書いた詩がある。
大好きな詩である。


燕の母さん

ついと出ちや
くるつとまわつて すぐもどる。
つういと すこうし行つちや
また 戻る。
つういつうい、 横町へ行つて
またもどる。
出てみても、 出てみても、
氣にかかる 、
おるすの 赤ちやん
氣にかかる。
 



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