真夏の夜の・・・・・・

2010-07-29 09:39:01 | 大分トリニータ

毎年7月になると思いだす事がある。
若い頃、仕事が5時で終わり、一旦家に帰り夜のチヌ釣りに毎晩
出かけていた。
一人で行く事が多く、夕方出かけ、夜10時には、
帰って来るという毎日だった。

このチヌという魚は警戒心が強く、話し声や物音や光を嫌う。
そのため、真っ暗な海で一人静かに淡い電気ウキの小さな光を
見つめる、というおよそ私にふさわしくない光景になってしまう。

釣り仲間からある耳よりな情報が入って来た。
ある場所でチヌがばんばん釣れるという。

でも、何かが出るらしいので、一人では絶対に行ってはいけないという。

こういう事を聞くと、天の邪鬼な性格が黙ってはいない。

「一人では絶対に行ってはいけない?」・・ふ~ん。

じゃあ一人で行こうじゃないの・・(奥様に言わせると「負けん気」が
強いらしいのだが、本人はごく普通と思っている。)

土曜日の夜に決定。
日曜日の朝、帰宅予定。

奥様には3人で行くと報告。
(うそも方便というもので・・)

現地着は夜の9時。
なるべく道具は軽めにする。

そこから岩場を10メートル降りる。
さらに横に100メートル程岩場を歩く。
慎重に歩かないと、こけてしまう。

頭に付けたライトで周りを照らす。
直径10メートル位の平たい岩場だ。

夜10時に釣り開始。
潮は右から左にゆっくり流れている。
淡い電気ウキの光が沖の方に流れて行く。

曇っているため月も星も出ていない。
ライトを消すと真っ暗だ。

風も波も無い。
昼間のセミの声がうそのように静かな時が流れていく。

釣り初めて何時間たったのだろう。
私の目の前を何かが横切った。

え?
目の前は真っ暗な海なのに?

突然後ろから何か声が・・・・。

振り向いた。

誰もいない。

ライトで周りを照らす。

いるわけがない。

空耳か。

又、ウキを見つめる。

その時だ。

背中に人の気配が。

いや、人ではない、何かの気配が・・・。

背筋が凍りつく。
あぶら汗が出てくる。
振り向けない。

そして、恐れていた事が・・・。

「・・・・釣れますか?」

冷たい声だ。

それは人の声だが人ではない。
動けない。
心臓はさっきから早鐘のように鳴りっぱなしだ。

やばい。
どうする、どうする。
頭は完全にパニックだ。

もし振り向いたら・・・。

「振り向け」・・「いいから振り向け」
別な私が命令する。
負けず嫌いな天の邪鬼が命令する。

振り向く・・・・・。

・・・・・・誰もいない。

周りを照らす。
私以外この岩場には誰もいない。

冷や汗が噴き出る。

真っ暗な海に目を向けた途端、
今度は頭の上から声が聞こえた。


ぅわ~~~~~~~~~~~~~。

ぉおおおおおおおお~~~~~~。


叫んだ。
とにかく叫んだ。
声を出さないとおかしくなりそうだった。

声を出し続けた。
まるで気がふれたかのように声を出し続けた。

・・・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・去った。
何か解らないが去った。

周りの空気が軽くなった。

帰り仕度を始めた。
竿を仕舞いかけた。

その時、もう一人の私が話しかけてきた。
「帰るのか?」
(当たり前だろ)

「朝まで釣るんじゃないのか」
(無理だろう)

「負け犬か」
(・・・・・)

「しっぽを巻いた負け犬か」
(・・・うるせえ)

「お前のとりえは負けん気が強いところじゃないのか」
(・・・・・・)

・・・・・再び、朝まで釣る事になった。

もう、魚なんかどうでもよかった。
大声で歌った。
朝まで歌い続けた。
夜が明けるまでが長かった。

・・・・空が明るくなった。

助かった。

魚はすべて海に返した。

なんだったんだろう?

この日を境に一人の夜釣りは止めた。

まぁ、人がするなという事はしない方が良いという
いい事例と反省している。

この事を話すと、奥様は心配し、二度と釣りは行けないだろうからと
内緒にしてきたが・・・・もう良いかな?

・・・・・・・・・・・・・・

話は変わるが、中断明けの甲府戦。
チームが変わったかのように思えたが、
この間の水戸戦は、バラバラで何も変わってはいなかった。

明後日の千葉戦は変わった新生トリニータをぜひ見せて欲しい。

大化けしたトリニータを期待する。



追記

お盆前の商戦で私の休みもいよいよなくなりつつあります。
夜は寝るだけの毎日になります。
千葉戦、富山戦とスカパーはおろか録画も見れません。
盆明けまでブログの更新は致しません。
でも、仕事をしながらトリニータの応援だけは、しっかり
したいと思います。
参戦される皆さま方、選手への応援よろしく
お願いいたします。
「G裏町内会」の皆さま、富山戦は行けませんが、
心は大銀にあります。
「大分よりの使者」をぜひ一緒に歌いましょう。













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