奈良県宇陀市室生区龍口
去年にこのブログで赤目四十八滝を紹介したときに、この山椒谷にも少し触れた。
四十八滝の一つでもある夫婦滝がこの谷に懸かっているからでもあるし、そのときの本来の目的が山椒谷を遡行することでもあったからだ。
結局、去年はその目的が果たせないままであったが、今回、漸く山椒谷の姿を撮影することが出来た。
ここは十数年ほど前に、二回遡行している。
地形図を見れば、勾配は極めて緩く、およそ滝など無さそうな様子が窺える。
だが、集水面積はそれなりにあって、四十八滝の本流に匹敵するほどの規模がある。
それに、四十八滝の支流なのだから地質は似通っているだろうし、そうであれば立派な滝は無くとも立派な渕や滝壺はあるかも知れない、という想像が膨らむ。
何より、殆ど人が入って無さそうだという点が、強く私の興味を掻き立てた。
遡行した結果は、とても満足できるものだった。
当時はネットなど普及しておらず、情報収集もままならなかったが、今回、改めて調べてみて、その情報の少なさに驚いた。
山椒谷の画像は一枚しか見つからず、記述も僅かなものだけだ。
相当な数の人が訪れる四十八滝がすぐ傍にあって、四十八滝の水の5分の2くらいは担っているこの谷が、こんなにも人に知られず眠っている。
道も無いこの谷に、観光客が入るには無理がある。かといって、沢登り好きの人間からすれば、あまりにも穏やかな地形で興味を引かないのだろう。
つまり、入るのは私のような物好きだけになってしまうのだろうが、決してつまらないところではないので、ぜひとも写真を撮って紹介したいと思った。
それなりに写真の枚数が多いので、三回に分けて掲載予定。
こんな地味な谷を三回にも亘って掲載するのは、このブログならではだと思います(笑
去年と同じく、四十八滝の上流側から下っていく。
まだ夜明け前の暗い山中を、懐中電灯で照らしながら進む。
道の真ん中に居座る大きなヒキガエルに驚かされるのも、去年と同じだ。
辺りもだいぶ明るくなってきた頃、対岸から山椒谷が合流する地点に着く。
本流に懸かる雛壇滝のすぐ下流だ。
赤目四十八滝は三重県名張市だが、この辺りでは対岸は奈良県宇陀市なので、山椒谷は宇陀市ということになる。
今回は程よい水量で、容易く対岸に渡り、そこから僅かな距離で夫婦滝に着く。
上部で二本の流れが、一本に合わさって落ちるから夫婦なのだろうか?
小さくて見映えのしない滝だが、それに比して滝壺が大きいのは赤目の特徴だ。
さて、ここからは殆ど知られていない場所で、三度目とはいえワクワクしてくる。
写真のように、滝とはいえない小さな落差と渕が続く。
両岸の斜面は概ね植林されているが、水際は落葉樹が多く緑が美しい。
道は無いものの険しいところも無いので、たまに足を濡らす程度で快適に進める。
ただ、谷を渡すように張られた蜘蛛の巣が、やっかいと言えばやっかい。
左に赤目らしい柱状節理の岩壁を見て暫く行くと、両岸が狭まり、壁の低い廊下状の地形となる。
間に満々と水を湛え、25メートルほどの長さがある大きな渕だ。
少し先に、この渕を形成したであろう滝が見える。
渕の大きさからすれば、不釣合いに小さな滝だ。
姿もあまりぱっとしない。
だが、ここから振り返って見た渕の美しさは、この谷随一の風景かも知れない。
いちばん深いところで3メートルほどだろうか。
止水かと見紛うくらいに水面は静かだ。
そして水面に映る緑。
それから、光と、陰と。
以下、コメント省略。
静かで、心ゆくまで雰囲気に浸れる場所だ。
殆ど同じ場所の写真になってしまったが、今回はこの渕の紹介がしたかったので・・・。
2万5千分1地形図 大和大野
撮影日時 100730 5時~6時40分
駐車場 四十八滝上流側入り口に数台分。山椒谷出合まで徒歩40分ほど。
地図
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hiro1jzさんのファンはこういう感じの
シリーズを楽しめる人ばかりです♪
コントラストがちょっとソフトに倒れてますか?
それともこういう風景なのかしらん
なんかこう角が取れて(物理的にではなく)
とろんとした空気感が感じられます
ちょっとねっとり感もあって
包みこまれると気持ち良さそうです
本当に止水のような淵ですね
静けさが豊かさの証のような淵です
あ~、嬉しいです(笑
いや実際、現地で私は心洗われる思いでした。
ここは紅葉も撮ってみたいなぁ・・・。
>幽黙さん
少数でもファンがいらっしゃるなら・・・(笑
いちおう週刊(?)ですので、続きものを楽しみにして頂ければ嬉しいです。
そうなんです。最近ちょっとコントラストを弱めに撮ることが多いんです。
過去の写真を見たときに、コントラストと色彩がドギツイなぁ、と思うことがありまして。
でもまだ試行錯誤、というか、写真に終わりは無いですねぇ。
ここは一日中いても人に会わないような場所で、
虫も殆どいませんでしたし、涼しくて快適でした。
静けさや豊かさに浸りたくても、やたらと虫が寄ってくるような場所では厳しいですが、
ここはもう本当にどっぷりと浸れます。
しれないけど気持ち良さそうですね。
六枚目の写真良いなぁ。なんか絵になる風景です。
こんな場所で一人で過ごせるの幸せな瞬間でしょう
ね。虫もいないの良いなぁ。
次回の渕も楽しみですよぉ。
え~今年出かけたの七回!やはりhiro1jzさんは
密度濃い遠征している証拠ですよ。
そうそう高校野球終わりましたね。兵庫が応援
の中で最下位は微笑してしまいました。やはり
故郷の選抜応援が多いみたいですね。
たしかに丹後の奥地は、そんなに良さ気な場所が
少ないですよね。自分は竹野神社までですね。そ
の先というか奥はイマイチ興味わかないですね。
たしかに似たような場所に行きそうですね。それ
より丹波の方が良さそう。
奈良は参りました。やはり奥深いですね。
は~関西に移住したい・・・
新デジカメ機能多すぎです。豚に真珠です。
この渕も、たぶん素っ裸で泳いでも問題無いくらいです。
しかも観光地のすぐ横、というのが痛快だったりして、
ちょっと紹介するかどうか迷いました。
まあこのブログに載せたところで、
行く人が増えるほどの影響力は無いのですが(笑
次回は渕よりも水面、ですかね。
さすがに7回は少なすぎます。
去年は同じ時期で14回、一昨年は30回、
年々減っていってまして・・・。
まあ確かに、一回あたりの密度は濃くなってますが。
高校野球が終わると夏も終わりだなぁ、という気持ちになります。
私の応援する府県は早めに負けてしまったので、
今年はイマイチ盛り上がりませんでした。
皮肉にも兵庫がいちばん勝ち残りましたから、
さすがに後半は兵庫を応援しました(笑
若狭、但馬、因幡には通じるものがあるのに、
間の丹後だけ何か違うんですよねぇ。
ただ、舞鶴辺りは多少惹かれるところがあるので、
そっち方面に行くかも知れません。
丹波は荒田と絡めて、ですかね。
そのように意ってもらえると関西人としては嬉しいですが、
自然景観はやっぱり東日本だなぁ、と思います。
確かに、カメラに限らず機能多すぎなものが多いですよね。
慣れてくると遣う機能が絞られてきますけど、
そこへ辿り着くまでの試行錯誤で挫折してしまうと、
すべてオートで撮る、なんてことにもなりかねません。
頑張って使いこなしてください。
蛙と蝉、時に「キキキキキー」と鳴く声、それ以外は川のせせらぎと滝のしぶきの音!この写真のコメントも素晴らしく、静かな中に「それらの音」だけは自然に頭の中に湧き出てくるようです。名物のオオサンショウウオもたくさん生息している様に感じました!…ありがとうございます!
で泳ぐのOKなくらい人の気配ないんですね。
それは爽快ですね。マァ楽しみは共有しましょう
よ。影響は、どんな形で出るかわからないですよ。
しかし夏に、こんな画像みれるなんてありがたい
時代ですよねぇ。次回も楽しみ。
う~ん年に半分づつですね。ただ毎回面白いの掲載
してくれているんで密度は問題ないんでしょうね。
もしかしたら前調査に時間かけるようになったの
かもしれませんね。今年は期待薄の紅葉の時期に
活動ペース上がるんじゃないですか?写真の出来
みると興味が薄れた感じは全然ないですもんね。
昨日から秋の虫が鳴き出しましたよ。ホント甲子園
終わると秋の気配ですね。
やはり甲子園は地元を応援するか賭けると燃えま
すよね。自分は賭けないんですけどね。
京都は早くに消えたんですよね。春の選抜に期待
ですね。
今年は話題の弱小チームとかなかったなぁ。公立
とか弱小チームとか出ると燃えますよ。
たしかに丹後って因幡や若狭なんかと違う印象あ
りますね。ポンと膝をたたきます。
但馬の北部は自分は知らないんですが丹後のとくに
北西部と違う気するなぁ。
舞鶴良いですね。籠神社近辺も良さそうじゃない
ですか?
東は山ありますからね。でも関東は、そうとう奥地
いかないと面白くないですよ。長野あるから東の
自然は濃いと言えるんですが・・・
やはり西ですよ。神社の雰囲気は抜群ですね。
ばれてましたか!いざとなればカメラは全オート
にしようかと思ってたんですよ。
いや研究しますよ。最初は伊勢で実験的に撮って
きます。
榛原にお住まいですか。
私は以前、名張に住んでおりましたので、
榛原は通勤で毎朝通っていました。
名張も寒いところでしたが、榛原を通る頃には一段と車内が冷え込んだのを思い出しました。
ドライブでも、室生や榛原近辺へはよく出掛けたりしました。
ここは山仕事をする人や、ごく僅かの物好きな登山者くらいしか入らない場所ですので、
本当に静かな、もう一つの赤目を見ることが出来ます。
おっしゃるように、聞こえる「音」はすべて静けさの一部で、
風景や雰囲気と一体になって溶け込んでいます。
魚影は濃くて、水の中をジャブジャブ歩いていると、
逃げ惑う小魚が岸に飛び出してしまったくらいですので、
きっとオオサンショウウオもたくさんいるでしょう。
写真やコメントから、この谷の良さを感じ取って頂けたなら嬉しいです。ありがとうございます。
またちょくちょく覗きにきてください。
早朝だったので、けっこう涼しかったんですよ。
いい場所はどんどん紹介したいと思いつつ、
心無い人にだけは見つかってほしくないです。
ごみを捨てたり、植物を採るような人が来ないことを願いつつ。
実は事前調査も以前より手抜きなんですよ(笑
どこか行きたいけど出掛けるのがメンドクサイ、
みたいな状態が続いてまして・・・。
ただまあ風景に対する熱意みたいなものは衰えることなく、
それを求める気持ちは変わりませんね。
12日の夜にペルセウス座流星群を見に夜の山に行ったんですが、
さすがに山では秋の虫がたくさん鳴いてました。
都市部ではまだまだ暑そうですね。
京都は初戦敗退でした・・・。
最初っから沖縄が優勝すると予想してたので、
賭ければ儲かったんですが(笑
気候は似てますから、植生も似ているはずなのに何か違うんですよね。
籠神社は行ったことないんですが、ちょっと人が多そうですし、
駐車料が確か700円だったような・・・。
以前、それを見て寄らずに素通りしました(笑
東日本では、やはり長野、それから東北の存在感は大きいです。
確かに関東平野は広すぎますもんね。
そういう意味では、京阪神は山が近くて手軽に楽しめるというのはありますね。
でも、神社も東日本はいいと思いますよ。
最初は思い通りに撮れなくてイラつくかも知れませんよ。
私は一眼に買い換えたとき、あまりに意図したものと違うものしか撮れず愕然としましたから(笑
じっくり気長に習得していってください。
よね。カメラ好きの親父とかホントに腹たつこと
ありますもんね。う~ん難しい。
泳げそうな川って最近見てないなぁ。実際に泳いだ
の数年前の長野の阿智川くらいですよ。
たしかにパッション落ちてないですね。面倒なのは
暑いからじゃないですか?自分も七月に入ったら
恐ろしいくらいペース落ちましたよ。
ペルセウス座流星群!ロマンですね。山の方は涼し
くなってきたんでしょうね。
秋は風景として面白いし早く秋になって欲しいです
よね。
ぐえ駐車場700円。ちょい嫌だなぁ。丹後の違和感
なんでしょうね。元々は丹波で北陸道と隣接する
山陰道なんですけどね。
そうそう山陰で思い出した。凄く良さそうな神社
発見したんですよ。鳥取の若桜神社。くわぁ行きた
いけど来年だなぁ。
長野も良いし東北忘れていました。岩手と山形は
凄いですよ。このエリアのディープな感じは東の
自慢ですね。関東はなんでもマァマァなんですよ。
やはり西です。貧乏神にとりつかれた悪友も唸る
ように西だよなぁとつぶやいてますよ。
幽黙さん推薦のパワーショットG11なんですよ。
間違いなく高性能なんですけど悲しいことに
マニュアルの意味がよくわかんないんですよ。
カメラ用語がわからないのが原因ですね。
でも慣れたら宮川神社とかに行きたいですよ。
まずはあさっての伊勢で試してみます。