長い間サボっていたところに、以前にオフ会でご一緒したことのある「むっちゃんさん」から、お誘いの電話をいただいた。
暑くて出掛ける気になれないくせに、実はポケモン捕獲には熱を入れていて、近所は歩き回っていた。
このブログでポケモンなんて名称が出てくると、「え?」と思われる方もいるだろうが、それについては別記事で書いてみたいと思うくらい楽しんでいたりする。
それはともかく、神社とも山ともご無沙汰である。
むっちゃんさんからは、京都市街の神社はどうですかと言われたが、私は「電車と徒歩では行けない山の方へ行きたい」とお伝えした。
車を出してもらい、運転もしてもらう身分でありながら、随分と身勝手なものである。
当日、むっちゃんさんの最寄り駅で待ち合わせ。
お会いするのは二度目だが、気さくな方なのですぐにリラックス出来る。
おまけにオニギリとお茶まで用意されていて、私は助手席でただ寛いでいればいいという状況。
私がナビをする必要もなく、大阪近郊から京都市西部の都市部を抜け、周山街道に入る。
大体の目的地は決めてあるものの、道中、気になるところがあれば臨機応変に、という形で進むことにする。
山が近くなって暫くで、平岡八幡宮の看板が現れる。
こういう予定に無い神社に出逢った場合、私は躊躇している間に通り過ぎてしまうのだが、むっちゃんさんは即断即決で車を乗り入れる。
長い参道の奥に駐車スペースがある。
参道も駐車場所になっているようで、写真は撮らず。
というか、光線状態が悪いので、写真自体あまり撮る気にはなれない。
駐車スペースのすぐ正面に拝殿。
思いのほか立派な神社であったが、木材の傷みは激しい。
この規模の神社でも資金難なのだろうか。
尤も、私としては、このくらい古びている方が好きではある。
本殿は瑞垣の中で写真にしにくいが、結構な規模で見応えがある。
京都市の有形文化財に指定されていて、天井には極彩色の花卉図が四十四面描かれているらしい。
なんと二日後から一般公開されるらしいのだけれど、どうせ上手く写真に出来るわけでもないし、口惜しがっても仕方ない。
まだ暑さは厳しいが、一頃に比べれば木漏れ日は柔らかくなったような気がする。
平岡八幡宮を後にして、有名な高雄を過ぎ、更に北へ向かう。
この辺りまで来ると、私が高校時代に何度も歩いた山域でもあり懐かしくなってくる。
ということで、今度は神社ではなく、私にとって思い出の場所である滝に立ち寄るため、車を林道に入れてもらう。
林道を1.5キロも進めば菩提の滝がある。
昔は滝の直ぐ傍から滝へと降りる階段があった筈だが、大雨か何かで崩壊したようで、今は少し下流から歩道がついている。
菩提の滝を初めて見たのは小学校六年生のときで、友人と二人で山歩きをしていて道標に導かれてのことだった。
大人同伴でなく、それまで子供だけでこんな山の中を歩いたことは無かったし、不安や楽しさの入り混じった道中で、しかも生まれて初めて見る滝だったので、強烈な印象を私に残した。
尤も、滝そのものは落差10メートルほどで高くも大きくもないし、数多くの滝を見てきた今となっては格別なものでもないのだが、とにかく滝好きになる原点がここである。
最後に見てから三十年近くが過ぎているが、滝の姿は変わらずここにある。
滝の上に林道のガードレールが見えるのが残念だが、これは私が子供の頃から変わっていない。
殆ど北山杉に覆われた地域で、谷も深さは無いけれど、滝の辺りだけは暗く、モミジの緑もあって、雰囲気は良い。
水は上流に溜池があるので、やや濁っている。
滝壺周りは、昔はもっと砂利が多かったように思うし、ここの砂利で北山杉を磨くという話を聞いた気もするのだが、今は小石が多くなっていた。
周山街道に戻り、すぐに中川集落。
昔は車の量が多く、さっさと通り過ぎていたところであるが、今は新道がトンネルで抜けているため、滅多に車の通らない静かな場所になっている。
中川は北山杉の中心的な集落で、以前は街道沿いの民家に、皮の剥かれた杉の白い幹がズラリと並んでいるのを見かけた。
不況のせいかどうかは判らないけれど、今日に限っていえば、そういった光景は少ない。
今までは、車は多いし駐車場所は無いしで立ち寄らなかった中川の神社に参拝する。
谷間にある集落だから、神社は斜面にある。
杉ばかりが目に付く辺りの風景の中で、ここはモミジの緑が鮮やかだ。
斜面にあるから、どうしても奥行きはあまり無い。
どちらかといえば横に広い形になるのだが、それでも思っていたよりかは深さがある。
その印象は、緑が豊かだからでもあるのだろう。
本殿は覆屋の中。
本殿前から。
本殿から横へと続く道。
こちらから下へも降りられるが、更に上へと続く道もある。
上っていくと御神木があり、そこから本殿裏へと進んでいけば、磐座と思しき岩がある。
磐座は写真にはしにくいし、実際、撮った写真はダメダメなのだけれど、なかなかに存在感のあるものであった。
撮影日 160902