a journal of sociology

社会理論・現代思想を主に研究する今野晃のblog。業績については、右下にあるカテゴリーの「論文・業績」から

論文を書く

2007年01月28日 | 研究生活
 現在、仏語で論文を書いているが、なかなか進まない。その障害になっているのが、実は自分の思考方法(というか思考言語)。実を言うと、私は長い間日本語で文章を書くことができないでいた。仏に滞在していた際、ほとんど日本人の友人がなく日本語を話す機会がなかったため、さらに、過度に向こうの文化にどうかせねばと考えていたため、「仏語で考える」ことを過剰に課していたと思う。

 短期で一時帰国していた際には、電車の中などで一人で物を考えているとき、ふと自分が仏語で思考していたことに気づくこともあった。当然だが、当時は仏語で寝言も言っていたようだ(笑):ただし、寝言で仏語というのは、特別なことではなく誰にでもあるよう。ちなみに私が言っていたのは、「Je ne comprend pas :わからないよ」だったとか(爆)。ここまでくれば、強迫観念も相当なもの。

 ある時などは、折に触れてお世話になっていた英文学のある先生(その方からは、ご自身の豊富な海外経験から、さまざまなアドバイスや「勇気付け」の言葉を送っていただいたのだが)から、「あなたは語学コンプレックスが強すぎるから直した方が良い」と言われたりもした。

 そうした「コンプレックス」は、帰国して以降もかなり長く続き、日本語で文章を書こうとすると、仏語が頭に浮かんでくることが多々あった。実際、それがやっと直りだしたのが一年ほど前からだと思う。

 で、やっとさらに一年ほど経過して、日本語で思考し、日本語で文章を書くことに復帰しだした矢先に、仏語で論文を書く羽目に

 なんとまあ、皮肉なこと。というか、間の悪い自分の性格をこういう機会には痛感してしまう。

 と、行き詰まってたので気分転換に、更新を。


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