a journal of sociology

社会理論・現代思想を主に研究する今野晃のblog。業績については、右下にあるカテゴリーの「論文・業績」から

欧文で書くことの難しさ

2014年11月20日 | 研究生活
 前々回のエントリーで、お世話になった先生や先輩方とお会いさせていただく機会があった話をした。

 その際、いろいろな話をさせていただいたが、主な話題になったのは欧文(主に英文)で論文を書くことの難しさだった。欧文で論文を書く場合、日本のコンテクストと距離を取って書く必要があることを、先生方が強調していた。

 私の場合、欧文で書くというと仏文なのだが(英語の要旨を書く場合も、私は先に仏文で書き、それを英文になおしている)、その経験であったのは次のようなことである。

 論文などの文章は、普通の仏人ではなく、当然それに精通した仏人の友人・知人に直してもらうのだが、ある時添削してもらった際、私が順接でつないだ文章を、逆接の接続詞で添削されたことがあった。そして、内容面での深さを考えると、そこはやはり逆接の法が深い問題提起になっていたのだった。

 まあ、仏文の文章はとりわけ、母語文化の色合いの強い仏の文化背景が前提としてあるのだが、それにしても欧文で書く際にはそうした論理的思考そのものを再考する必要があるのか? と痛感したのだった。

 ただ、このエピソードを、社会学の国際雑誌に長く関わっている先生を一緒に話したところ、そこまでは必須ではない旨のことをその先生は言っていたが。ただ、参照している文献やその他の基礎的な部分で、日本の研究者は海外に発信する際に、まだ気をつけねばならないことが多いと、その方は言っていた。

 私が制度的に所属しているのは、社会学だが、社会科学系の学問もグローバル化を迎えている。その中身がいかなるものなのかを再考する必要もあるが、欧文で書くことの難しさを、改めて感じるのだった。

 と、その前に私は英語の力そのものを向上させないと行けないのだが……(苦笑)。

最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。