a journal of sociology

社会理論・現代思想を主に研究する今野晃のblog。業績については、右下にあるカテゴリーの「論文・業績」から

日本社会学会@立命館大学

2006年11月01日 | 研究生活
 久しぶりの更新。先週末に京都の立命館大学で開催された日本社会学会について感想と報告を。

 自分の発表はしなかったものの、はるばる京都まで足を運んだ(考えてみると、留学以来ここ数年やってない)。我々の研究会で再生産について:イデオロギーと国家のイデオロギー諸装置の書評会を開いた際、共訳の西川長夫先生と一緒に東京に来た立命館大の院生の一人が、私の指導教官であった庄司興吉先生の司会するセッションで発表をしたため、某かの「縁」を感じてのことだが、院生時代の先輩や同僚、これまで交流のなかった後輩、それから偶然にも10年近く音信不通だった友人とも出会え、予想外の収穫(研究の方は? 笑──それは後ほど)。

 庄司先生が司会をした学説史1セッションで発表した中倉君は、7月にこれも同じく立命館で開催されたアルチュセール・マラソンセッションに、私がまねかれて参加した際に、立岩先生と深夜まで飲み明かしたりしたのだが、彼自身の研究発表を聞くのは初めて。
 タルドとデュルケムの論争に関する発表だったのだが、発表そのものは、なかなかの出来。私自身は概括的な質問のみで、専門的なコメントは、同じくタルド研究の専門家である池田祥行さんがされた模様。その後、一緒のセッションで発表した京都大の平田さん、東大の流王君らとともに昼食を。

 午後は、「文化社会学」部会に参加。私自身は専門外だが、仏系の研究をしていると自然と入ってくる領域、またブルデューもいろいろ読んでいるため。ただ、発表者の一人は部会の後で「自分以外はすべて『文化政策』関連の研究だった」と言っていた。それとは別に、一橋の安川先生の美術館鑑賞(鑑賞者がどう言った視線でどういう作品を見るか)をめぐる分析の試みが興味深かった。私自身は「ブルデュー的」方向性を感じたのだが、鑑賞者の属性は考慮しないとのお話し。

 二日目は、主にシンポジウム1の「人口減少社会」に出席。昼食の際に、これもまたアルチュセールのセッションで知り合いになった出版社の編集者と本当にたまたま同席、彼とシンポジウムにに出席。彼のお陰で退屈せず、非常に有り難い出会いだった。内容的には、あまり満足はできなかったのだが、先ほどぱらぱら読んでいた本で、関連する主題を発見。そうした意味では刺激になった内容だったと言えるかも(この話を聞いていなければ、目に入ってこなかっただろう)。

 すべて終えた後、先ほどの中倉君と立命館院生何人かと飲みに出る。諸都合で、発表をキャンセルした橋口君(彼もまた中倉君と同じ機会に知り合ったのだが)も同席。いろいろ問題を抱えているようで、いろいろアドバイスを。参考になれば良いのだが。いずれにしても、彼らと非常に楽しい時間を過ごし、帰京。研究上も、また、様々な再会・出会いがあって人間関係上でも刺激になった学会だった。

 つづく


最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。