お寺さんぽ Ver.03

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弥勒如来 (泉涌寺)

2006年04月24日 | 仏像
のんびり気軽にさんぽがてら。
本日は以前「楊貴妃観音」を紹介しました泉涌寺は「弥勒如来」です。

おん、まいたれいや、そわかー。
当ブログ来訪の方へ明るい未来が訪れるよう、弥勒如来の真言を唱えてみました。
合掌。

…ちなみに、ひでるさんは無神論者なのでなんも効果ありません、悪しからず。
うふふふ…。
それに未来もいいですが、どっちかと言えば今現在を救ってほしいですよ。ええ。

と、そんな冗談はさておき、弥勒如来です。
こちらは他の有名如来と違って作例があまり多くなく、また見分け方もよく分からないという、ひでるさん苦手な仏像になります。
ちょっと仏像とかお寺を知っている人は「みろく…」で聞いた場合、「ああ広隆寺のやつでしょ」と思うかもしれません。
実際、ひでるさんも詳しく知るまではそう思っていたんですよ。

広隆寺のやつ、というと超美形仏の「弥勒菩薩半迦思惟像」になるでしょうが、もう一度よくタイトルとか確認してみて下さい。
…ね、あちらは「弥勒如来」でなく、「弥勒菩薩」なんです。いいですか、まがい物ではありませんよー。

弥勒さまは、天空にあるというラピュタ…でなく、兜率天(とそつてん)で菩薩として現在は修業中なお方です。
それが弥勒菩薩、広隆寺におられる、なんか悩んでるような、にやけてるような方。
弥勒如来、っていうのは彼のその後を想像して作成された、出世後のお姿をあらわしたものなんです。
両者の違いはそんなんでした。

ちなみに、釈迦の涅槃(亡くなった後の意味)から五十六億七千万年後に仏法が滅びたとき、如来となってこの世に姿を見せ、釈迦の救済にもれた人を救うそうです。
うわ、ひでるさんは間に合いそうにないですね。
がっかりですよぅ。

この方が「未来仏」とも呼ばれるのは、そんな理由からです。
梵名(ぼんめい)はマイトレーヤー。これで慈尊(じそん)と訳し、「慈から生じたもの」となるそうです。

とまあ、ひとしきりの説明が終わったところで、びっくり情報をひとつ。
この弥勒さまは実在の人物だったんです!
うわ、すげえ!マジですか?!

……あれ、皆ついてきてます?
驚いた…よね。どう?
坂東英二が実は元野球選手だった、くらいの衝撃だと思うんですが。(←その程度かい!)

弥勒さまは釈迦が未来仏について説法をしていた時、自ら志願した名家のおぼっちゃんなのでした。
そう、釈迦自身も本来は王子様ですからね。
やっぱり裕福なだけ、真理だの生きる目的だの、ややこしいこと考える暇があるのでしょう。

…というより、志願して如来になっちゃうもんなんですか?
まるで学級委員長みたいですね。

さて、さんざんおちょくった(純粋に好きな方、すみません)後は見分け方です。
えっと、立像は釈迦、阿弥陀と同じです。印は、あの天皇様が手を振るような形のやつです。
(施無畏印・与願印といいます)
で、ややこしいのは、阿弥陀さまと同じように指で丸をつくっておられる方もいるところなんですよ。
あ、そうですね、右手が手を振る形(施無畏印)で、左手を膝上に置き、指先を下向きにする形。
これだったら、完全に弥勒如来で間違いありません。たぶん。
(※小さいですが写真参照。これを触地印(そくちいん)と言います)

ちなみに、両脇には法苑林(ほうおんりん)、大妙相(だいみょうそう)の二菩薩がいるそうです。
…って、誰でしょう?見たことも聞いたことも無いですが。

そんなんですから、お寺側が「弥勒」と言っていたら「そうなんだー」という感じで素直に受け入れましょう(笑)
釈迦、阿弥陀と共に三尊まとめてある場合は、どれかが弥勒さまです。たぶん。

ちなみにインドでは弥勒菩薩のみで、弥勒如来の作例はないそうです。
へー。現実主義なんですかねぇ。


□弥勒如来がおわすお寺□
奈良 當麻寺(たいまでら) 国宝・飛鳥時代 [住所] 奈良県北葛城郡當麻町當麻1263
神奈川 称名寺 重文 [住所] 横浜市金沢区金沢町142  
京都 泉涌寺 ※写真 [住所] 京都市東山区泉涌寺山内町27

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※コレでじっくり弥勒如来を鑑賞しましょー。

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