お寺さんぽ Ver.03

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暗殺と裏切りはお手のもの「松永久秀」(1)

2006年04月15日 | 歴史
のんびり気軽にさんぽがてら。
本日は「戦国三梟雄」の一角、松永久秀さまです。
前に北条早雲をやったので、せっかくだから三人揃えてみようと思ったの。


「この男は滅多に人ができないことを三つもやった珍しい男だ」


それが織田信長の「松永久秀」評として知られています。
これは信長に恭順した後、同盟者の徳川家康へ紹介される際の台詞で、大抵の説明では
皮肉を込めた酷評である、となっています。
ですが、「これはほめ言葉ではないか?」という論もありました。
ひでるさんはその説を支持しています。

※ちなみに、滅多にできないこととはなんでしょう?

①東大寺を焼き払った。(大仏ごと。うわぁ)
②将軍家に刃を向け、十三代「足利義輝」を殺害した。
③主家の三好家を衰退させ、乗っ取った。

以上の三点を冒頭の台詞後に告げ、それで久秀は赤面した、という話が伝えられています。
ただ、そう説明した信長自身が彼と似たようなことをやってるんですね。

①比叡山延暦寺を焼き払った。(下で紹介してる天台宗の総本山ですよ~)
②足利将軍家を事実上滅亡させた。
③主家の織田家、さらにその上の守護「斯波家」を乗っ取った。

…ね。同じような、というより雰囲気的にはより悪化してますね(笑)
信長さまああああっ!

さて、南蛮渡来の最先端を吸収し、当時当たり前だった常識をことごとく無視した革新的な
織田信長。なにしろ、宣教師の説明する「地球は丸い」を理解し、神はいないと堂々と言い
放つ様は通常の感覚では到底信じられないんですね。
伊達にうつけと呼ばれていませんよ!

この「松永久秀」は信長より遥かに年上(二十歳くらいの差です)なんですが、彼が追い詰め
られた際に、偶然接近したハレー彗星を民衆は「弾正星(※)」とかなんとか命名し、悪事を働
いた久秀の凶星であると噂したのに対して、「あれは何年かの周期で接近するものだから、そん
なんじゃない」とかなんとか現代人のようなことを言ってるんですね。
こちらも見事なまでに進んだ思考の持ち主なんですよ。

それらを踏まえれば、信長の久秀評は「ああなるほど、これは褒めてるのかもしれないかも」
と解釈できます。いわゆる信長ジョーク、ですよ。質悪いですけどね。

なにしろ、あの当時はそんな思考の持ち主なんてごくごく稀なことですから、信長としては大し
た奴だ、という風に感じていたことでしょう。
…まぁ、批評された久秀自身がどう感じたか、はまた別なんですが。
うふふ…。


 ⇒ つづく。
   なんだかえらく長いので数回に分けています。お寺・仏像を期待している方、ごめんなさい。

(※)松永久秀の官位:従四位下弾正忠より命名。

   ちなみに今回写真は信長に焼き討ちされた「比叡山延暦寺」
   その国宝・根本中堂です。


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