お寺さんぽ Ver.03

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五大明王(お父さんのための仏像講座)

2006年03月23日 | 仏像
のんびり気軽にさんぽがてら。
本日は特別編にしてみました。以前「如来編」をやって一部で大好評頂きました……

「お父さんのための仏像講座ぁ」 (※鼻にかかった声で読んでね)

をお送り致します。
第二回は明王…を全てやるのも大変なので、ひとくくりにされることの多い
五大明王について。

「明王」ってのは「広く人を教育して救済せよ」というような如来の命令を受け、
とくに救い難い者に対して”異形の恐ろしい姿で相手を威嚇・屈服させ、力ずくで
仏の教えへ導く”方だそうです。
…どうよ、この↑文。
えらい脅迫ですね。
普通にやったら警察に捕まったりすると思いますけど。まぁいいか。

ちなみに「明」というのはもともとは知識・学問を意味し、転じて知識・呪力を得る
ために唱える音(真言)
それを身に付けている人を「持明者(じみょうしゃ)」というんですが、その王が
明王。そこから「明」を唱える仏そのものを「明王」と呼ぶようになったそうです。

先に書いたように、敵を屈服させるとはいえ最終目的は迷える人を救うことなの
で、恐い顔の中に慈愛の表現をいかにするか、が仏師の課題だったようですね。
仏師の考えは当然それぞれ異なりますんで、やはり基本形とは別の個性豊か
な像を生み出しています。

さて、見た目ですが、添付の写真をどうぞ。
大きい写真の方(①)が五大明王でも何故か別格扱いを受けている「不動明王」
さまです。
各地になんちゃら不動、とかあるでしょ?
その名がついているところにはこの方が主役でおられます。
えっと見た目に話を戻しますが、とりあえず火焔光背といいます背中が焼けてる
方が明王です。
明王には以前紹介しました孔雀明王なんてステキな方もおられますが、今回は
先に述べたようにセットになってる五大明王のみで。
以下にその五名と方位を。

1) 大威徳明王(だいいとくみょうおう)西方 …写真④
2) 軍茶利明王(ぐんだりみょうおう)南方 …写真②
3) 不動明王(ふどうみょうおう)中央 …写真①
4) 降三世明王(ごうざんぜみょうおう)東方 …写真③
5) 金剛夜叉明王(こんごうやしゃみょうおう)北方 …写真⑤

さあて、肝心の見分け方。
上に書いた表で左端の英数字は、五名が横並びになっている時の順序にして
あります。だいたいそう。
ちがう場合は、きっとお寺が間違っていると思います。(たぶん)
まぁ、上から順に説明しますよー。

1) 大威徳明王(だいいとくみょうおう)西方 …写真④
この方だけ乗り物に乗ってますから簡単です。写真小さいですが、牛(水牛)
に騎乗しておられます。足が六本なのもこの方の特徴ですね。
(※ちなみに写真は牛のアップです)

2) 軍茶利明王(ぐんだりみょうおう)南方 …写真②
元になったサンスクリット語「クンダリー」はとぐろを巻くもの、という意味があり、
この方も手足に蛇を巻きつけております。それが見分け方。
両手を胸の前で交差する、駄目ぇーとやっている方です。
「ひょうきん族・懺悔コーナー」を思い出す人も多いことでしょう。(←そうか?)
(※ちなみに写真は手首です。白いのが巻きついた蛇ね)

3) 不動明王(ふどうみょうおう)中央 …写真①
上↑でも触れましたが、別格な不動さま。
あちこちで見かけますが、小さい石仏から巨大な丈六仏まで嫌になるほど
見かけると思います。また、写真は坐像ですが、立っている場合もあり、その
場合は童子という親衛隊みたいなのを連れてたりします。
→ 関連:狸谷山不動院(1)(2)
特徴は写真に★をつけましたので、そちらを参照下さい。

4) 降三世明王(ごうざんぜみょうおう)東方 …写真③
ちょっと写真見にくいですが、グーにしたような手を胸の前で交差し、小指を
絡ませた印を結んでおられます。(そのまま降三世印といいます)
かっちょえーですよ。ひでるさん好きな仏像です。
ちなみに、見れるなら是非足元もご覧下さい。
この方シヴァとその妻ウマーをふんずけてますので。(理由は別の機会に…)
(※ちなみに写真は降三世印のアップです。わかる?)

5) 金剛夜叉明王(こんごうやしゃみょうおう)北方 …写真⑤
こちらは写真で分かりますね。両手に五鈷杵と金剛鈴を持っておられる方です。
ちなみに、五鈷杵(ごこしょ)は短い五つに分かれた武具、金剛鈴(こんごうれい)
とはベルみたいなものです。
(※ちなみに写真はお腹のあたりです。右の金色が金剛鈴、左が五鈷杵)

おしまい。あー長かった。
まぁ、先に書きましたが、色々違ったりするのでだいたいこんなんだよー、という
程度に願います。あまり深く考えないように。
「以上、お父さんのための仏像講座でしたぁ」 (※鼻にかかった声で読んでね)


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