日の出前の早朝、「安納芋」や「花卉」などを軽トラに積み込み直売所に走った。昨日の恥ずかしかった別の直売所での出来事が頭をよぎり、積み込んだ出荷品は念入りに1つ1つ「貼付シール」を確認した。間違いはなかった。
店頭に並べ終わり、一息ついた後のことだった。
1.「仏手柑(ぶしゅかん)」出荷者との雑談
店内を見回っていると、陳列せずコンテナに入れたままの「仏手柑」が目にとまった。出荷者や価格を記載したシールも貼っていなかった。
<陳列前の仏手柑>
しばらくすると、出荷者が戻ってきた。
自分:「珍しいもの作ってるなあ」
出荷者:「もらった1本の木が実をつけ出したんよ」「この仏手柑、実がなり出すまで何年もかかるんよ」
自分:「病害虫もなく、きれいやん」
出荷者:「みかんに農薬散布するとき、ついでに散布してるんよ」「他の出荷者がいくらにしてるかをみてから値段を決めようと思ってきたんやけど、誰も出してへんので迷ってんのよ」「いくらぐらいがいいと思う?」
自分:「昨日、別の直売所でみた仏手柑はもっと大きかったが、1個800円やった」「この仏手柑、小さいけどきれいやし2個入りもあるし、この直売所では誰も出荷してへん珍しいもんやからエエ値つけたら。欲しかったら買ってくれるで」
出荷者:「相場がわからんけど、今、700円のシールを作ってきたところなんよ」
自分:「それやったら高くないと思う。欲しい人が来たら飛びつく値段やと思うけどなあ・・・」
2.安納芋の調理についての雑談
レジの横を通りかかったら、商品をカゴに入れて店員が来てくれるのを待っている客が2人いた。出荷者がついでに買物をしたみたいだった。開店前なので、誰かが店員が探しに行ったみたいだった。
ふと、カゴを覗くと、何と、さっき出荷し陳列し終えたたばかりの我が家の「安納芋」が2袋入っていた。今日から、中ジャンボな大きな傷入り安納芋を「傷入り」」と明記して出荷しはじめた割安商品だった。
自分:「この大きな安納芋、どんなに調理して食べるん?」と聞いてみた
お客さん:「蒸したり煮たり・・・ 」「安納芋、甘いんでアチコチ探すんやけどなかなか見つからなくて・・・今、たまたま見つけたんで買ったんよ」
自分:「これ、ピーラーで皮を剥き短冊に切って油で素揚げしてから塩をパラッパラッと振りかけたら、フライドポテトより甘くて美味しいとウチでは孫達から好評やで。調理も簡単やし」
お客さん:「いいこと聞いた。子ども達に作ってみよう」
その後ろでレジ待ちしていたお客さん:「今の話を聞いていて、私も1つ買ってきた」
雑談のおかげで1つ売れた。開店前に3袋売れた。
<みかんのバラ売りコーナー:開店1時間前の様子。まもなく陳列棚も埋まってしまう>