酔い日は佳い日

日々の食卓、晩酌事情。by こたりん

チキンライス

2013-04-09 | 旨かった話
仕事先の方々と街の老舗洋食屋(気まぐれで餃子もあるけど)でランチ。

皆さんめいめいに食べたいものをオーダーし、自分はこれ。


チキンライス。なんでかな、画像の調子がおかしいな

昭和の香りする店で、なつかしの味を。

と言ってはみたが、自分、小さな頃はあまりチキンライスを食べさせてもらえなかった。

どの店にいっても大概がそうなのだが、母の考えはこうだ。家でも食べられるものをなぜお金を出してまで外で食べねばならぬのか。母にしてみれば、チキンライスは鶏とご飯を炒めたのをトマトケチャップで味付けした誰でも作れるもの程度のものだったのかもしれない(でも、家でもチキンライスはこさえてくれなかったような気もするが)。

今となってはよく分かるその理屈。
敬愛する池波先生も言っておられた。外食するなら家ではできない火力や技術によって成される料理をと。

でも、子どもは食べたい。フツーの焼き飯でなく甘酸っぱいチキンライスを。
トラウマとは言わぬが、だから今、そんなものが無性に食べたくなるのである。


チキンライスといえば、ダウンタウンさんのクリスマスソング「チキンライス」をご存じか。松本氏の作詞、唄は浜田氏だ。その歌は自分の心にとても残っていてチキンライスを食べる度に思い出す。

歌詞でこんなことをつぶやいていた。

たまに家族で外食 いつも頼んでいたのはチキンライス
豪華なものを頼めば二度とつれてきてはもらえないような気がして
親に気を使っていたあんな気持ち
今の子どもに理解できるかな

素晴らしい一節。共感すると同時にこうも思う。
今の子どもに、というよりも子どもが望むままに与えたいだけ与える「今の親世代」に分かるかな。

大人になったその子らが、料理にノスタルジックを感じることがあるのかな。

小匙ひと匙。

2013-04-09 | こしらえた話。
いやはや爆弾低気圧。昨日は雨が雪に変わり、また冬になるかと思ったぞ。

さて、一転おだやかな今日であるが


最近の我が家の常備菜。


名前はピリ辛もやし、とでもしておこうか。

ペペロンチーノをこさえる要領で唐辛子、モヤシを炒め、そこに塩コショウ適宜、少々の酒、砂糖、醤油、仕上げに豆板醤というもの。

そのまま食べても良いし、さっと炒めた肉と盛りつけたり。これをすりゴマで和えたら即席ナムルになるし、おろし生姜を足して冷や奴の具にしたりとけっこう便利。

というように、様々に使い回すことを考えれば、味つけはもやしの繊細な風味を損なわぬよう、ややあっさりめ。
であるが、もやしの独特な風味は、ただの薄味では活かし切れぬ。

やってみて感心したのだが、砂糖小匙1(もやし一袋に対して)が、思っている以上に効く。料理に達観されている方にすれば、砂糖は味付けの基本だろ!と仰るだろうが、料理なんぞ、味付けはセンスでなどとほざいて、砂糖に頼ることのなかった自分。
甘味なんて酒を入れたらいいではないか、どばどばっとね。それが男の料理ってものよ。なんて思ってた(今は謙虚に砂糖を使ってますけどね)。

今回の砂糖ひと匙。もやしの旨味がかくも引き立つとは、恐れ入谷の鬼子母神なのだった。


男には厳しさよりも、甘さも必要だ。

なんてな。