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それ以来、いつか参拝してみたい神社でしたが、石馬寺からの表参道は石段が延々と続き、かなり辛い石段登りだということが分かりましたので、別の道を探していました。
雨宮龍神社への道は幾つかあるようなのですが、北向岩屋観音のある猪子山からの道は整備されているとのことでしたので、北向岩屋観音の石段を登って、猪子山頂上から雨宮龍神社を目指すことにしました。
道は前回、猪子山まで行った時に確認していたので、あとは歩けば神社まで到着できるだろうと考えていたものの、要する時間は読めないままのスタートでした。
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猪子山山頂からの道は木段で整備され、最初は緩やかなアップダウンが続いていたのでそれほど苦にはならなかったが、道中あまり景色が見えずただひたすら登っている感が強い。
ただ道中には巨石が何ヶ所か見られ、繖山の山系は石の山なんだと実感する。
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猪子山には山麓の岩舟神社の「岩舟」や「磐座」、山頂近くの北向岩屋神社には観音像を祀る岩窟や「玉祖神命」という磐座があり、「巨石の神々を訪ねる道」というルートもある。
あちこちに巨石が見られる山ですから、山中に巨石があるのは不思議ではないものの、次々と巨石に出会えるのはこの山の魅力かもしれません。
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ただし道は平坦な一部の部分を除いて、ほぼ木段の登り降りになります。
登りの木段と下りの木段が連続していますから、こりゃ帰りも楽は出来ないなと思いつつ進んで行きます。
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道を進めば再び巨石と出会う。
いわゆる稜線歩きの道ではあるものの、両側に木が茂った代り映えしない景色の中で、巨石に出会えるのは歩く楽しみになります。
岩場が続く山ではないのに、ポツンと巨石が点在しているのは何か不思議に思えます。
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猪子山の山麓の岩舟神社には舟の形をした岩舟があり、後述しますが雨宮龍神社の磐座も舟の形をしていて、途中の道にも舟の形をしていると見える巨石がありました。
こうしてみると、猪子山には岩舟に対する信仰があったのだと思うに至りますが、それは古代の渡来人の信仰によるものか、この地にいた人の自然崇拝の形なのか...。
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道中の半分辺りまで来た所から傾斜が強くなってきて、木段の登りが続くようになります。
木段には名前や日付、メッセージが書かれてあり、これはボランティアの方々が丸太を担ぎ上げて木段を整備されて方々からのメッセージです。
そろそろ疲れが出てきた頃、木段に書かれた“ガンバレ”のメッセージにどれだけ励まされたことか。
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元気を取り戻して登っていくと急に開けた場所に出た。
雨宮龍神社に到着です。
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境内の入口の巨石群は、猪子山の山頂以降の山道にあったどの巨石よりも大きい。
これが雨宮龍神社の磐座かと思ったが、すぐ奥には玉垣に囲われた中に巨石があったので、本当の磐座はそちらになるのかもしれない。
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裏側に回り込んで巨石群を眺めてみると、随分と印象が異なります。
崖側の木にはお札が付けられており、書かれていたのは令和3年、この地を訪れた行者がここで祈祷した証のようでした。
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玉垣の中には数本の木と一緒に3つの磐座が祀られており、ここが神の降り立つ場所であることを示しています。
前方に碑のような石があり、後方には横たわったような巨石。
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中心となると思われる磐座は、よく見ると舟形のように見えてしまう。
山麓の岩舟神社の舟石が印象に残っていることもあって、そう見えるのかとも思いますが、どうにも気になるところです。
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本殿の横にはこれも御神木と考えられる木が何本もの幹に分かれて林立しています。
それぞれの幹が曲がりながら伸び、上へ行くほど広がるように伸びている姿には何か異形の姿を感じてしまいます。
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さて、いよいよ雨宮龍神社へ参拝しますが、木製の両部鳥居の中には神門、そこから石段が続き本殿へと至ります。
山中にあるにも関わらず立派な神社となっていることに驚きますが、それだけ氏子の方の信仰が篤いということなのでしょう。
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雨宮龍神社は御祭神に大山祇神・級長津彦・ 級長戸辺命・彌都波能賣神・大綿津見神・底津綿津見神・中津綿津見神・上津綿津見神の八柱を祀り、八大竜王社と呼ばれていたという。
水を司る龍神を祀るこの神社は、雨乞いの霊験のある神として麓の村々の信仰を集め、初夏の7月には雨乞いの神事が行われ、降雨明神・雨明神とも呼ばれて信仰されているとされます。
文政11年には大干ばつにより飲料水にも事欠く始末であったが、石馬寺住僧が社頭で大般若経理趣分を真読すると、一匹の小さな白蛇が出てきたという。
僧が持っていた鉄如意で一撃して社殿に投げつけると、雨が盆を覆すように降ったをいう伝説が残されています。
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社はそれほど大きなものではありませんが、彫刻は実に精巧に造られており、山の頂にある社にも関わらず、その見事な彫刻に目を奪われる。
本殿は琵琶湖の湖面に向かっているといい、この神社には生きていくためには不可欠な水への祈りが託されてきたのだと思います。
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雨宮龍神社の先は繖山の山頂へとつながる。
さらに先には観音正寺や観音寺城跡や桑實寺。
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元来た道を引き返している途中に何人かの人が登ってきたので少し言葉を交わしましたが、それぞれ自分の目指す場所まで行こうとされているようです。
北向岩屋観音からのコースを歩く人は、観音さんまで日課のようにして歩く人、ジョギングで駆け上がって駆け降りる人、雨宮龍神社や繖山まで行く人、縦走して安土から下山する人など様々です。
みな自分のペース、自分の目標に向かって苦しいながらも楽しんでおられます。
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