僕はびわ湖のカイツブリ

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“男のためのガーデニング”改め

御朱印蒐集~京都市右京区 霊亀山 天龍寺~

2020-02-19 19:30:00 | 御朱印蒐集・仏像・磐座・巨樹・古墳・滝・登山
 「京都五山」は足利幕府3代将軍・義満が臨済宗寺院の寺格を決めたとされており、「天龍寺」はその第1位の寺院の位置付けとなっています。
京都五山の別格には「南禅寺」がありますので頂点とは言えないものの、2位以下には「相国寺」「建仁寺」「東福寺」など京都の代表的な臨済宗寺院が名を連ねます。
ただし、格付けはあくまで足利幕府の政略的なもののようで、順位変更や脱却・没収などを経て、現在残る順位は義満没後に定められたものだといいます。

天龍寺は醍醐天皇の菩提を弔うため、足利尊氏を開基、臨済宗の禅僧・夢窓疎石を開山として1339年に創建。
造営に際して尊氏や光厳上皇が荘園を寄進したものの造営費用には足りず、不足を補うため元との貿易を再開するために使用されたのが「天竜寺船」だといいます。
その後、何度も火災に見舞われながら明治9年(1886年)には臨済宗天龍寺派大本山となるも、上知令により嵐山・嵯峨野の境内を没収されて現在の境内地となったようです。



往年の規模はなくなったとはいえ、天龍寺は「世界文化遺産( 古都京都の文化財)」の一つとして登録を受けており、歴史的な文化遺産の寺院であることは確かです。
天龍寺は一大観光地である嵐山の中心部にあり、新型肺炎の影響で観光客が激減するもそこは嵐山、やはり訪れる人は多い。



「総門」から入山すると参道の両サイドに塔頭寺院が並び、奥には「法堂」・世界遺産となる「天龍寺方丈」へとつながる。
入山口にあった「勅使門」は工事中で姿は満足に確認出来ない状態だが、「総門」から続く広くて緩やかな参道を進むと、方丈の前で「鐘楼」と赤松が出迎えてくれる。





参道の正面には「庫裡」があり、ここが諸堂(大方丈・書院・多宝殿)へ入る際の受付となっている。
天龍寺を可能な限り見ようとすると、諸堂参拝料・庭園参拝料・法堂「雲竜図」の特別公開とお金がかかる。
今回は庭園参拝料を支払って庭園に入ることにした。



庫裡には天龍寺の顔ともいえる大衝立の「達磨図」があり出迎えてくれるが、当方は堂宇に沿った外回りとなる池泉回遊式庭園「曹源池庭園」の周辺を歩く。
衝立の達磨は天龍寺住職だった平田精耕老師が描かれたものだといい、庫裡は1899年の建築だといいます



庫裡の正面にある石組は作庭師・曽根三郎によるもので、前日に参拝した真如堂の「涅槃の庭」を作庭された方。
曽根さんは天龍寺でこの枯山水を作庭された他、特別名勝「曹源池庭園」から続く「百花苑」を作庭されており、今回の京都では偶然にして曽根さんの庭を2寺で見ることとなった。



「曹源池庭園」へと向かうと方丈の正面には中門があり、その間には白砂の枯山水庭園が望める。
方丈には本尊「釈迦如来坐像(重要文化財)」が祀られているといい、大きな「雲龍図」が描かれているが、雲竜図の方は堂外からも見ることが出来た。





方丈の西側は「曹源池庭園」と面しており、開山・夢窓国師の作庭で、雲がなければ嵐山・亀山・小倉山・愛宕山を借景とした池泉回遊式庭園となる。
曹源池は大きな池ですが、後方に人工物がなく山を借景としているためしているためとても広い庭園に見える。



庭園は素晴らしいのだけど、ここで雪が降りだす。
建物の屋根がある部分はいいが、歩き出すと雪が舞ってとても冷たく、体が冷えてくる。
見える庭園の姿も借景となる山々にこれぞ雪雲といった雲がかかり、寒々とした冬の風景に拍車がかかる。





青空の下、曹源池に紅葉や青紅葉が写り込む時期はさぞや美しいだろうと想像してみる。
人ごみが嫌いなので嵐山を訪れる機会は少ないが、好天の日に池に木々が写り込む絶景の庭園を見てみたいものです。



方丈から多宝殿へと向かうと曽根三郎さん作庭の「百花苑」へとつながっていく。
この季節であっても苔は美しく、馬酔木や椿の花が咲き、季節に花を付ける木々が数多く植えられているのに気付く。
小山の中を周遊することもできますので、花に包まれる季節はさぞや美しいのだろうと思います。





後醍醐天皇の尊像を祀る祠堂である「多宝殿」まで来るとさらに雪が降りかかってくる。
堂内には後醍醐天皇の像と歴代天皇の尊牌が祀られているといい、小方丈からは渡り廊下が設けられているようでした。



天龍寺の塔頭寺院や総門には「瓦塀」がその独特の姿を見せてくれます。
瓦塀は瓦を埋め込んで作られているため堅牢な塀となるだけではなく、幾何学的な面白い紋様を生み出しています。



せっかく嵐山に来たので「竹林の小径」へ足を伸ばしてみましたが、まさに人・人・人で、新型肺炎も雪もお構いなしといった状態でした。
天気が天気なので竹林のいい景色は味わえなかったものの、雰囲気だけは感じることが出来たのは良かったかなと思います。





「竹林の小径」の行き止まりにあるのは「野宮神社」。
「野宮神社」は、天皇の代理で伊勢神宮にお仕えする斎王が伊勢へ行かれる前に身を清められたところとされ、縁結びの御利益があるといいます。
京都で縁結びの御利益のある神社へ行くと、毎度のことながら参拝者の多さに驚きますね。



神社の奥には「野宮のじゅうたん苔」と呼ばれる庭園があり、参拝に並ばれている方々の間を通して頂いて様子を見に行きました。
確かにじゅうたんのように苔が広がっていて高級な生地のような肌触りを想像するが、日が差さずくすんだ色になってしまったのは残念。



この日の朝は京都で迎えたのですが、朝起きたら外が雪で真っ白になっていたのには驚きました。
今年初めての雪で、おそらく今季最後の雪化粧を京都で楽しむこととなりました。
(雪はその後もう一度積もりました...。)




コメント
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