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「おちょぼさん」参拝~岐阜県海津市 千代保稲荷神社~

2019-08-22 05:50:05 | 御朱印蒐集・仏像・磐座・巨樹・古墳・滝・登山
 岐阜県海津市の「千代保稲荷神社」は「おちょぼさん」の愛称で親しまれている神社で、神社としてはもとより、参道120軒もあるというお店での食べ歩きや買い物が有名な神社です。
毎月末には「月並祭」という祭りが行われ、深夜になってもお店は開店していて活気に溢れる神社だと聞きます。

「おちょぼさん」は地元では京都「伏見稲荷大社」愛知「豊川稲荷」と並んで「日本三大稲荷」とされているそうですが、これには諸説があるようで当てにはならない。
参拝した日は「月並祭」の日ではなく、まだお店は開店準備に追われている時間帯でしたが、参拝者は多く、如何に「おちょぼさん」が地元の方や遠方からの参拝者が多い神社(街)なのかが分かります。



神社の本殿・拝殿のあるエリアはそれほど広くはありませんので、まずは南口大鳥居から参道を歩き始めます。
南口から入ってすぐの場所、青果店の横に「荷席稲荷神社」がありましたので先に参拝することにする。



荷席稲荷神社は早川家の先祖が創建した神社で、早川家は宇多天皇にみなもとを発し、佐々木源氏をして近江の国に栄え、源氏信が早川但馬守となり、早川を名乗ったといいます。
その後、9代目の早川兼明左近が1555年、当地で地頭となり荷席稲荷神社を創建されたといいます。



「荷席稲荷神社」には「おちょぼさん」の「霊殿」と同じように名刺が奉納されているのですが、こういう神社は初めて見ました。
小さな本殿の賽銭箱の横には無数の名刺が差し込まれてあり、これは神に自己紹介して御利益をいただこうということなのでしょうか?

神社に参拝して柏手を打つ時に自分の紹介をしてからお願い事を言うと御利益があるといいますが、それの名刺版ということなのか。
ただ神様以外の一般の方にも個人情報が漏れてしまいそうですね。



中鳥居までくるともう千代保稲荷神社は目と鼻の先です。
お店は開店している店、開店準備に追われる店があり、お食事処にはまだ準備中の札がかかっています。



鳥居ばかりになってしまいますが、参道は南口大鳥居から東口大鳥居まで続きますので、神社参拝は後にして東口大鳥居まで行ってみます。
500mほどの参道の両端にある大鳥居の外側には駐車場か田舎道しかありませんので、両鳥居の間にある参道だけが特別な空間になっているようです。



さて、東口大鳥居で折り返し、いよいよ本殿への参拝へと向かいます。
鳥居を入った所に手水があり、身を清めた後で「油揚げとろうそく」を購入して本殿へと向かいます。



「おちょぼさん」では「油揚げとろうそく」を買ってから参拝するのが一般的だそうで、名刺の奉納といい油揚げの奉納といい、少々変わった参拝方法です。
1セット50円という手頃さもあってか、拝殿に向かわれる人はみんな“稲藁に結んだ油揚げ”を持って歩いていかれるのが不謹慎ながらユーモラスな光景に見えてしまいます。



ロウソクは燈明場で献灯しますが、参拝が終わったら持ち帰って家で献灯すると縁起が良いようです。
ロウソクを灯す時に扉を開けると、立てられたロウソク以外にも底には膨大な量のロウソクがありましたので、置いて帰る方のほうが多いようです。



「千代保稲荷神社」の御祭神は「大祖大神・稲荷大神・祖神​」の3柱で、商売繁盛・家内安全などにご利益があるとされています。
神社としての規模はさほど大きくはありませんが、商売繁盛の神ということで参拝される方が多く、参拝者数は年間250万人といいます。



ところで、手に油揚げを持っていては柏手を打てませんのでどうしたものかと前に進むと、油揚げ専用の箱がありました。
朝の時間帯でこれだけ奉納されていますから、人が増える時間帯や休日、祭りの時には膨大な油揚げが奉納されるのでしょう。



拝殿・本殿は外周を一回り出来ますので、本殿の方へ回り込んでみる。
神社では神職の方を見かけませんでしたが、祈祷は社務所で受け付けて渡り廊下を通って本殿へ行くようになっているそうです。



境内には不思議な場所があり、密集するように狛狐と灯篭・石鳥居が集まっています。
ここはかつて安置されていたものがお役目を終えて保管されているのでしょうか。



神社ののぼりも祭典などの時まで保管されているようです。



参道のお店は“縁起物・お食事処・川魚店・たい焼きや草餅などの甘物・洋服店・おもちゃ屋・青果店・漬物屋”など多彩です。
“串カツや味噌串カツ”や“淡水魚の甘露煮”などが人気のようで、店頭で買って食べ歩きの方も見られます。
甘露煮屋さんの店頭には“もろこ・鮒・はえ”などが並び、珍しいところでは“いなご”の甘露煮まである。



お土産屋さんにも商品は色種類あり、昔ながらの門前町の雰囲気がたっぷりです。
ただ価格は観光地価格ではなく全体的に安く感じます。岐阜価格ということでしょうか。



門前町で串カツや甘露煮と並んでよく目立つのはナマズの蒲焼でしょう。
鰻の価格上昇に対抗して近大が「なまずの蒲焼」を開発したってのは聞きますが、ここのナマズは揖斐川のナマズなのでしょうね。
ナマズの大きな看板が誘いかけてくるが、ややグロテスクなナマズ料理にチェレンジしてみるには値段が少々高い。



買い物に入ったお店にナマズの生簀があったので写真を撮らせて頂きましたが、ナマズがうじゃうじゃと泳いでいます。
きれいな水が流れ込んでいる生簀にいるナマズですから、泥臭さや生臭さは抜けていると思われます。





「千代保稲荷神社」は神社の参拝法も個性的で、お稲荷さんに油揚げを奉納する神社は他にもあるものの、参拝者がみな油揚げを持って歩いていく光景は特徴的です。
「おちょぼさん」とうい愛称は神社だけではなく、境内に並ぶお店や露天も出る月に一度の祭りも含めて人々に慕われている神社で、街全体が活気に溢れています。


コメント
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