かまぼこ賛歌

　そば屋で食べるかまぼこって、美味しいと思いませんか。
　ごつごつした平たい陶器に、分厚く斬られたかまぼこが五、六切れ。かまぼこはあくまでも真っ白。表面が瑞々しく光ってる。
　箸でつまみ上げると、ごてっとした頼もしい重量感。まずは何もつけずに一口囓る。
　もっちりと歯から離れて、心地良い弾力感と品のいいかほり。やがて咀嚼が進んでかまぼこは細切れになるのだけど、舌の先でぐっと押しつけると、魚のすり身感覚がある。
　僕はそば屋に行くと、出てきたかまぼこの出身地を訊くことが多い。今のところは小田原出身のかまぼこが一番多かったけど、これは東京でかまぼこを仕入れるとなれば当然かもしれない。

写真：立川『田堀』
ここのオススメは焼酎そば湯割りだっ

　しかしこの美味さの一番の要因は、店の雰囲気によるところが大きいのではないか、と密かに思っている。
「ああ、俺もようやく、そば屋で酒を呑めるようになったなあ」としみじみし、ショーユを拒んでワサビでかまぼこを囓る。地酒をぐいっとあおる。
「そばがきのボウバクとした味もいいんだよな...」（漢字書けない）
「ご主人、だし巻きももらおうかね...」
などと、あくまでも「...」を重視する。恥ずかしがってはいけません。
　なお、そば屋に入るときはなるべく一人が好ましい。間違っても体育会系10人組などでなだれ込まぬこと。
　恋人と差し向かいになった状況では、
「このツヤね、これが大事」
「そばをカリッと揚げたものがあるんだよ」
なんて通ぶることも可。
　無論、相手が長年連れ添った細君なら、
「どうでもいいけど、あんまり飲まないでよ」とたしなめられることでしょう。　

　

ダイエット体験記

　四年ほど前のことになりますが。
　ワタクシ、その頃、体重がずずーんと増加しつつありました。
　身長168センチで、70キロをオーバーしておったのです（それまでは57キロ）。
　顔や首までぱんぱんに太り、腹も尻も出っ張ってしまった。そんなワタクシを見て友人Mは「お前、水野晴郎みたいだぞ」と批評したものでした。

　さて。
　そこまで太ったからには、さすがに
「本格的なダイエットをしようか...」と思い立ったのであります。そこで採用したのが、ビール酵母ダイエットというもの。
　確か、アサヒビールで出していたビール酵母というのを買ってきて、それを無糖ヨーグルトに混ぜて食するのです。朝、昼とそれを茶碗一杯ずつ食べ、“夜は何でも食べたいだけ食べて可”というプログラム。
　しかしこの、ビール酵母ヨーグルトが、めっぽう不味かった。
　顆粒状になった酵母を、ヨーグルトに混ぜ、それをよ～く攪拌するのです。そうすると、まあまあきれいな砂浜の色か、いやいや、わら半紙のような色になる。口中に運ぶと、何だか香りや舌触りまでわら半紙様なのだ。いや、実際にはわら半紙の味は知らないですが。
　これを一ヶ月やったところ、キチンと5キロ減りました。
　ビール酵母ヨーグルトは、腹もちがいいのですね。それに、朝と昼にこれだけを食していると、胃がぐっと小さくなる。だから夜も適量で満足するというわけでした。

　ダイエットなどというものをやったのは、これ一度きり。何しろそのあとのリコンによる心的疲労によって、減らしたい減らしたいと思っていた我が体重は、一気に42キロにまで激減してしまったからです。あのときは、洗濯板のようになった我が胸を眺め、つくづく「ダイエットなんてアホラシ」と思いましたぞ。

　ちなみに、最近はシャドーボクシングを一日3セットやっております。体重はどうでもいいけど、筋肉の衰えのほうが気になってきたのですね。まだ一ヶ月未満ですが、腹筋が引き締まってきたようです。パンチのスピードもだいぶ増しました。
　来年はK-1に出場したいと思います。打倒、曙！（？）　

追：この記事は『立ち読みのススメ』“太陽が落ちるまで拳を握り殴り合って”にトラックバック。

 

小さなジャズ祭り(^.^)b

　近所のスーパー、大丸ピーコック前のお祭り。オジサンバンドのジャズ生演奏をやっているのだ。生ビールでも飲んで帰ろうかなっ。

カラフル

下ごしらえも好きっす


あんずだったかな、これ？
カマンベールとハムとイタリアンパセリをのせて

　冷たいパスタを食べたい季節。サラダにペンネをブチこめばいいと思っていたけど、一寸迷ってから、アンチョビーとガーリックの味付けにしますたっ。成功成功。
　暑くなると食欲がガタ落ち。しかし、彩りにつられて食べてしまうということもありますね。
　食の五原色は赤、黄、緑、白、茶だそうです（茶は和食だったかな？）。その色彩がうまく入っていると、ぐっと食欲をそそる一品になるのですね。
　そういやぁ、ちらし寿司なんかは見事にカラフルに出来てやがるなぁ。べらんめえ。

ある日の風景 深夜のコンビニ

　現在、午前二時。ふとギネスが飲みたくなって、買いに出た。近所のローソンには、クリーミーな泡が出る仕掛けのついたギネス缶が売っているのだ。

　深夜の店には、熱心にマンガの立ち読みをしている男の客が一人。レジにラーメン好きの小池さん風店員が一人。
　例の泡立ちギネスを二缶つかみ取り、ついでにやたらと安い生ハムも購入することにした。レジで会計をしていると、天井のスピーカーからゴダイゴの『ガンダーラ』が流れてきた。
　原因不明の哀愁を感じて、店を出る。
　台風の風雨はすっかりおさまっていて、密度の高い、ねっとりとした空気が身体を優しく包んだ。とにかく、今はギネスだ。

やはり美味かった　ギネスは偉大だ！