くらぶアミーゴblog

エッセイを綴るぞっ!

若かったから、なの?

2005-07-22 01:30:18 | エッセイ
quint400

 学生の頃は、仲間で集まって車に乗ることが、ひどく楽しいことに思えたなぁ。
 どこか決まった目的地があるわけでもなし、誰かが出した車に、三人、四人と乗り込んでくる。ただそれだけのことが、実にワクワクすべきことだったのですね。

 静まりかえった深夜の晴海通り。開け放った窓から顔を出して、夜気にタバコの煙を吹き流す。勝鬨橋を渡ると、空気が冷たくなった。
「この辺りをテキトーに曲がってみっか...」
「あ~、俺、こっち方面はヤバい」
「何だよ」
「別れた女が、このへんに住んでたんだ」
「押し掛けてみようぜ!」
「うわっ、やめろやめろやめろ」
「ひゃはははっ」
「あっ、これ新曲じゃん。誰のカセット?」
 ファミレスの明るい看板を見つけると、とにかく寄ってしまう。そこで夜食をとって、車の中でやっていた話しの続きをして。

「さて、これからどこ行く?」
 こう言って、再びみんなで車に乗り込む瞬間が、たまらなく好きだったなぁ。

追:この記事は『テクノマエストロに憧れて』“明け方のファミレス”にトラックバック。こちらでは早朝の光景が描かれているのですぞ。