くらぶアミーゴblog

エッセイを綴るぞっ!

ニューヨークよ! 最終回

2009-03-19 11:19:13 | 連載もの ニューヨークよ!

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どこを撮っても絵になるキー・ウエスト
(翌朝、ホテルの庭にて)

 キー・ウエストに入ったときには陽が暮れていた。
 ホテルにチェック・インしてから、まずは食事のできるところをフロントで訊いてみた。
 運転しながらサンドイッチを食べただけで、モーレツに腹が減っているのだ。
(とはいえ、そのサンドイッチは巨大だったけど)



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車で繁華街へ出る
裏通りには中南米っぽい風景が



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Map700_3 もっとも賑やかなデュバル・ストリートを歩く。
 ヘミングウェイの通ったことで有名な『スラッピー・ジョーンズ・バー』という店を覗いてみると、凄まじい音量でロックバンドが演奏してた。
 おまけに、そのロックがすごく下手なのだ。
 結局、表から写真を撮っただけでスルーしました。



4200
ホテルで訊いたグラン・カフェという店
ワイン1本プレゼントという実にいい店だった
(酒くれた=いい店と勘違いしてるが)



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カジキマグロのソテーとステーキを注文
醤油とわさびを加えたソースがかなり美味



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そして、翌朝
早朝は海面が鏡のようだった



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ホテルの通路でホシザキの製氷器を発見
「ガンバレよ!」と声を掛ける



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これは国道1号線(U.S.1)の終点
町中にポツンとあって、見つけにくかった



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米国最南端のサザンモスト・ポイント
キューバまで90マイルと記してある



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ヘミングウェイが晩年を過ごした家を見学
観光客には各部屋の説明をしてくれる
(日本語の説明書もくれたぞ)



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 寝室にいた立派なお顔立ちのネコ。
 この敷地には60匹以上のネコがいるらしい。
 ヘミングウェイの小説『海流のなかの島々』には、主人公トマス・ハドソンがネコたちと過ごすシーンが数多く登場するのだ。
 近親の交配が多いために、ネコの半分近くは6本指らしいです。



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とうとう旅も終わりに近づいた
再びU.S.1を通ってマイアミへ戻る
空港近くのホテルで一泊して、翌朝は日本へ



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 今回の旅で得られたことは、
「もうちょっといい加減に生きてもいいかも」
 という考え方でありました。
 万事におおらかで神経の図太い米国人と接してみると、いかに自分が考え込む質なのかが分かる。
 ま、心配性なんですな、僕は。
 ともあれ、こうして各地に想い出を残していくこと。これが生きていく上でのヨロコビになるのは間違いないんであります。
 また来るぜ、アミーゴ!



 おわり
 本編その9へ


 この連載の初回へ





ニューヨークよ! 本編その9 キー・ウエスト篇

2009-02-15 21:24:25 | 連載もの ニューヨークよ!

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離陸前の飛行機で渋滞中
NY ラ・ガーディア空港にて

 午前10時40分発のアメリカン・エアラインに乗って、ニューヨーク市を後にした。2466
(→翼下にマンハッタン島が見える)
 次の目的地は、陽光輝くキー・ウエストなのであります。
 キー・ウエスト行きには大きな目的が二つあった。
 一つは、憧れの作家であるアーネスト・ヘミングウェイの暮らした家を見物すること。
 そして今ひとつは、マイアミからキー・ウエストへと向かう『US-1』(国道1号線)という国道をレンタカーで走ること。
 そのためにマイアミでは観光もせず、空港近くで車を借りて、すぐさま車上の人となる予定だ。



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 約3時間のフライトで、眼下にはマイアミが見えてきた。
 海抜ゼロと思われる地面に、天然の湖沼らしきものや、人為的に仕切られた池が広がっている。
「地面より水面のほうが多いんじゃないの」と僕。
「あんなところ、車で走って大丈夫なのかしら」と細君。
「四駆のほうがいいかも」
 機上から眺めただけで、勝手な推測をするおっぺけぺな二人である。



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マイアミ空港は驚くほどきれいだった
床にはヒトデなどの水生生物が描かれている



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空港を出るなり凄まじい湿気と暑さに襲われる
日本なら真夏の夕立後といった気候だ
英語が聞かれず、スペイン語ばかり飛び交う



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オープンカーを借りてテンションも上がるが...
車種はクライスラーのセブリン



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空が暗くなったかと思うと、いきなりの雷雨
赤信号のあいだに慌てて屋根を閉める
後ろの車にクラクションを鳴らされる



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マイアミを離れると晴れ間が広がった
路肩に駐めて、再びクライスラーの幌を上げる



 僕はどうも英語がうまくない。聞き取りも苦手だ。
 レンタカーを借りて走り出す際、最後のチェック場所で従業員に「パスポート」と言われたような気がした。
「えっ、パスポート?」と僕。
「うひゃははは!」と、黒人女性の従業員は弾けるように笑い出し、首を振った。
「ガソリンは規定通り入っているかチェックしたか」とか、そんなことを訊いたようなのだ。
 まったく、雰囲気だけでは英語は分からん!



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西部警察ヘアーで失踪する筆者
「キーウエストさいこー!」なぞと叫んでいた
道の両側は広大な湿地帯が広がっている



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 日が暮れてきた。
 US-1のマイアミ~キー・ウエスト間は約260km。
 50余りもある島々を連なるこの道路は、セブンマイルズ・ブリッジという橋があることで有名なのだ。
 車のコマーシャルでたびたび登場するので、読者諸賢も見たことがあるかと思う。
 その名の通り7マイル、すなわち約11.3kmある橋で、世界で最も美しい橋といっても過言ではない。
 エメラルドグリーンのメキシコ湾上を、延々と一本走る道路なのだ。



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これがセブンマイルズ・ブリッジ
右側に見えるのは古い鉄道用道路
昔のハリケーンで破壊され、現在は遊歩道になっている
まさに海上を走る開放感に、思いも悩みも揮発する

 Flickrでセブンマイルズ・ブリッジの写真を載せている人がいます。この人とこの人のがすごくきれい。



 つづくっ!
 ニューヨークよ!本編の1へ
 本編その8へ


 


ニューヨークよ! 本編その8

2009-02-03 19:08:43 | 連載もの ニューヨークよ!

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アメリカといえば自由の女神
大陸横断ウルトラクイズを想い出すなあ

 ニューヨーク市(NYC)滞在も終わりに近づいた。
 これよりは精力的に観光をしていかねばならぬ。
 そう決意して、滞在6日目と7日目はガンバッテ歩き回った。



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あれに見えるはクイーンズボロ・ブリッジ
そのたもと、2番街と東59丁目の交差点に向かう



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そこからNYC名物のトラムウェイが出ているのだ
クイーンズボロ・ブリッジと並行してルーズベルト島へ渡る



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向こうからやってきたトラムとすれ違う
こういうシーン、何かの映画に出てきたっけ



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ルーズベルト島で降りると、対岸には摩天楼
この景色を僕は見たかった ついに念願が叶ったのだ



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マンハッタン島南端をのぞむ
クライスラー・ビルディングがわずかに見えている



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 そして翌日。
 東53丁目通り沿い、5番街とマディソン・アヴェニューのあいだにバーガー・ヘブンというハンバーガーショップを見かけた。
 ガイドブックにも載っていない店だが、地元の勤め人たちが入っていく様子を見て我々も入ることにした。
 これが大当たり。最高に美味いハンバーガーが食べられたのであります。



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クラシックビーフバーガー$6.55に
フレンチフライとコールスロー$3.55を頼んだ
ほぼレアのパティは赤身肉の旨味がにじみ出る



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 振り返ってみると、NYCはやはり建築が良かった。
 街角のいたるところで、このようなアールデコ様式が見られるのだ。
 現物を見るまではあまり好みではなかったけど、これだけ同じ様式が並んでいると、やはり魅力があるんですなあ。



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 NYC最終日ということで、ネットで調べてからジャズクラブに行くことにした。
 ここはタイムワーナービルに入っている『Dizzy's Club Coca-Cola』というジャズクラブ。
 入場に必要な金額が、確か35ドルだったと思う。日本円にして約3500円。そんな低価格でプロミュージシャンの演奏が聴けるなんて、やはりジャズの本場なのだ。

 ところで、今回のNYC旅行で参考にしたサイトがある。
『ニューヨークの遊び方』というブログで、情報量が非常に多いところ。写真もとても美しいです。
 後半の貸しアパートメントも、このブログで知り得ることができたのだ。
 ここはかなり有名なブログらしいです。大変お世話になりました。
 さて。
 明日は朝一番でラ・ガーディア空港に行き、マイアミ行きの飛行機に乗る。
 そのあとは一路レンタカーを飛ばして、陽光輝くキー・ウエストへ向かうんであります。


 つづくぅ!
 ニューヨークよ!本編の1へ
 本編その7へ





ニューヨークよ! 本編その7

2009-01-18 14:03:42 | 連載もの ニューヨークよ!

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2番街88丁目通りにあるレストラン『エレインズ』
ウッディ・アレンの映画『マンハッタン』に登場する店だ

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業態はイタリアンで、店員もイタリア系が多い
こってりした味付けで美味いが、ボリュームがすごい

 ニューヨーク滞在6日目。
 貸しアパートメントの居心地の良さに、午前中は寝て過ごした。
 しかし、これまでの旅程の洗濯物がたまっている。しぶしぶ床を離れ、地下にある共同のランドリーで洗濯機&乾燥機を回した。
 旅行とはいえ、やるべきことはいつもと同じなのだ。
 ところで、ここNYC(ニューヨーク市)の共同住宅ではランドリーが共有式。
 各戸で洗濯機を持っていることは、ほとんどないという。
「さて、今日はどこに行こうか」
「セントラルパークを歩いて、周囲の見どころも回ってきましょう」


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ということで、やって来ましたグッゲンハイム美術館

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設計はフランク・ロイド・ライト氏

Guggenheim3487
展示物より建築に惹かれたりして

 グッゲンハイム美術館はセントラルパークの脇にあった。美術館見学をさっくりと済ませた僕らは、方角の検討だけをつけてセントラルパークに踏み入った。
 中を車道が通っているが、車はめったに通らない。
 公園関係者だけが通れる道路なのだろうか。
 折しも空は晴れ上がり、歩き続けていると汗ばむほどだ。

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スケートボード、馬車、自転車、何でも通る

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この噴水周囲も数々の映画の舞台になっているところ

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オノ・ヨーコがつくったイマジンの碑
『ストロベリー・フィールズ』
ダコタ・アパートメントから見下ろせる位置にある

 この日は歩きに歩き、セントラルパークを抜けてから映画『ナイト・ミュージアム』の舞台となったアメリカ自然博物館も見学した。展示物は3400万点を超えるという規模。恐竜の骨格は驚愕の大きさであります。

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下の方に人が写っているので、大きさを比較できる

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地下鉄構内で電子ピアノを演奏している老人がいた
NYCではいたるところで演奏風景が見られるのだ

 つづくぅ!
 ニューヨークよ!本編の1へ
 本編その6へ


ニューヨークよ! 本編その6

2008-12-30 13:36:57 | 連載もの ニューヨークよ!

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チェルシーからの帰途、西14丁目通りから見えた
エンパイア・ステート・ビルディング
こういう写真をパッと撮るにはやはりデジカメが便利


 この連載も第6回目となった。このまま年を越すことになりそうです。読者諸賢よ、来年はみなさんにとって素晴らしい年でありますように。

 さて、ニューヨーク市(NYC)滞在4日目の朝。
Nyc8466  親しみのわいてきた『ザ・タイムホテル』をチェック・アウトする日がやってきた。
 タイムズ・スクエアまで徒歩5分という立地で、マンハッタン見物の拠点としては実に便利だった。
 その分、値段も2人で1泊約3万円と安くはない。これが相場なのであります。

 次の滞在先は東99丁目通りと東100丁目通りの間、3番街に面しているレンタルアパートの『RoomA』というところ。
 NYCは北に行くほど丁目の番号が大きくなる。つまり西50丁目通り沿いにあるザ・タイムホテルよりもずっと北に移動することになる。

Nyc7497_2  チェック・アウトを済ませた我々は地階に降りた。折しも外は雨。しかし、早朝よりは小降りになっている。
 顔馴染みとなったポーターがドアを開けてくれたが、彼は誰かと話をしていたところだった。目の前に黒いキャデラックのリムジンが止まっており、その運転手と世間話をしていたようだ。
「タクシーを呼ぼうか?」陽気なポーター氏がいう。
「お願いします」と僕。
「何ならこのリムジンを使ったらどうだい?」彼が提案する。脇ではドライバーがニコニコと笑っている。
「値段も安いんだよ。なあ、そうだろ」と彼はドライバーにも視線を送る。
Nyc64475_2  その率直さ。フランクな態度。これが米国人の良いところだなあと思う。
「ま、この次にしておこう」と僕。リムジンを使うなんて、いかにもおのぼりさんみたいで恥ずかしい。
 イエローキャブを呼んでもらい、我々は荷物とともに北上した。ビルの間から見える空は雲が切れ、陽光が輝いてきた。


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商業地区から住宅街へ
北上するにつれ、建築も高層から低層へと変わる


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RoomAのある地域は、このような立地
目の前の公園ではいつも子供が遊んでいる

 セントラル・パークの東側には、アッパー・イーストサイドと呼ばれる高級住宅街がある。
 しかし通りを1、2本も北に上がればハーレムに入る。ハーレムとは昔から黒人や低所得者層が多く住んでいる地域だ。
 RoomAはちょうどその狭間にある。だから北に向かって歩いていくと、中古のような雑貨品を売る怪しい万屋があったり、スーパーに入っても食品や飲料水が安く売られている。反対に南を下ると、チーズや生ハムなど輸入食品を売る高級スーパーがあり、品の良い美術学校があったりする。
 その差があまりにもはっきりとしているのが面白かった。


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RoomAの部屋内 久々にバスタブに浸かれた!


 RoomAは、日本人スタッフがほぼボランティアで経営しているところ。「日本人にもっとニューヨークを知ってもらうために、気軽に泊まれる宿を作ろう」という思いで誕生したアパートメント・ホテルであります。
 鍵を渡しに来てくれたA氏はニューヨーク在住十数年という人。この人もフランクで、話し好きで、完全にニューヨークっ子になっていた。
 部屋の説明以外にもいろんな話をし、たっぷり1時間は部屋にいた。


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ニューヨークの地ビール アルコール度数は高め
値段も一本約12ドルと高かった

Nyc67476_2「NYは2001年の9.11事件以降、大きく変わったんです。人々の連帯感が強くなって、犯罪率もずっと下がりました。それは大きな変化でしたよ」とA氏。
 9.11以降、何かと人々は公園に集うようになった。
 “夜の公園は危険”なのが常識だったが、それが変わった。
「人々はお互いを思いやるようになった。それを僕は目の当たりにしてきたんです」
 例えば2003年8月14日の大停電。日本では被害報道ばかりがされていたけど、現地では感動的なことがいくつもあったらしい。
Nyc62700_2 「以前だったら暴動が起こって、あちこちの商店が襲われたはずです。しかしあのときは暴動は起こらなかった。逆に店主が通りに出て、アイスクリームや飲料水を配ったりしていた。なにしろ暑い夏でしたからね」
 A氏の話を聞いていると、こちらも胸が熱くなった。
 今回のニューヨーク旅行、思わぬところで収穫がありましたよ。


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世界貿易センタービル跡地
巨大な空間がすっぽりと空いていた

 つづくぅ!
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