「やっ、俺も歳をとったか」
ふと思う瞬間って、ありますね。
例えば、エスカレーターを歩いて降りるのが怖くなった。
周囲のサラリーマンやOLが、靴音も高らかに降りていくのに、自分はそのスピードが出せない。
自分もさっそうと右側を(大阪なら左側)降りていきたいのに、足元がおぼつかない。
ストライプ状のステップが遙か下まで続いているのを見るとタタラを踏んでしまうこともある。
後ろから来た人がつっかえ、あやまったりする。
あるいは、鼻毛を切っているとき。
ちゃんと切っているはずなのに、どうも最近、鼻腔内がこそばゆいことがある。
洗面所の明かりを明るくして、鏡に映りし自分の鼻腔を眺めると、なんと鼻毛が白髪化している。白いからよく見えなかったわけだ。
その白髪鼻毛たちは、どういうことか、色は白いが太くて立派な奴ばかりである。
「ったく、頭髪には不自由してるってのに、こんなとこばかり立派になっちゃって」
朝から愚痴もいいたくなる。
しかし、それら身体的なものとは別に、相変わらず若いところもある。
それは性格。
若いというより、なーんも変わってないっす。