500円切手の顔にもなった国宝BAZARA
(画像は新薬師寺パンフレットより)
法隆寺観光を終えたのち、奈良駅前に戻って、昼食。
今度は別ルートのバスに乗って、向かうは新薬師寺であります。
ここは何でも、
「東洋のギリシア」
と言われているそうであります。
どうして奈良とギリシアが結びつくのか不明だけれど、ギリシア好きの筆者としては、見逃すわけにはいかない。
それに、十二神将像が見どころということであります。
ところでみなさん、十二神将ってどういう方々かご存じですか?
僕は知らなかったけど、薬師如来をお守りする守護神なのだそうです。
だから、ここの本尊は薬師如来なのですね。
「なるほど、そうなのかー」
大人になってから学ぶと、得心がいくことばかりなんですねー。
生涯学習とは、よく言ったもんですねー。
十二神将像は、本当に12体がずらりと並んで薬師如来を守っていて、壮観でありました。
そして、お寺そのものが、とても良かった。
枝をたっぷりと伸ばした萩のあいだを歩いていると、現実とは違った世界にいるような気がしてくる。
縁側に腰を掛けると、聞こえてくるのは、ハチの羽音。草木が風に揺られる音。
ここが1300年近く昔の建物だと思うと、なにやら胸を打つものもあって、心が豊かになるようであります。
そうして本日の観光を終え、あっという間に夜。
またまた食事どころを探して、街を歩く歩く。
どうもこの、
「これこそ奈良だ!」
という店がないんであります。
そういえば、昼食も、但馬出石の皿そばというのを食べてしまった。
但馬と言えば兵庫。ぽんすけどのお住まいの方面ではないですか。奈良と何の関係もないではないですか。
人通りも少なくなった通りを、さまよい歩くこと30分。腹の減った我々は、とうとうおでん屋さんに突入してしまったのであります。
しかしここが、めっぽう美味かった。
大阪名物のどて焼きを頼んでしまった
いちおしのトマトのおでん
オリーブオイルと胡椒が利いてる
ここの店長さんが、気さくで良かった(ブログをお持ちですぞ)。
焼酎の飲み方で絶対オススメという「前割り」をいただく。
これは水割りなのだけど、少なくとも丸一日前に、あらかじめ水で割っておくのだそうであります。
すると、
「味が、全然違います」とのこと。
「その場で割ったのと、どう違うの?」
「その場で割ると、焼酎と水の味がします」
「んー、ばらばらということ? そんなに違うの??」
露骨に?マークを繰り出すと、彼は前割りと“その場割り”の二杯を作ってくれたのであります。
「さ、どうぞ」
「や、本当だ。まるで違う」
味の違いもよく分かったけど、試し飲みをさせてくれたことのほうが、僕には嬉しかった。
酒飲みの心情がよく分かっていらっしゃる、素晴らしい店長さんだったのであります。
『とうへんぼく』という名前のお店でありました。
秋刀魚の塩焼き。水茄子のサラダ。おでん各種。沖縄豚の角煮。どれもひと工夫してあって、見えないところで手間が掛かっているのが推察出来る。
「奈良はどこも食べ物が美味いなあ。奈良の人はグルメなのかな?」
「いや、みんな頑張ってるんだと思います。ここ数年でずいぶん変わったんですよ」
お見送りをうけて外に出ると、見事な月が出ておりました。
明日はいよいよ東大寺を観てから、大阪へ移動するんであります。