くらぶアミーゴblog

エッセイを綴るぞっ!

ぐにゃ

2010-01-24 17:29:55 | 好きな建築

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 銀座にあるダイアモンド専門店、デビアス(DeBeers)が入っている建物、デビアス銀座ビルディング。
 ちょいと狭い通り沿いにあるので、上部のぐにゃ感がさらに強調されて、頭上から迫ってくるような錯覚も味わえるのだ。
 設計は光井純&アソシエーツ建築設計事務所。竣工は2007年の春。




谷中・根津を歩く

2010-01-11 12:11:26 | まち歩き

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 正月明けの連休にまち歩きをしてきた。
 JR山手線の鶯谷駅から西へ出て台東区谷中へ。まずは言問通りを歩いてみる。




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 岡埜栄泉(おかのえいせん)という和菓子屋さん。
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 ここの豆大福が有名らしいが、この日はすでに売り切れていた。
 しかたもないので、別の種類を6つチョイス。
 これがうっとりするような美しさなのだ。
 さすが老舗の和菓子司であります。




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 番地表示のプレートが、古くて懐かしい。




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 Y路地の真ん中に巨大な銀杏の木。
 下から見上げると、生い茂った枝のあいだを電線が走っていた。




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 人だかりがあると思ったら、ネコがいたのであった。
 下町散歩にネコは欠かせないのだ。
 ここはネコグッズを売るお店のようだった。




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 警備は“ネコム”に任せているとのこと。
 細かいとこまで凝ってますなァ。
 この辺りの路地には古い民家が多いが、そこに新しく移り住んできた人々が、イベントスペースや飲食店、ギャラリーを開いている。そして、それを目当てに人も集まってくる。
 だから、一見して何でもない裏路地なのに、人通りが多くて活気があるのだ。




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 不忍通りに出ると、住所は文京区根津となった。
 不動産の看板一つとっても味があって、ちょいと魅力的に思えてしまう。
 ここから再び言問通りを西に向かうと、道は上り坂になる。ここを弥生坂という。




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 そしてこれは弥生土器の出土地付近を表す碑。
 つまり弥生土器とは、文京区弥生の地名にちなんで命名されたんであります。
 ここでつかの間、我が国の古代史に思いを馳せながら、弥生坂を上り切って本郷通り(国道17号)を左折する。
 この17号を北上すると中山道となり、その先をずっと西にたどれば、やがて滋賀県の草津へ続いていくのだ。
 しかし本日は旅支度をしていないので、そっちとは反対に本郷通りを南下する。




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 門をくぐると、そこは東大であった。
 正面に見えるのは、かつて全共闘と警視庁機動隊が闘った安田講堂だ。
 こうして僕は東大の敷地に入ったことになる。
 これを省略すると、
「僕は東大に入った」
 ということになる。
 他意のある表現ではあるが、言葉としては間違ってないと思う。
 もっとも、入ってから出るまでの時間はわずか数分と、超超短期入学であった。




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 最後に東大の赤門を写真に収めると、早くも冬の日は傾いていた。
 ここはもと加賀藩前田家の上屋敷だったそうな。
 江戸時代の地図を見てみると、その加賀藩上屋敷の敷地はすべて、現在の東大本郷キャンパスに収まっていることが分かる。
 それどころか、お隣の水戸家の中屋敷までもキャンパスになっているのだ。
「さすが東大!」
 と言わねばならない。
 赤門の向かい側には専門書店がずらりと並び、またしても
「さすが東大!」と思わせられる。
 しかしその合間には、いかにも学生たちが好みそうなカレー屋、ラーメン屋などがひしめいていたので、僕は安心して帰途についたのであった。




ダウナー系で仕事始め

2010-01-07 13:26:11 | エッセイ

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 正月休みに、なぜかバーボンを買ってきた。
 フォアローゼスのブラックラベルである。世界で一番ウマいバーボンだと信じていて、血気盛んな頃(20年くらい前のことだ)は週に5日ほど呑んでいた。
 その頃は、バーボンを呑む自分を
「オレ、カッコいいかも」
 なぞと思っていたフシがある。
 そういうことを思い出すと、顔から火が出るような思いをするのだけど、しかしこのバーボンのウマさは本物だ。
 どこまでも濃く、甘いのである。
 そういう想い出深い酒を、新年早々、久しぶりに呑んでみる。
 燻蒸香が鼻から抜けていき、舌の上にはハチミツのような甘味がわずかに残る。1分もすると酔いが回り、物事の角がとれて、あたりが柔らかくなってくる。
 そうして数々の想い出がよみがえってくる。魔法の時間の始まりである。

 今年はますます、いろんな分野で文作をしていくことになると思う。しかし表面に出てくる(発表する)文章の背景には、自分の膨大な記憶が埋め込まれている。
 表面に現れたものはあくまでもタグなのだ。それらがシナプスのように、20年も30年もかけてリンクしていくのだ。
 結局、説得力を持つ文章というのは、自分の体験からしか書けないのだと思う。そのためには自分の内なる声を聴くことになるのだが、それにはこのダウナー系バーボン、フォアロゼのブラックが最適なのだ。