この連中、ライダー仲間でもあるのだが、宮城だけはまだ免許を持っていなかった。
誰かのバイクを借りて、住宅街をヨチヨチと走ったことがある程度である。
「お前、事故ったらどうするんだよ」
「それなら、僕を後ろに乗せて、連れて行ってくれよお」
こうなると、宮城は、一歩も引かぬ。
深夜である。
すでに2時を回り、電車もバスもない。全員が酒を飲んでおり、さらに言えば全員が未成年である。
宮城の言うように、真に差し迫ったことならば、警察に電話をして、彼女の家の様子を見てもらうことも出来るはずだ。自分が行くにしても、タクシーを呼べばいい。
しかしそこが若さゆえの浅知恵であろうか、この五人には、そういう考えが浮かびもしないようである。
何でも自分たちの力で解決しようという、エゴもあったのやも、知れぬ。
「検問にでもあったら免許取り消しなんだぞ」
三鷹が言った。
「人の命と免許と、どっちが大事なんだよ」
宮城が反論した。
誰かのバイクを借りて、住宅街をヨチヨチと走ったことがある程度である。
「お前、事故ったらどうするんだよ」
「それなら、僕を後ろに乗せて、連れて行ってくれよお」
こうなると、宮城は、一歩も引かぬ。
深夜である。
すでに2時を回り、電車もバスもない。全員が酒を飲んでおり、さらに言えば全員が未成年である。
宮城の言うように、真に差し迫ったことならば、警察に電話をして、彼女の家の様子を見てもらうことも出来るはずだ。自分が行くにしても、タクシーを呼べばいい。
しかしそこが若さゆえの浅知恵であろうか、この五人には、そういう考えが浮かびもしないようである。
何でも自分たちの力で解決しようという、エゴもあったのやも、知れぬ。
「検問にでもあったら免許取り消しなんだぞ」
三鷹が言った。
「人の命と免許と、どっちが大事なんだよ」
宮城が反論した。
明日は締め切りだーって、焦っているのだけれども、連載小説をばupするのであります。
「どうして彼女が飛び降りるんだ?」
「今すぐ来てくれなかったら、飛び降りるんだって! 自分を本当に愛してるんなら、すぐに来てくれるはずだって、言うんだ」
「そんな無茶な」
「飛び降りるわけねえじゃん」
「理由は何だ」
みんなは口々に言いたてた。
「あいつは僕がそばにいないと、だめな女なんだ。僕には分かってるんだ。僕がいないと死んでしまうんだ!」
「待て待て。お前、相当酔ってるだろ」
「こうしてはいられない。僕、すぐに行かなくちゃ」
宮城は突然立ち上がり、充血した目で仲間を眺めた。
「黒川、頼む。お前のバイクを貸してくれ」
「えー! お前、免許もないくせに、何を言ってるんだ!」
黒川は言下に断った。
「どうして彼女が飛び降りるんだ?」
「今すぐ来てくれなかったら、飛び降りるんだって! 自分を本当に愛してるんなら、すぐに来てくれるはずだって、言うんだ」
「そんな無茶な」
「飛び降りるわけねえじゃん」
「理由は何だ」
みんなは口々に言いたてた。
「あいつは僕がそばにいないと、だめな女なんだ。僕には分かってるんだ。僕がいないと死んでしまうんだ!」
「待て待て。お前、相当酔ってるだろ」
「こうしてはいられない。僕、すぐに行かなくちゃ」
宮城は突然立ち上がり、充血した目で仲間を眺めた。
「黒川、頼む。お前のバイクを貸してくれ」
「えー! お前、免許もないくせに、何を言ってるんだ!」
黒川は言下に断った。
「もしもし、おう。え、何だってえ?」
宮城の声が裏返った。これは彼がパニックになったことを示している。
「今から来いって言うの? そんな、無理に決まってるよ。僕たち酒飲んでるし、もうね、みんなで酔っぱらってるしさ」
他の4人は、じっと息を詰めている。
「やべえんじゃねえの? またぞろ、騒ぎが始まるんじゃねえの?」
宝田が呟く。
「お前はそういうことを言うなよ」
三鷹がたしなめる。
「愛してるよ、愛してるってば。でも、今からなんて行けないよ!」
宮城は受話器越しに根気強く訴えたが、最後に
「待てよ待てよ」と連発して、今度は青くなった。
またしても、一方的に電話を切られたようである。
「どうしよう! あいつ、ベランダから飛び降りるって言ってる!」
「何だとお?」
4人が声を上げた。
宮城の声が裏返った。これは彼がパニックになったことを示している。
「今から来いって言うの? そんな、無理に決まってるよ。僕たち酒飲んでるし、もうね、みんなで酔っぱらってるしさ」
他の4人は、じっと息を詰めている。
「やべえんじゃねえの? またぞろ、騒ぎが始まるんじゃねえの?」
宝田が呟く。
「お前はそういうことを言うなよ」
三鷹がたしなめる。
「愛してるよ、愛してるってば。でも、今からなんて行けないよ!」
宮城は受話器越しに根気強く訴えたが、最後に
「待てよ待てよ」と連発して、今度は青くなった。
またしても、一方的に電話を切られたようである。
「どうしよう! あいつ、ベランダから飛び降りるって言ってる!」
「何だとお?」
4人が声を上げた。