![20100213img_5009 20100213img_5009](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/7c/63/77a89fe2e259adb7408ff7da94c5d4f3.jpg)
清水寺へと向かう茶碗坂。
ここも若者の観光客が、意外にも多かった。
「今時の若者は旅をしない」とか、「ネットでの仮想体験で済ませている」などとメディアでは言われているけど、それがすべてではないのであります。
報道を鵜呑みにしてはいけないという見本であります。
![20100213img_5012 20100213img_5012](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/6a/79/5f3daacf2ca787c6b28eb826e0111986.jpg)
両側にぎっしりと店が並ぶ坂を登り切る。すると突然、目の前が開けた。
山の上に別世界が広がっているのだ。
山門の鮮やかな朱色。高度感。先を急ぐ群衆。ここは明らかに非日常の世界だ。
![20100213img_5044 20100213img_5044](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/2d/f9/2fb2d22e9e825a9a01dcc2f5ff143ed7.jpg)
観光地ではあるけど、本来は修行の場
開設は奈良時代の末、778年だ
![20100213img_5018 20100213img_5018](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/57/bc/6495437af709b642de16029348441a9c.jpg)
眼下に京都の街が広がっている
![20100213img_5025 20100213img_5025](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/61/be/018eb01f87705690b9b5a6ccaeb2e156.jpg)
本堂の舞台には傾斜があり、ちょいとコワい
![20100213img_5029 20100213img_5029](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/6a/a0/4cc108c7b2c13253771ab3e4ada36fe2.jpg)
寺院の中というのは、静かで薄暗い。
これは世界中どこへ行っても、ほとんどそうだ。
中には
「ウチはめっちゃ明るくやってます!」
なぞと宣言し、皓々と照明をつけ賑やかにしている宗派もあるかもしれないが、それは取りあえず無視しておく。
そうしないと話しが進まない。
こういう暗くて静かなところに入ると、人の心は沈静する。
目先の予定ばかり考えている日常から離れ、時間のとらまえ方が大きくなる。
10年、20年という単位で物事を考えるようになる。
![20100213img_5039 20100213img_5039](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/38/a8/481aebfd3825619aaa06c9203951b18a.jpg)
天空に浮かぶ異空間
宗派は北法相宗であります
僕は今年に入ってから、ある仏教系の大学の仕事を手伝うようになった。
学報のライティングである。それにともない、その学校の歴史を読んだり、宗派について学んだりしている。
まったく畑違いの分野かと思いきや、そうではない。僕は大学で印度哲学を学んだので、そのときの経験が活かされてるのだ。
「よくもまあ、卒業させてくれたもんだ」と思うような成績だったが、そんな僕でもちゃんとお役に立てるのだ。
しかし、卒業してしばらくは
「どうしてあんな学問を専攻したんだろ?」
と、自分でも不思議に思うことが多かった。
周囲の先輩や取引先にも
「変わってるねー。就職には何の得にもなんなかったでしょ」
なぞと言われたものだ。
しかし、ですな。
どんな経験でも、自分の血となり肉となっているんですなァ。最近、つくづくそう思うんであります。
![20100213img_5047 20100213img_5047](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/72/0a/6293b17202e9142c8cd08cfc9ccd25e8.jpg)
陽の暮れ始めた頃、山を下りる
京都はどの道を歩いても風情がある
![20100213img_5048 20100213img_5048](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/11/42/79889ce63bbfc0b2c6c35ba1caf4fb51.jpg)
すり減った石段。この先に何があるかな?
![20100213img_5062 20100213img_5062](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/5d/f5/abf5343c7d4a3618b59cfea600a20391.jpg)
「清水寺って、東海道のすぐ脇にあったんですね」
「やっ、本当だ。昔から賑わっていたんだろうなァ」
そんな会話をしつつ、バスで京都駅へ。この旅も終焉である。
駅構内で夕食を摂っているあいだに、陽は暮れた。
帰りのチケットを確認し、土産を買っているあいだに、非日常から日常へとゆるやかに意識が移行していく。
そんな寂しさがあっても、やっぱり旅の魅力にはあらがえないんであります。日本の中だけでも、まだまだ知らないところがたくさんある。
こうして各地に思い出と知人・友人を作っていくこと。これは間違いなく、生きていく上で力になりますなァ。
おわり
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