尾上の報告によると・・・。
あのあと、尾上と宮城がアパートに駆けつけてみると、周囲は静寂の闇の中であった。救急車の姿などは、どこにもない。
部屋のドアをノックしてみたが、応答がない。
そこで、宮城が、持っていた合鍵で中に入ってみると、彼女はベッドの中にいたという。
それが、あきれることには、寝息をたててすっかり眠り込んでいたというではないか。
宮城がそれを揺り起こすと、女は寝ぼけたままの瞳で彼を認め、
「ああ、やっぱり来てくれたんだ」
なぞと言ったとか。
そのまま女は、宮城を抱き込むようにして、ベッドにもつれこんだという。
それを見せつけられた尾上はたまったものではない。
舌打ちの一つもして、苦笑いを浮かべ、部屋を出てきたのである。
その後のベッドの二人がどうなったかは、言うを待たぬ。
「な、だから言ったろ。あいつはいつも大げさなんだよ」
三鷹が言った。
「ったくなあ。見てみろよ、あの乳繰り合いをさ」
「とても見ちゃあ、いられねえ」
「ふざけんなっつーの!」
「いやー、みんな。昨日は僕、いろいろと、ごめんねえ!」
宮城は上機嫌であった。
おわり
あのあと、尾上と宮城がアパートに駆けつけてみると、周囲は静寂の闇の中であった。救急車の姿などは、どこにもない。
部屋のドアをノックしてみたが、応答がない。
そこで、宮城が、持っていた合鍵で中に入ってみると、彼女はベッドの中にいたという。
それが、あきれることには、寝息をたててすっかり眠り込んでいたというではないか。
宮城がそれを揺り起こすと、女は寝ぼけたままの瞳で彼を認め、
「ああ、やっぱり来てくれたんだ」
なぞと言ったとか。
そのまま女は、宮城を抱き込むようにして、ベッドにもつれこんだという。
それを見せつけられた尾上はたまったものではない。
舌打ちの一つもして、苦笑いを浮かべ、部屋を出てきたのである。
その後のベッドの二人がどうなったかは、言うを待たぬ。
「な、だから言ったろ。あいつはいつも大げさなんだよ」
三鷹が言った。
「ったくなあ。見てみろよ、あの乳繰り合いをさ」
「とても見ちゃあ、いられねえ」
「ふざけんなっつーの!」
「いやー、みんな。昨日は僕、いろいろと、ごめんねえ!」
宮城は上機嫌であった。
おわり
あとに残された三人は、気が抜けたようになってしまった。
「うわー、めちゃくちゃに飛ばしていったぜ」
「尾上は速いからな」
「なんかさあ、こういうこと、前にもあったよなあ」
「あったあった」
「尾上もけっこう直情的だから、それに乗っかるんだよね」
「本当に飛び降りたと思う?」
宝田の問いに、三鷹はしばらく考えたのち、ぽつりと言った。
「んなわけねえだろ」
翌日の、夜。
五人の仲間は、再び宮城邸に集合していた。
この日も、彼の両親は不在なのである。
昨夜と同じメンバーの中に、もう一人、女性がまじっていた。
問題の、宮城が付き合っている女、その人であった。
ソファに座り、しきりに、宮城にじゃれている。
それがもう、見てはいられないような、いちゃいちゃぶりなのだ。
どこも怪我をした様子はないように、見受けられるのだが・・・。
さ、そこで、昨夜の騒動である。
「うわー、めちゃくちゃに飛ばしていったぜ」
「尾上は速いからな」
「なんかさあ、こういうこと、前にもあったよなあ」
「あったあった」
「尾上もけっこう直情的だから、それに乗っかるんだよね」
「本当に飛び降りたと思う?」
宝田の問いに、三鷹はしばらく考えたのち、ぽつりと言った。
「んなわけねえだろ」
翌日の、夜。
五人の仲間は、再び宮城邸に集合していた。
この日も、彼の両親は不在なのである。
昨夜と同じメンバーの中に、もう一人、女性がまじっていた。
問題の、宮城が付き合っている女、その人であった。
ソファに座り、しきりに、宮城にじゃれている。
それがもう、見てはいられないような、いちゃいちゃぶりなのだ。
どこも怪我をした様子はないように、見受けられるのだが・・・。
さ、そこで、昨夜の騒動である。