くらぶアミーゴblog

エッセイを綴るぞっ!

広島じゃけん! 最終話

2007-12-24 16:10:17 | 広島じゃけん!

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尾道のネコはのんびりしているのだ

 その夜。
 酒を飲んだ後の〆に、たつり~のさんに食堂に連れて行ってもらったのであります。
 これが、ホントに言葉通りの食堂。
 リノリウムの床に、デコラ貼りのカウンター。赤いストゥール。
 ケースに並んだおかずを選んで、飯とカレー汁をつけてもらう。
 ここが、すごく良かったのだ。
 コロッケとカツの盛り合わせを取ると、ケチャップが出てきた。
 広島では、揚げ物にはケチャップが基本なのだそうだ。
 煮物が甘い。他のおかずも、すごく甘い。
「これが広島の味。酒も飯も甘いんだよ」と、たつり~のさんはおっしゃる。
 こういう店に連れてきてもらわないと、その土地の本当の味は分からないんでありますなあ。
 だって、ちょいと洒落た店に入ってみると、全国どこでも同じような味付けだもの。
 おかげで、しっかりと広島という土地が、心に刻まれたのであります。

 で、翌日は広島をあとにして、尾道へ。

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 こんな坂道をのぼって。
 息が上がってきても、
 どんどんのぼって。




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    こんな道もあって。
    観光客もくるくる歩いて。



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尾道ではフリーマーケットも寺の境内なのだ



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 あちこちにネコがいて。
 みんな人なつこかった。
 撮影中、肩に乗ってきたやつもいた。





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   これもネコだな、うん。
   ネコだネコだ。
   後ろの塔は約650年前のもの。



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 とにかく、坂道細道が面白い。
 不意に見事な庭があったりする。
 寺への細道があったりする。




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   尾道に行ったらハズせないという
   ワッフル屋さん。
  『茶房こもん』というお店で、
   かなり有名みたいです。



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とても軽い食感、表面カリリで中さっくり
ボリュームあるけど、ぺろりといけるのだ
このマロンワッフルが550円也



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これが尾道ラーメンだっ!(朱華園にて)
背脂がたっぷりと浮き、なんというか...
好きな人にはたまらないらしい、ということで...



 総括。
 今回の旅で、つくづく思い知ったことがあるのだ。
 それは、現地の人に案内してもらう楽しさなんであります。
 案内は、その土地を愛している人に頼むこと。
 これが肝要。
「ここが原爆の爆心地。風で流されて、予測地点よりもズレたんだよね」
 なんてコトまで、教えてもらえる。
 変に遠慮しないで、見るべきところはどんどん教えてもらえる。
 そんな人に出会って、一緒に観て回ると、旅の楽しみは2倍3倍なんでありますねー。

 おわり

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広島じゃけん! その3

2007-12-20 22:13:29 | 広島じゃけん!

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「キンタイキョー」
思わず叫びたくなる造形美

 翌日も、なにか申しわけないほどの快晴。行楽日和。
 タツリ~ノさんに車で迎えに来てもらい、この日は贅沢にも車での観光となったのであります。
 まずは広島県のお隣、山口県は岩国にある錦帯橋が目的なのでありまして、上記の写真と相成りました。





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獅子舞を見せながら駄賃をねだる子供
トリックorトリートみたいなことを言ってた





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渋滞をかわし、山道を疾走
地元の人ならではのショートカット





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 そして、広島へ戻り宮島・厳島神社へ。
 到着した午後の1時過ぎは、ちょうど引き潮でありました。
 引き潮のときは、鳥居の真下まで歩いていけるんであります。
 これは嬉しかった。





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 迫力満点の柱であります。
 樹齢500~600年のクスノキだとか。
 この、海水に浸かる下の部分は、腐食すると新しいクスノキと交換するらしい。その継ぎ目も確認できるのだ。





 なんとこの大鳥居。Hiroshima36350
 根元が海底に埋め込まれているわけではないのであります。
 海底を杭と布石でカタく補強し、その上にドンッと乗っているのであります。
 だから、根元部分だけを交換したりできるのだ。
 その高さ、16.8メートル。4階建てのマンションとほぼ同じ。

 やがて少しずつ、潮が満ちてきた。
 どこかの子供が、みんなの帰り道のために石を置いている。
 





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 社殿を拝観し、すぐそばの紅葉谷公園を散策する。Hiroshima38350
 本当は、宮島へ渡る前に、『うえの』という店で穴子飯を買う予定があったのであります。
「穴子飯なら絶対そこ! 必ず持ち帰り弁当で!」
 と、タツリ~ノさんからもご指定があったんであります。
 しかし、そのお店は相当混んでいて、弁当も1時間半待ちといわれてしまった。
 穴子飯を持って宮島へ渡り、紅葉谷公園で紅葉を見ながら食するという計画は頓挫したのであります。
 昼を食べていないので、目が回ってくる。
 焼き牡蠣450円というのを見つけて、素早く腹に収めてコトなきをえる。
 お土産のもみじまんじゅうも購入し、あとは市内に戻って...。
 酒だ、夕飯だあ~!




 つづくっ
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広島じゃけん! その2

2007-12-18 16:31:42 | 広島じゃけん!

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 さて、広島の初日であります。
 平和大通り沿いのホテルサンルート広島に荷を解いた我々。
 部屋の窓からは、元安川とその中州が見下ろせる。彼方には原爆ドームも見える。Hiroshima21333
「広島に来たからには...」
「覚悟を決めて、行きますか」
 何の覚悟を決めたのかというと、広島平和記念資料館を見にいく覚悟なんであります。
 それは厳しい内容だろうけど、やはり見にいくべきだと決めていたのであります。

 で、結論から申し上げると...。
 広島平和記念資料館は、想像していたほどキツいものではなかったです。
 原爆の被害を伝える展示はありますが、悲惨さだけを訴えるものではない。
 恒久の平和を希求するメッセージでいっぱいなのであります。
 これなら(人前で泣かなくてもすむなー)と思っていたのですが。
 歴代の広島市長が、これまで核実験を行った国に対して送った抗議文というのがありました。
 その数が、すさまじい。
 眺めているうちに、とうとう落涙してしまったんであります。
 細君もさかんに鼻をかんでおりました。

ま、それはそれとして。Hirosima500
こういうのはしっかりと撮影してきたんであります。
←戦時下の缶詰でありますぞ。




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アンデルセンの本店

 あっという間に陽も暮れ、本日の観光はお終い。Hiroshima26280
 ところで今回の旅ですが。
 現地でコーディネーターともいえる人物がいたんであります。
 その名も、タツリ~ノさん。
 イタリアをこよなく愛し、地元広島もこよなく愛しているという、素晴らしき人物なのであります。
 そのタツリ~ノさんに教わったのだけど、パン屋さんのアンデルセンって、広島が発祥なのだそうです。
 知らなかったなー。
 100円ショップのダイソーも、広島が発祥なのだそうです。
 ユニクロの1号店も広島だったそうです。




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夕食はやはり広島焼き
この八昌は有名らしいですぞ




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鉄板越しに食べるスタイル
蒸し焼きキャベツどっさりの787円




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牡蠣のバター焼きは840円
身が厚く、海の香りが濃厚

 翌日、タツリ~ノさんは岩国と宮島に連れて行ってくれたのでありました。




 つづくっ!
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広島じゃけん! その1

2007-12-06 10:59:54 | 広島じゃけん!

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 最近、「修行に行く」といって飛行機に乗る人がいるらしいです。
 修行と聞いて思い浮かぶのは、「我慢」とか「辛抱」という言葉だけれど、その人たちもやはりそういう思いで飛行機に乗るらしいです。
 例えば、羽田から沖縄に飛んで、宿泊せずにまた飛んで帰ってくるとか。
 上海に行くのに、わざわざシンガポール経由で行くとか。
 何時間も飛行機に乗って、現地での滞在時間はあまりないというのだから、これはやはり辛そうであります。 


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羽田上空 空港の埋立地が見える

 どうしてそんなことをするのかというと、航空会社グループのマイルを貯めるためらしいです。マイルが貯まると、いいことがあるのだそうです。
 そうなると、旅先の選択も
「航空運賃が安く、距離がうんと遠いところ」
 という基準で選ぶようになってくるらしく、それはもはや観光旅行といえるかどうか疑問も生じ、挙げ句のはてにわけが分からなくなり、結局
「修行に行く!」
 となるのだとか。
 ずいぶんとスケールの大きい修行であります。僕にはとても真似できないです。

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フラップを降ろして、着陸態勢
広島空港は錦の山の上にあった




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広島のリムジンバスは藤色であるぞ

 ときに、霜月(11月)の第4週。
 広島空港から市内に向かうあいだの山並みが、見事に紅葉しておりました。
 山並みは、植林された針葉樹林ではなく、見渡す限り天然の照葉樹林。
 赤と黄色で染まった照葉樹のあいだに、立ち枯れたような真っ白い木が何本も立っている。
 これは初めて見る植物相であります。紅葉と白木とのコントラストが織りなす美しさたるや、僕はバスの中で興奮しっぱなしであります。
 しかし路上の車群を見ると、現地のドライバーたちは、ごく平静な状態で通行しているようであります。こんなに見事な景観の中を、Hiroshima14350
「山がどうかしたんね?」
 という顔つきで車を運転しております。
 興奮しているのは、どうも僕だけらしい。
 隣を見ると、細君は池波正太郎を読みふけっておりました。

 広島は、観光地としてはあまりに有名なところ。
 原爆ドームと厳島神社という2つの世界遺産があるし、尾道の街並みは大林宣彦監督の映画で知られている。
 食べ物も、広島焼きに牡蠣に穴子、尾道ラーメンがある。そうそう、もみじまんじゅうも忘れてはイケナイ。
 しかし広島という土地には、実はもっともっと奥深い魅力が隠されていたのであります。
 それは書きすすむうちに、次第に明らかになっていくでしょう。



 つづくっ!