グループ会社の大きなイベントがあり、先週の越中富山に続き、石川金沢を訪れることとなった。北陸などめったなことで行く機会はないので、もう少し別の季節になればいいのにこういうことは何故かやたらに重なるものだ。昨年は単身、松山まで飛んだが今年は新しく兼務となった職場の若手に声をかけ、数人での参加である。メンバは皆、北陸金沢は初めて訪れるということだ。私は両親がお隣富山県人ということもあり、これまで数回足を運んだことがあるが、富山よりも一回り大きい北陸最大の都市であるのにどうもあまり強い印象がない。高校の修学旅行でもコースになっていて「忍者寺」なる寺院や有名な兼六園なども訪れたはずなのだが、何となくしか覚えていない。ただN叔母さんの言う「山が見えない時はみるとこない」富山とは異なり、市の中心部には兼六園と金沢城公園がでんと構え、新旧の観光名所は比較的周辺にまとまっているので、私の得意な短時間ゲリラ観光にはマッチしているようだ。
北陸新幹線「かがやき」は東京から金沢まで2時間半程度で運んでしまう。開業時に散々番組宣伝していたが、元々記憶の薄い金沢駅周辺も全く様相が異なり、北陸一の都市に相応しい門構えとなっていた。ただ前年もそうだったが、毎年東京・関東方面からこのイベント目がけて「どばーっ」と関係者が移動し、宿泊施設を早目に抑えないとどこも泊まるところがなくなるので、会場の詳しい場所を確認する前から中心部の香林坊・片町周辺のホテルを予約しておいたら、会場は駅を挟んで逆方向であったがシャトルバスのコースになっていたので助かった。このイベント、規模としては東日本側のグループで行われるものよりも小さいのだが、「職場は大丈夫なのか?」というほど幹部やマネージャー、現場担当者がこぞって移動する。こちらは変わり映えのない決まった施設の開催であるのに対し、向こうは毎年持ち回りで地方開催地を転々とするので、東京の人間にとっては「よい機会」になるのである。
そして(私だけかもしれないが)もうひとつが「以前の同僚や仕事の付き合いのあった人と邂逅」する機会である。主に「業務のカイゼン」をテーマにしたイベントだから、ほぼ全ての職場が対象となっている。台場やグンマの元同僚はもちろん、本社や研究所勤務時代、さらに以前ご一緒した人々と次々と再会し、バス乗り場で並んでいる時からして近況や昔話に花が咲く。ぜひそのまま全員と杯を酌み交わしたいところだが、残念ながらどの元同僚もそれぞれ今の同僚と約束しているはずだし、私も合流した若手に付き合わなければならない。松山ではゲリラ的にご一緒した台場で接客術のリーダーである「姫」は5年越しの努力が実って、とあるコンクールの全国大会で優秀賞に輝いたそうだ。祝賀会にはぜひサプライズ登場するつもりでいる。またグンマの発明マニア「エジサン」も健在で、我々が考案した特殊器具は既に商品化して他のメーカーが展示しており、別の発明品の説明員になっていた。組織の統合などで引っ越しのあった一フロアを「エジサン研究室」として与えられ、発明品の実地テストや試行錯誤のための簡易なラボ環境を整備したという。これまた、今度遊びに(もとい!見学)に行く約束をしておいた。
展示物の中では今流行りの「ドローン」が人気を博していた。色々と物議を醸しだしているドローンだが、我が方の研究開発陣が「マルチヘリコプター」と呼んで手がけていたのは結構前からだ。災害地の上空を飛んで被災状況を撮影する目的で作られていたはずのだが、別の切り口からあっという間に世間に広まり、誰もが知るところとなってしまった。6つのプロペラと姿勢制御により安定した飛行ができるのに加えVTRに搭載されている高性能の手振れ防止機能により、まるでCG画面のように綺麗な上空からの画像を伝送している。本来の素晴らしい機能をぜひ活用してほしいものだが、悪用のシーンばかりが取り上げられている。友達のしんさんは新しモノ好きなのか早速おもちゃのドローンを購入してきたそうだが、飛ばそうとした公園には早くも「ドローン禁止」の看板があったらしい・・・
翌日の各種技能競技大会はさーっと見学して、新幹線の時間まではいつもの電撃観光である。会場から1日数本しかないバスに飛び乗ると繁華街の外れで下車した。駅でもらった1枚の小さな観光マップによると少し歩けば「武家屋敷跡」というところがあるはずだ。静かな街並みで小さなお堀が巡らされており、加賀百万石を支えた武家の屋敷、庭園などが見て取れる。そこから金沢城公園の敷地沿いに歩くと左側に「しいの木迎賓館」という県政記念に作られた施設が見える。もう少し歩くとテレビでも紹介されていた21世紀美術館である。公園を散歩するだけでも面白いモニュメントがあり下に人がいるのが見える「スイミングプール」があった。アートがよく分からぬ私でも面白そうだったが、時間がないのでそのままスルーして兼六園入口に向かう。
案内パンフレットで初めて知ったが、誰もが知っている「兼六園」という名称は「相反する性質から同時には存在できないとされる6つの優れた景観を兼ね備えることから奥州白河藩主・松平定信によって命名されたそうだ。園内には六勝と言われる景観がある。「六勝」は宏大(こうだい)と 幽邃(ゆうすい)人力(じんりょく)と 蒼古(そうこ)水泉(すいせん)と 眺望(ちょうぼう)。一つめは一番有名な「霞ヶ池・徽軫灯籠」である。霞ヶ池(かすみがいけ)は、六勝の「宏大(開放的で明るく、広々としていること)」の代表的な場所ということ。雁行橋(がんこうばし)は、六勝の「人力(人の手が加わっていること)」の代表的な場所。噴水(ふんすい)は、六勝の「水泉(低いところを流れる池や滝の水)」の代表的な場所。瓢池(ひさごいけ)は、六勝の「幽邃(静かで奥深い、趣を持つ景観)」の代表的な場所。他に眺望の代表的な「眺望台」、蒼古として代表的な「黄門橋」がある。また園内には枝ぶりで有名な唐崎松、根っこが2メートルも盛り上がった根上松がある。雪の季節、ライトアップした園内などゆったり見て回りたい庭園だがほとんどジョギング状態で隣の金沢城公園へ。
兼六園と向かいにある石川門は国の重要文化財として江戸時代のまま現存するそうだ。写真で見ると屋根瓦が薄っすら雪が積もったように見えるが、これは元々黒かった鉛瓦が長年の化学反応で白くなったものだ。菱櫓(ひしやぐら)五十間長屋(ごじっけんながや)橋爪門続櫓(はしづめもんつづきやぐら)再建されたらしく真新しいが中を隅々まで見学することができる。極楽橋を渡るとこれも重要文化財の三十間長屋が登場、さらに戌亥櫓跡へ上ると城下を一望できる。二の丸広場の外れには旧第六旅団司令部、玉泉院丸庭園と歩ける。兼六園よりも広い史跡満載の公園だが、これまた時間が迫っているのでジョギングペースで一周することに。尾山神社を抜けて百万石通りに出ると、バスなど待っているのももどかしく金沢駅に走ることとなる。
堪能というにはほど遠い、「時間との戦い」のようなプチ観光だったが、歩き通しで金沢駅に到着した。朝のうちは曇っていたのだが、午後になって空は晴れ渡っている。前夜のスパークもあり、半日近く歩き通しでひと眠りしたいところだったが、ある期待をもって黒部宇奈月温泉駅までは眠気をこらえて窓の外を凝視していた。やがて新高岡を過ぎたあたりではるか遠くに「んっ?」と思われる白い輝きが・・・前週の越中行ではついに見られなかった「立山連峰」の雄姿である。午後になってすこーし霞もあったが、これがN子叔母さんに「富山には他には見るとこない」とまで言わしめる雄大な景色である。確かに私の知っているグンマや長野の山々とは別格だと感じた。いつか富山湾越しに眺めながら寿司でもつまみたいものだ。
北陸新幹線「かがやき」は東京から金沢まで2時間半程度で運んでしまう。開業時に散々番組宣伝していたが、元々記憶の薄い金沢駅周辺も全く様相が異なり、北陸一の都市に相応しい門構えとなっていた。ただ前年もそうだったが、毎年東京・関東方面からこのイベント目がけて「どばーっ」と関係者が移動し、宿泊施設を早目に抑えないとどこも泊まるところがなくなるので、会場の詳しい場所を確認する前から中心部の香林坊・片町周辺のホテルを予約しておいたら、会場は駅を挟んで逆方向であったがシャトルバスのコースになっていたので助かった。このイベント、規模としては東日本側のグループで行われるものよりも小さいのだが、「職場は大丈夫なのか?」というほど幹部やマネージャー、現場担当者がこぞって移動する。こちらは変わり映えのない決まった施設の開催であるのに対し、向こうは毎年持ち回りで地方開催地を転々とするので、東京の人間にとっては「よい機会」になるのである。
そして(私だけかもしれないが)もうひとつが「以前の同僚や仕事の付き合いのあった人と邂逅」する機会である。主に「業務のカイゼン」をテーマにしたイベントだから、ほぼ全ての職場が対象となっている。台場やグンマの元同僚はもちろん、本社や研究所勤務時代、さらに以前ご一緒した人々と次々と再会し、バス乗り場で並んでいる時からして近況や昔話に花が咲く。ぜひそのまま全員と杯を酌み交わしたいところだが、残念ながらどの元同僚もそれぞれ今の同僚と約束しているはずだし、私も合流した若手に付き合わなければならない。松山ではゲリラ的にご一緒した台場で接客術のリーダーである「姫」は5年越しの努力が実って、とあるコンクールの全国大会で優秀賞に輝いたそうだ。祝賀会にはぜひサプライズ登場するつもりでいる。またグンマの発明マニア「エジサン」も健在で、我々が考案した特殊器具は既に商品化して他のメーカーが展示しており、別の発明品の説明員になっていた。組織の統合などで引っ越しのあった一フロアを「エジサン研究室」として与えられ、発明品の実地テストや試行錯誤のための簡易なラボ環境を整備したという。これまた、今度遊びに(もとい!見学)に行く約束をしておいた。
展示物の中では今流行りの「ドローン」が人気を博していた。色々と物議を醸しだしているドローンだが、我が方の研究開発陣が「マルチヘリコプター」と呼んで手がけていたのは結構前からだ。災害地の上空を飛んで被災状況を撮影する目的で作られていたはずのだが、別の切り口からあっという間に世間に広まり、誰もが知るところとなってしまった。6つのプロペラと姿勢制御により安定した飛行ができるのに加えVTRに搭載されている高性能の手振れ防止機能により、まるでCG画面のように綺麗な上空からの画像を伝送している。本来の素晴らしい機能をぜひ活用してほしいものだが、悪用のシーンばかりが取り上げられている。友達のしんさんは新しモノ好きなのか早速おもちゃのドローンを購入してきたそうだが、飛ばそうとした公園には早くも「ドローン禁止」の看板があったらしい・・・
翌日の各種技能競技大会はさーっと見学して、新幹線の時間まではいつもの電撃観光である。会場から1日数本しかないバスに飛び乗ると繁華街の外れで下車した。駅でもらった1枚の小さな観光マップによると少し歩けば「武家屋敷跡」というところがあるはずだ。静かな街並みで小さなお堀が巡らされており、加賀百万石を支えた武家の屋敷、庭園などが見て取れる。そこから金沢城公園の敷地沿いに歩くと左側に「しいの木迎賓館」という県政記念に作られた施設が見える。もう少し歩くとテレビでも紹介されていた21世紀美術館である。公園を散歩するだけでも面白いモニュメントがあり下に人がいるのが見える「スイミングプール」があった。アートがよく分からぬ私でも面白そうだったが、時間がないのでそのままスルーして兼六園入口に向かう。
案内パンフレットで初めて知ったが、誰もが知っている「兼六園」という名称は「相反する性質から同時には存在できないとされる6つの優れた景観を兼ね備えることから奥州白河藩主・松平定信によって命名されたそうだ。園内には六勝と言われる景観がある。「六勝」は宏大(こうだい)と 幽邃(ゆうすい)人力(じんりょく)と 蒼古(そうこ)水泉(すいせん)と 眺望(ちょうぼう)。一つめは一番有名な「霞ヶ池・徽軫灯籠」である。霞ヶ池(かすみがいけ)は、六勝の「宏大(開放的で明るく、広々としていること)」の代表的な場所ということ。雁行橋(がんこうばし)は、六勝の「人力(人の手が加わっていること)」の代表的な場所。噴水(ふんすい)は、六勝の「水泉(低いところを流れる池や滝の水)」の代表的な場所。瓢池(ひさごいけ)は、六勝の「幽邃(静かで奥深い、趣を持つ景観)」の代表的な場所。他に眺望の代表的な「眺望台」、蒼古として代表的な「黄門橋」がある。また園内には枝ぶりで有名な唐崎松、根っこが2メートルも盛り上がった根上松がある。雪の季節、ライトアップした園内などゆったり見て回りたい庭園だがほとんどジョギング状態で隣の金沢城公園へ。
兼六園と向かいにある石川門は国の重要文化財として江戸時代のまま現存するそうだ。写真で見ると屋根瓦が薄っすら雪が積もったように見えるが、これは元々黒かった鉛瓦が長年の化学反応で白くなったものだ。菱櫓(ひしやぐら)五十間長屋(ごじっけんながや)橋爪門続櫓(はしづめもんつづきやぐら)再建されたらしく真新しいが中を隅々まで見学することができる。極楽橋を渡るとこれも重要文化財の三十間長屋が登場、さらに戌亥櫓跡へ上ると城下を一望できる。二の丸広場の外れには旧第六旅団司令部、玉泉院丸庭園と歩ける。兼六園よりも広い史跡満載の公園だが、これまた時間が迫っているのでジョギングペースで一周することに。尾山神社を抜けて百万石通りに出ると、バスなど待っているのももどかしく金沢駅に走ることとなる。
堪能というにはほど遠い、「時間との戦い」のようなプチ観光だったが、歩き通しで金沢駅に到着した。朝のうちは曇っていたのだが、午後になって空は晴れ渡っている。前夜のスパークもあり、半日近く歩き通しでひと眠りしたいところだったが、ある期待をもって黒部宇奈月温泉駅までは眠気をこらえて窓の外を凝視していた。やがて新高岡を過ぎたあたりではるか遠くに「んっ?」と思われる白い輝きが・・・前週の越中行ではついに見られなかった「立山連峰」の雄姿である。午後になってすこーし霞もあったが、これがN子叔母さんに「富山には他には見るとこない」とまで言わしめる雄大な景色である。確かに私の知っているグンマや長野の山々とは別格だと感じた。いつか富山湾越しに眺めながら寿司でもつまみたいものだ。
をぉ、今度は金沢~!ほんと同方面で重なったのですね!?多くの顔見知りの方々と会えるの、いいですねー。
をぉ、ドローンが、、、そっかー、そうですね。ヘンな切口で皆の知るところとなりました。そういえば、毒ガスの谷間の件で頭を悩ませていらしたことがありましたねー。
北海道の鮭の遡上の川、ドローンで撮ってみたいです(もちろんこれは叶わない夢でしょう^^)
金沢の観光、マッハで、すごいっ!やはり独特な美しさがありますねー!!兼六園もそんな意味があったなんて。。ワクワク。大人になるのもいいものです。
「立山連峰」~そうですかww是非この目で見てみたいものです^^
こんばんは。そーなんです。師匠が上京されている時分でしょうか。めったに足を運ばないのに重なる時はあるもんですねえ。以前の同僚に邂逅するものもこのイベントの一つの楽しみになっています。
をおっ!なるほど、谷越えの時にドローンがあれば有効でしたねえ。やっぱり使い方ですよね。
北海道の鮭の遡上、上空から見たらこれまでにない神々しい風景でしょう。いつかは叶うと信じます。
確かに独特な風情があります。富山とはお隣でもだいぶ違います。(いつもマッハ観光なのが残念。。。)
立山連峰、晴れた冬の日はすごいと聞きます。北日本の人ならだれでも誇りにしているそうです。