超兵器磯辺2号

幻の超兵器2号。。。
磯辺氏の文才を惜しむ声に応えてコンパクトに再登場。
ウルトラな日々がまたここに綴られる。

働くということ

2009-12-30 19:13:08 | ヒーロー
今年一番のマイブームは、K女学館大学のU教授の著書から始まった「学び」節だ。
ひょんな社内機関紙の記事を紹介してくれた人がいて、その記事に思わず膝を打ったのがスタートだった。
このサイトでも色々な形でちょくちょく紹介してきたが、やはり最近「自分の言葉で書かないとダメだな」と思うようになった。

考えに考えて捻り出した彼が言いたい「学ぶということ」に関しての一貫した主張、それは・・・
「人間は多くを学んだ者ほど『イザ』というときに生き延びる可能性が高い」
その「イザ」というときはたまたま来ないかもしれない。どちらかと言うと人類学というか生物学に近いかもしれない。。。

U先生はブログで「来年はどういう年になりますか?」という質問に自分がそうなったらよいなと思う事柄を並べたという。
そのひとつが「贈与経済になる」というものだ。
さらに言うと「等価交換よりも贈与のほうが難しい」ということだ。。。
「贈ることは簡単だけど、同じ価値のものと交換するのは難しい」と誰でも思うと言われ、私もそう思っていた。

「全然逆である。」U先生はそのブログで言う。「4歳の子供でも千円札を持ってコンビニで買い物するのはわけないことだ。それは等価交換だからだ。しかし、千円相当のモノをもって、相手にそれを与え互恵的な関係を作り出すのはまずもって不可能だ」
今年最も私に響いた言葉だった。

経済が行き詰まり、人口が減少し、市場(π)が縮小していく中で、これから何が大切か、というと「贈与」だという。これが働くことの本質だと。。。
一つ逸話が紹介されていた。Uさんが経験したその師と仰ぐ人とご一緒したごく普通のものだ。
仕事で遅くなって深夜7人でレストランに行ったとき。。。

唐揚げを注文しようとしたが、1人前は3コだったので三人前頼もうとしたら、ウェイターが「大丈夫ですよ。二人前で7個にしてもらうようコックに頼みますから」
唐揚げを持って来られたときに、Uさんの師匠が「あなたは『うちで働きませんか?』と言われることない?」
驚くべきことに一月に一度は誘われると言う。。。

以上はU先生ご自身の話。これからは私が覚えている類似の話・・・

テレビの紳助がやっている「深い~話」にあったが・・・
何とかいうお笑いタレントが妻にお気に入りの帽子をプレゼントしようと日本橋高島屋を訪れたとき、たまたま売れてしまっていて本人ががっかりしていたら。。。

「店員が奥で何やら連絡を取った末に出てきて、ニッコリ「新宿伊勢丹さんにあるそうです。お取り置きをお願いしておきました」

心臓病で病室から出られない生活を続ける少年の夢、「大好きな江ノ電を運転したい」という投書を見て、社を上げてこれを検討しほんの数分でも実現した社員たち。当日、江ノ電では歴史上一度も無かった全駅に職員を配置し敬礼!

深夜のレストランのウェイター、百貨店帽子売場の店員、鉄道会社のスタッフ。。。やりがいが少ない職場とはもちろん言わないが、野心丸だしのセクションでもない。。。
そういうところに「働くこと」の本質があるような気がする。

普通であれば「ズバリ美談!」「思いやり」「人の暖かさ」「ボランティア」などと言われるだろう。上記のどれも「それはそうなんだけどね」というものなんだが。。。
しかしうまく言えないが互恵的社会=市民的成熟というのはこう言うことなんだろな、と思う。これから(来年から)の経済はこれだ!と。

贈与のほうが等価交換よりも難しいという話は、サッカーに例えられていたのが実にうれしかった。
贈与するというのは「パスを贈る」ということだからだ。
パスを出す人間は常にどこに誰がいて、どのスペースに蹴れば誰が届きそうかを考えている。
パスをもらってから「さあ、次にどうしようか?」と考えているプレーヤーはいない。。。

前回の「ふぐちり」論でいけば、次世代へのパスはどの方向へどの強さで出せばよいか考えることになるかな。
今年は色々な方から「パス」をいただいた。
これに対し、すべて「次につなげる」プレーをできたかどうか・・・

次回へまたまた続く。。。

★小夏さま
ウルトラサイダー半分あきらめていたところにホントありがとうございます。
年忘れ、今年一番の「キラーパス」でした!