超兵器磯辺2号

幻の超兵器2号。。。
磯辺氏の文才を惜しむ声に応えてコンパクトに再登場。
ウルトラな日々がまたここに綴られる。

間違いさがし

2009-12-15 22:42:23 | 食べ物
我が家は息子甘辛が幼いときから、ファミリーレストラン、回転寿司はもちろん、居酒屋の個室やカラオケなどに構わず足を運んでいた。
煙草の害が無いように気にしながらも、居酒屋へ行く回数も多かったので、幼稚園に行く年齢になって好きな「食べ物」が居酒屋メニューと化し慌てさせられたのも数年前だ。
これも以前に記事にしたが、子供の舌というのは実は繊細で味に厳しい。グルメとか舌が肥えているというではなく、大人のように酒や刺激物で味覚がつぶれていないから、うまいものが敏感にわかるのだ。

もちろん「比べさせなければ」なかなかわからないものもある。例えば自称「プラチナ会員」のサイゼリヤのハンバーグステーキに関して甘辛は2枚でも食うのにガ●トのヤツは半分残した。。。
もっとも本人曰く、今では結構改善されているらしい。えらそーに・・・
我が街にも和洋中、色々なファミレスがあるが、どこのメニューも工夫されており、私は素直においしいと思う。

その中で圧倒的回数を誇るのはその経営手法を「ワールドビジネスサテライト」でも取材されていたサイゼリヤだ。
昔、甘辛の通う幼稚園のすぐそばにあった。我が家からは自転車で15分ほどの距離だ。

車のほうが楽だし、何かの帰りはそのまま寄ることもままあったが、なんと言っても運転手は飲めないので幼い甘辛を自転車の前に乗せ、チャリで行くことが多かった。
もっともつかまり立ちして歩きだした頃は、とにかくあちらこちらに動き回り、テーブルの下から出窓の上から次にどこにいるのかは確率論でしかわからない量子のように私達を困らせ、自分の誕生祝いにそれをやられて懲りた私はしばらくサイゼ断ちをしたこともあったが。。。

甘辛はお子様メニューには見向きもせず、喚いたり泣いたりすることはなかったが一旦食べ終わってしまうとどうにも動きが止められない。
やっと幼児用いすに座って食事をできるようになっても、周りに迷惑がかからないように店内の隅のテーブルをいつも希望した。
店長はそのうち我が家の顔を覚えてくれ(つまり顔パス)、来店すると空いていれば必ず隅の指定席を用意してくれた。(空いていないときでも、一旦別の席に案内し、空いたらそこに移動させてくれた。。。)

そのうち甘辛がポケモンゲームボーイなどをやり出す年齢になると、食べ終わって少し話をして我々が飲み出しても退屈して騒がなくなった。(これ自体はあまりいいことではないんだけど)
サイゼリヤの好きなところは何と言っても「安くてうまい」こと。
定番のペペロンチーノ、ミラノ風ドリアは299円、ハンバーグステーキ、マルゲリータやムール貝のガーリック焼、そして甘辛が最近覚えて「マイ5点セット」にしてしまったエスカルゴのオーブン焼がなんと399円!

食べた人はたぶん合意してくれると思うが、あの味で驚くべき安さだと思う。
そして酒飲み家族にはさらにありがたいアルコールメニュー。。。ビールのジョッキが390円、デカンタワイン(500ml)が370円!
飲み出すと延々と追加注文して、レシートが10枚くらいたまったことがある。。。

店長は毎回隅の指定席に案内してくれたが、どんな家族に見えたんだろうか。。。二月に一度くらいに休みの夕方やってきて、浴びるほど飲んで帰る家族か・・・
あまりにいい気分で、自転車で帰る際によろけて近所の家の垣根に突っ込んでしまったことがある。
それ以来、「やっぱりチャリは危ないよ」ということで、タクシーをチャーターするようになった。(往復しても十分に安い)

一応家族団らんの時間だから、今でも食事しているときはもちろん子供にゲームはさせない。
だいたいサッカーの帰りが多いから関連する話が多いが、まずもってやりだすのはKIZメニューの表紙にある「間違いさがし」だ。
初期の頃はおもてとうらで間違いが10コあり、結構手強かった。家族3人で真面目に見ても、すぐには発見できなかったものだ。

そのうちに手抜き路線になってしまったのか、間違いは4コとか6コ、それもほぼ一瞬でわかるような簡単なものになっちゃった。。。こりゃーやりがいないよなあ。(もともと子供向けのような気がするが)
それが、先日久しぶりに足を運んだときに見たら、もとの「間違いさがし(10コ編)」に戻っていたのだ。
ずーっと前に同じようなのをやったような気もしたが・・・早速次々に間違い発見を始めた。たぶん伊藤四朗のIQサプリならIQ100級の間違い=「サイゼリヤの看板の大きさが違う」で9コまで見つけたが最後のひとつがどうしても見つからない。

うーむ。これは今までで一番手ごわいぞ。。。いくつかあるイラストをホントに隅々まで見比べるのだがどうしてもわからない。
「光に透かすといいんじゃねえか?あと斜めに見るとか・・・」甘辛も色々なアイディアを出すが発見できない。
近くで見るからダメとか?遠くにして見ると模様が浮かぶとか、マジックアイのように寄り目で眺めていると突如隠れた絵が浮かぶとか・・・
匂いが違うとか、間違いが10コはないことが「間違い」なんていう多胡輝の「頭の体操」のような許せないオチだったり?

最後は心眼で見るしかないのか?!メニューをガラスに透かしたり、折り曲げたり遠くから眺めたり・・・傍から見ていると「一体あの家族は何をやってんだ?」と思われるようなシーンだったろう。
我が家にはよくある光景だ。「絶対みつけてやろうぜ!」ひと通り運ばれた品を食べ終わった後でも調査は続いていたが・・・「さすがにもうだめだ。。。わからん」
最後の手段!「ボタンを押して店員に聞く」を選択した我々だった。

夕方で晩御飯には少し早いからそんなに混雑はしていなかったが、彼らは仕事中だからな。邪魔にならないようにしないと。。。
我々の繰返し注文を取りにきてくれたお姉さんはすごく感じのよい人で「あの人なら教えてくれるだろう」というのが一致した意見だった。
でもさすがにボタンを押して呼び寄せるのは悪いよな。近くを通りかかったときにちょっと声をかけようとチャンスを伺っていた。

しかし、そういう時に限って忙しそうに他の客の注文をとり、後片付けをしてレジにたったり・・・
「やっぱ悪いよな。帰ってインターネットで調べてみっか。。。」デザートを食べ終わってからタイミングばかり狙っていた我々はとうとう諦めて帰り仕度を始めた。
時間的には食事時で家族連れが増えてきて、忙しさがどんどん増しそうな雰囲気だったのだ。

レジでも先に支払いしているグループが二組あり、結構込み合ってきた。
すると突如後ろから「父ちゃん!これっ」
「ん?」我々の後に支払い待ちをしているグループがいないことを確かめた甘辛は、そばのテーブルから例のKIZメニューを持って走り寄ってきたのだ。

「すっ、すみません。どぉーーっしてもあと1コがわからないんですけど。。。」
感じのよいお姉さんに怪訝な顔をされるか断られるのを覚悟して、弱々しいが早口で訪ねたら・・・
にっこり笑ってお姉さんはレジの向こう側から一緒にKIZメニューを見てくれた。

「ああ、これですね。えーと・・・○でしょ。▽でしょ。□はすぐわかりますよね。あと、●と▼と・・・★はわかりました?」

我々はレジカウンターに乗り出すようにしてお姉さんと9コまで間違いを確認した。やはりサイゼリヤの看板の大きさはかなり高ポイントらしい。。。

「あっ、あれ?もう一つなんだっけ?えっ?あらっ?思い出せない・・・どうしよう」

「あっそうだ!☆なんだった!」お姉さんは一瞬パニックになりかけたが、すぐにまたにっこりして、最後のひとつを指差した。
「うぉーっ!こりゃーわからねえや!」今年のマイ流行語「ヘウレーカ!」
ミラノに行っても「ミラノ風ドリア」はなかった。今では甘辛のマイセットは2点増えて、「シーフードチャウダー、プロシュート、エスカルゴのガーリック焼、ハンバーグステーキ、フォッカチョ」の5点盛り。

まだまだお世話になるだろう。。。

ずばりサイゼリヤとかけて、「飛び出せ青春」ととく。そのココロは・・・「ペペがいい味を出しています」。。。