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超兵器磯辺2号

幻の超兵器2号。。。
磯辺氏の文才を惜しむ声に応えてコンパクトに再登場。
ウルトラな日々がまたここに綴られる。

文豪

2009-02-05 22:03:44 | 書籍
最近、通勤用ホームライナーの中でゲーテという人について色々論じた本を呼んでいる。文豪と言われた有名な作家だ。
いかにも文豪とは縁の無さそうな私が、なぜこのような本を読む気になったのか、そのいきさつはこうだ。

私がいつもトイザラスや上州屋に出没すると思われている人には意外かもしれないが、私は年中図書館に出入りしている。
通勤時間に読む本を欠かさないためだ。寝るときも多いが、なんとなくあの快適な通勤時間を何かに使わないともったいない気がするのだ。

以前は歴史モノやプチ官能モノ(表紙を見られても平気なくらいなやつ)が圧倒的に多かった。それがある日図書館で「世界の名著をわかりやすく紹介。。。」という本を借りてきていわゆる古典に興味を持った。
その本は著書名は知っているが、なんとなくとっつきにくくてきちんと読まれることがない、名著のあらすじをパパッと紹介し、どの出版社から出している誰の本がわかりやすいか、リコメンドしてくれるものだった。

よーし。これから少しは世界的な名著に触れてみるか・・・と最初に試しに選んだのが、ゲーテの「ファウスト」だった。
第一部と第二部をなんとか読んだが、さーっぱりわからなかった。。。
やっぱダメダメ・・・また司馬遷の史記を読み出したのだった。

その後休日のテレビ番組で(ウチくるだったかな)でタレントが「ゲーテの『●●●せよ』という言葉に触れて一念発起、これを始めたんです・・・」
というのを聞いて、また興味が沸いてきた。
結構いいことを言った人なんだな、と新しく借りてきたのが今の本だ。

著書自体もすごいが、どちらかというと「ゲーテ語録」というか「ゲーテとの対話」がよく本になっているようだ。一言で言うと「上達論」って感じだ。
これには思わず膝を打つ名セリフがたくさんあった。嵌ってしまいそうだ。。。

読み進んでいるうちに、「どうせ情熱を注ぐなら中くらいのものよりも一番いいものに注ぎたまえ」という下りがでてきた。
そして音楽ならモーツアルトと。。。
著者の余談だと、モーツアルトのある曲を聴くだけでIQが瞬間的に跳ねあがるというのが、世界最高の科学雑誌「ネイチャー」で発表されたらしい。

うーむ。私はこの手の話題に最も弱く、すーぐその気になってしまう。
やはりモーツアルトか。。。ピアノ協奏曲らしいが全巻借りてこよう。
私はまぎれもなくアイドル全盛期の歌謡曲小僧だったが、最近売れている曲やグループがさっぱりわからん。
JAL機内エンタのミュージックジャンルで最近のタイトルが一つもわからなくなった。

よーし。これからはモーツアルトだ。ついこの前まで太田胃酸CMのBGMがモーツアルトだと思っていたが。。。ちなみに劇作はシェークスピアでだそうだ。

見合いの席で(もうないと思うが)

「音楽はどんなジャンルを聴かれるんですか」(女性)

「モーツアルトが一番ですね」(磯辺)

「では読書などはいかがでしょう?」(女性)

「『ゲーテとの対話』が好きです。今結構古典にはまっています・・・」(磯辺)

うーむ。かっこいい。。。
しかし、マジでゲーテの言葉は心ノ臓をひと突きするところが多い。
これからしばらくゲーテモノ(シャレじゃないよ)を漁ることになろう。


本を読む本

2008-09-03 23:25:09 | 書籍
私の年代はカラーテレビがすごい勢いで普及し、特撮ヒーロー、アニメ、アイドル全盛で、私はまぎれもなくテレビっ子だった。
子供向けはもちろん、長じてからも時代劇や刑事モノ、バラエティなど、テレビなしの生活は考えられなかった。

ところが、ここ10年で明らかにテレビを見なくなった。そもそも見る時間がないのもそうだが、見たいと思う番組がないのだ。。。
昔の番組ならイチロー並みの広い守備範囲をもつが、今の番組は「ぶらり途中下車の旅」と「IQサプリ」以外さっぱりだ。。。
そこへきて、知人が面白い記事を持ってきてくれた。

「本を読む本」というタイトルだ。70年近く前に米国で発刊された「古典」に近い手引書が今、結構な流行になっているという記事だ。
その記事ではテレビはもはや知的情報源としてはレベルが低すぎ、一方インターネットでは情報洪水を制御することが難しいため、結局自分を高めるメディアとして読書に戻りつつあるとうたわれている。

なるほどな。前職場は通勤時間が長かったから、歴史系の読み物に結構偏っていた私も色々な書籍を紹介してもらって喜んで読んだ。
私は読書は食事のような感覚をもっている。味わい方は個人の自由で別に型にはめることはないと思っていたから、「本を読む本」などといういかにも手引書のようなタイトルからは正直、読書欲は沸かなかった。

ただ、70年も前の面白くもなさそうな本が今ブームになっているのはなにか訳があるのだろうと興味をもち、図書館で借りてきた。
感動で打ち震えるようなものではないが、最近であった書籍ではかなりのすぐれものだ。
本を読むという動作をここまで掘り下げてとらえることも今までしたことがなかった。

内容を書いていると朝になってしまうので、詳しくは読んでいただきたい。一見、いかにも教科書チックだが、趣味欄に「読書」を書く人にはぜひおすすめだ。
ちょっとだけ紹介すると、読書には4つのレベルがあるという。

1.初級読書(記号の羅列から意味を掴むことができる)

2.点検読書(ぱぱっと大雑把に本の内容を理解する)

3.分析読書(書物をじっくり読み込み、正しく批評したり賛否を論じられる)

4.シントピカル読書(同じような主題を扱っている色々な書物から自身の考えをまとめる

なんか、ちょっと見受験対策書のようにも見えるが、全章を通じて本と「対話」「真剣勝負」、「働きかけ・・・」など、コミュニケーションを通じて「自分を高める」というところがよい。
以前、知人に借りた本に「リスク」という上下巻ものがあったが、2ヶ月かけて通勤電車で読み終え、わずかに気に入ったフレーズ以外はさっぱりだった。

せっかくなので、今回読んだこの本の技術・心構えを駆使して再度挑戦してみよう。
40過ぎて読書の面白さを実感するとは、ちと情けない気もするが。。。

三国志Ⅱ

2008-07-08 23:22:17 | 書籍
最近、通勤途上で読む本があまりないので子供から借りた「三国志」を読んでいた。この前、話題に取り上げたときにはもう読み始めていたからかなり時間がかかっている。
子供の本だからと言って侮るとかなり苦戦する。結構丁寧に書いてあり、イラストなどもあるからおもしろい。
読み始めて早速思い出したが、「三国志」ってめちゃくちゃ登場人物が多いんだった。

PS2のRPGでもこの複雑さにめげたのだ。似たような名前も多く、普段使わない漢字が多いのも苦戦する理由だ。
もっともロシア(なんて読んだことないけど)とかイタリアなんていう非英語名もかなり苦戦が目に見えている。
ようするに普段聞きなれない名前は頭に入らないのだ。

私の好きな「天才柳沢教授の生活」で教授が

「『半七捕物帳』も何度読み返してもその時の気持ちによって受け止め方が違うこのです。そして今この場で再読すればきっとまた新しい発見をもたらすでしょう。それはこの本にとっても私にとってもこの上なく幸せなことなのです・・」

とつぶやいており、今回の三国志はまさしくそんなケースだった。
子供のころは漫画だったが、学生時代は文庫本、今になって児童本というのはイマイチ順番が違う気がするが。。。

しかし、私の場合は「新しい感動・発見」というよりは、「そうだよ!この話ってこう感じたんだよ」
という、読むたびに感じた印象がまざまざと蘇った感じだった。
そうだ。「三国志」ってものすごくじれったいのだ。。。

それは劉備のせいだ。曹操ほどの非情さも感心しないが、いくら「徳」を大事にする文化とはいえ、「一人でも軍師に迎えれば天下が獲れる」と言われた人物を二人も従えたにも関わらず、その意見を時には用いずもたもたと遠慮した結果、状況を悪くしてしまう。

読んでいて、やっぱり英雄として応援したくなるのは劉備だが、あまりの歯がゆさにいらいらしてくるんだ。
息子甘辛もいつからかこの本を読みだして、かなり繰り返し読んでいた。暇さえあれば飽きずに読んでいる。
誰が一番好きなのか尋ねたら、諸葛孔明だって。まあ、あの話ではそうだろな。

ちなみに日本の戦国武将で好きなのは、山本勘助だって。軍師好きなんだな。
今、TVKで実写版の三国志を放映している。
中国で作られた番組のようで、かなり大規模で迫力がある。映像のテクニックはイマイチのような気がするが。

日本の時代劇と同じで、本場が作成するとそれなりの歴史考証もあり、当時の中国の風習などがよくわかっておもしろい。
今まで紳助・竜介のしょぼい村人が解説する人形劇しか見たことなかったから。。。
息子甘辛は「はねるのトびら」を欠かさず見ていた。あういうドタバタもんが大好きなんだ。
でも今では同じ時間に放映している「三国志」なんだって。

日本の歴史については人物史も含めて好きな時代(戦国・幕末)はほぼ読み尽した。
中国史も史記から始めて古代(後漢まで)を扱う書物はたいてい読んだ。
広大で長ーい歴史を持ち、多種多様な文化の入り乱れる中国は読み出したらキリがないだろう。

私の知っている女性には不思議にこういった歴史に興味を持っている人がいない。
妻はずっと昔からこの手の話はあきらめていた。やはり男だけのロマンなのか?
今は息子甘辛がウルトラシリーズ並に話題についてこれる。夫婦喧嘩のときは子供と三国志を話題にするに限る。

空中ブランコ

2008-05-19 22:20:35 | 書籍
友人が「空中ブランコ」という本を貸してくれた。
奥田英明という人の著書で数年前「直木賞」を受賞した作品だそうだ。
文学の分野には色々な賞があり、野球の「MVP」や「沢村賞」のような受賞基準がどうもわからない。。。

しかし、なるほど賞を獲る作品とはこういうものか・・・というほど文学オンチの私にも何となくわかった気がした。

物語は短編集のようになており、ふとっちょの人懐っこい神経科医がそれぞれ色々な悩みをもつ人間の症状をどちらかというとハチャメチャなプロセスで見事に解決していくものだ。

あっさりと読み飛ばせるが、ちょっとした心の「ひっかかり」が色んな形で症状に出てしまう人間のデリケートな歯車を見事に描き出し奥深い味わいがある。

最初はいつの間にか姿勢が縮こまり、空中ブランコを飛べなくなってしまったサーカスの花形スター。
尖端恐怖症になってしまった、若手のやくざ屋さん。
学部長に出世した養父を持ち、将来を約束されたが養父のみえみえのカツラを剥ぎ取る衝動をがまんできなくなる若手医師。
ルーキーがマスコミに注目されているのが気になり、ボールを真っすぐに投げられなくなった10年目のスター三塁手。
執筆中の作品に登場する人物が過去に自分の作品で取り上げたことがあるような心配に支配され何も書けなくなったカリスマ的女流恋愛小説家。

特に少年時代から野球・サッカーとやってきた私には三塁手の話「ホットコーナー」が興味深かった。

その中で、神経科医は「コントロールって何なのか?」と患者である三塁手に問う。
神経科医はプロ野球選手がやてきたと、無邪気に喜んでキャッチボールを頼むが、普通に投げると何回やってもまともにボールがいかない。
しかし、野手のように左右にゴロを出してやると百発百中胸にくるのだ。

人間が野球のボールを思ったところに投げるとは実はすごいことなんだというのが面白い。
テニスでも卓球でもバッティングでもスイングはどうあれ、最終的にはインパクトの瞬間の問題だ。
サッカーも基本的には一緒だ。

しかし、野球は握ったボールを手首、肘、肩はもちろん、腰のひねりや膝の上げ、足の踏み込み、そして指先まで総動員して小さい的をめがけなければならない。

どこが調和を乱してもまともには投げられない。。。
息子甘辛は右利きで、今でこそ普通にボールを投げるが、幼稚園のとき初めてキャッチボールをしようとしたら、右足を上げた。。。
いつの間にか皆が投げるようなフォームになったんだ。

私は少し野球をバカにしたところがあった。
打つことは今でもできるし、守備だって年中ボールが来なければできないことはない。
何より野球はサッカーやバスケ他の球技とは違い、プレーに切れ目があってその都度休めるじゃないか。

しかし、このスポーツはどんな局面でも握ったボールを思ったところに命中させるという、これだけで奇跡とも言える技を競うスポーツなんだね。
ちょっとピッチャーよりだが、そう考えると目が覚める思いだ。

トップレベルのスポーツ選手ほど、心の動きがプレーに影響すると言われるがまさしくそんな話だった。
そして最後が実によい。

神経科医は原因を取り除ければよいと言った。
この場合は期待のイケメンルーキーが怪我やトラブルで戦列を離れてくれればよいと。。。
そして物語らしくそういう機会がやってきた。

そのルーキー他と一緒に酒を飲む機会があり、そのイケメンが大悪酔し、店の裏でやくざともめにもめているところを目撃してしまうのだ。
プロとしての自己責任の問題だ。巻き込まれれば自分にも危害が及ぶかもしれない。
三塁手はたまたま出くわした神経科医とタクシーで帰宅しようとするが、最後の最後でスポーツマンシップに目覚め、引き返して代わりに殴られ、その場を収めてやるのだ。

泥酔しているルーキーを担いで帰り帰宅する。
卑怯者にならずにすんだのだ。


最後に幼い子どものキャッチボールの相手をしてやるシーン。

- コントロールって何だろう。人はいつそれを身につけるようになるのだろう。-
- たぶん明確な解答などない。人間だけの、不思議な学習能力なのだ。-

こどもは最初とんでもない暴投を投げた。幼いのでしかたがない。
しかし何度かトライしてやまなりだがストライクを投げた子供に「おっ、凄いな」と一言。
子供が目を輝かせる。。。

この本、かなりお勧めだ。
同じ人の本や今まで、あまり興味が無かった「直木賞」シリーズも読んでみよう。

クリスマス・キャロル

2008-04-19 04:17:51 | 書籍
ずっと前だがここで、「裁判官の爆笑お言葉集」という本を紹介した。

人が人を裁く場は生々しく新鮮ではあったが、やり切れない話が多く、あまり話題にする気にならない。
ひとつだけ粋な話があった。

登録をせずに金銭を貸し付ける業務を営んだとして、貸金業規制法違反の罪に問われた被告人に対し、

「この時期にあなたを見ていて思い出した小説があります。チャールズ・ディケンズの『クリスマス・キャロル』を知っていますか。」

悪徳商人がクリスマスの出来事を境に心を入れ替えて人々から慕われる話だそうだ。
「あなたも心を入れ替えて、孫からも立派なおじいさんと言われるようにがんばってください」と続く。
判決は12月22日。なるほど粋なことを言うものだ。25日は日曜だったんだって。

さて、この「クリスマス・キャロル」という書籍、全然聞いたことも無かったが、裁判官が法廷で引用するくらいだから、有名なものなんだろう。
少し興味が沸いたので借りてきた。本の中で紹介されていた本を連鎖的に読む習慣が最近ついた。

どちらかというと、子供向けの本に思える。

欲張りで嫌われ者の老人スクルージのもとに、クリスマス・イブの夜、死んだ仲間の亡霊と3人の聖霊がやってくる。
自分の過去、現在、未来の姿を見せられたスクルージは、過去への後悔と未来への希望を持ち、新し生き方を始める。

自分の過去は、一人ぼっちで寂しそうに本を読むつらい少年時代
現在はついさっき追い出した事務所の職員の家族が貧しいながらクリスマスの御祝いをしているシーン
未来はどうやら死んでしまった自分に対する世の人々の評価、最後が自分の墓

独特なキリスト教文化っぽいところもあり、多少すんなりこないところもあるが、通勤電車で読みながら不覚にもほろっときてしまった。。。
マンガに吹き出すのをこらえるのも苦労するが、泣くのをがまんするのも結構大変だ。

世の中にはまだまだ知らない名作がいっぱいあるものだな。
これは必ず子供に読ませよう。

湘南企業

2008-03-18 06:09:48 | 書籍
日経ビジネスに「湘南企業」と題して特集していたので読んでみた。

地元だから、サーフボードを抱えた人が海に歩く表紙は興味が沸く。(私じゃないよな)

はじまりはこうだ。
「-ここには、有力な地場産業がなく、観光資源は海水浴場くらい。自動車・電機メーカーのリストラの影響で、製造業の事業者数は1996年から2004年までに24%減少-。これだけ見れば、都市との格差に苦しむ地方の1つに映る。・・・」

ここからがすごい。
「愛知・京都企業も顔負けの成長力」
「過去5年間の時価総額伸び率で本社所在別ランキングを見ると茅ヶ崎市が全国1位」
「ニッポンの未来を拓く新たな成長の方程式が『湘南企業』にある」

とどめが「湘南セブン」好業績の波に乗る。。。
ちょっと無理あんじゃないの?

国内有数の成長力を誇る企業として7社あるというのだ。
そのトップバッターが液晶テレビの製造装置で世界一という会社。
息子のサッカーチームで異彩を放つ主砲というべき選手のお父さんが勤務しているそうだ。そんなすげえ会社だったのか。。。
草野球でグランドを使わせていただいたことはあるが・・・

3ページにわたる特集だ。
地元が活況なのは正直うれしいが、湘南と何の関係があるんだろう?

役員が全員ロンゲに茶髪!?

社員の通勤はビーサンにスケボーだから駐車場がいらない!?

毎朝サザンの歌で体操してる!?

全然違う。●●流 考える経営と題うって、

1.会議はダラダラやる
2.成果主義はアンフェア
3.「トヨタ式」より自分流

はぁ?まるっきり関係ねえじゃん。
そらたしかに、若者がなんかダラダラしてるよ。波乗りポイントのとりかたはフェアじゃないときもあるよ。人の言うとおりにしないよ。

でも日経ビジネスたるものが真顔で書くには無理があるんじゃないか?
要は個性的な経営で成長してきた素晴らしい会社ってことだ。
何も茅ヶ崎市だけじゃないよねえ。武蔵野市にあってもいいよねえ。

でも安心した。
転職先は意外にも地元にいっぱいありそうだ。。。


ティッピング・ポイント

2008-03-12 06:10:27 | 書籍
-いかにして小さな変化が大きな変化をもたらすか‐

というサブタイトルのこの本は、ベストセラー「効率が10倍アップする新・知的生産術」を著した勝間和代と言う人が良書と推薦するものだ。

「ティッピング・ポイント」とは、「あるアイディアや流行もしくは社会的行動が、敷居を越えて一気に流れ出し、野火のように広がる劇的瞬間のこと」とあり、ウィルスの爆発的感染のようなものだという。

普段は何となく、物事はゆっくり均衡し「落ち着くとこに落ち着く」ものだと考えがちだが、ある点を境に一気に流れ出す、という発想が興味深い。
私の好きな80:20の法則やN.Yの犯罪が激変した現象などが具体的に書かれている。

詳しいところは読んだほうが早いが、その中に「セサミストリートという教育ウィルス」という題目がある。

子供の頃も大人になってからもこの番組が何なのかさっぱり分らなかった。。。
(たしか、子供のときは英語だった。意味が分ったら天才だ)

パペットマペットの「牛くん」みたいなキャラと中に人間そのものが入っている黄色い鳥が何か繰り広げている。。。日本語になった今も意味がよくわからない。
言葉を覚える?モノの名前を覚える?何かを作る?情操教育?何をしたいのだろう?

言葉を覚えるなら「カリキュラマシーン」にはかなわんだろう。。。

ものを作るなら「できるかな」にはかなわんだろう。。。

社会のことなら「はたらくおじさん」しかありえない。。。

でも本を読んでいくと、セサミストリートは「教育意欲を感染させるため、未就学児の記憶に「粘る」にはどうしたらよいか?」大勢の番組専門家、心理学者、教育学者たちが目をサラのようにして子供の動きを追い、やっと完成した血と汗の結晶らしいのだ。

具体例がマニアックでちょっと応用しにくい面もあるが、興味深い本だった。
ちなみにだいぶ後から知ったのだが高校時代、クラスの女子は私のことを「アーニー」と呼んでいたそうだ。。。

似てねえよ。。。

私にとって、体感するティッピングポイントは結構身近だ。
日本酒にして約一●を超えると突如として意識が薄らぎ始め、軽い脳モレを生じる。。。
だから家から遠くで飲むと危険なんだ。一気呵成にくるもんね。


ブラックホール

2008-03-11 15:16:02 | 書籍
父ちゃん、ブラックホールの本はもうないのか?」

ブラックホール?何のことだ?

「4年生の集大成に『ブラックホール』について調べたいんだって。ネットでも図書館でも調べられるけど、こないだうちにあった雑誌がいいんだって」と妻。

ああ、ニュートンのことか。たしかブラックホール/ホワイトホールを特集してたな。あれは別にその記事を読むためじゃなくて、最初の見開きにある「暗やみで光るスライム」を作るために借りたんだけど。。。

ほら、新鋭ゴジラの背びれに塗るやつさ。りん光材料といい、日本ガイジの広告だった。。。

まあいいや。ネット検索も味気ないし、学研の「宇宙のひみつ」よりはニュートンのほうが、絵がきれいだしカッコいいもんな。わかるわかる。。。

「それで、ブラックホールって何なんだ?」と息子。

少年時代に理論物理学者を目指した私だ。ブラックホールぐらい語るのは造作もない。たしか実家にはブルーバックスの「ブラックホール」もあったはずだ。。。
しかし「太陽の数十倍の質量をもった恒星がついに自分の質量を1点(特異点)に集中した結果」なんて、小学4年生にどうやって説明すんだ?

考えあぐねていると

「ほら、ウルトラマンガイアに空の穴から首だけ出してる怪獣いたじゃない」と妻。

「あれはワームホールで、怪獣はゾーリム!」すかさず息子は一蹴。。。(うーむ。覚えている妻もさすがだが・・・)

「宇宙戦艦ヤマトⅢでベムラーゼ首相率いるボラー連邦の宇宙要塞は『ブラックホール砲」という武器を持っていた。。。」と私。

「タモリの『世にも奇妙な物語』にもあったよねえ。ゴミをいくらでも飲みこんでくれる地面の穴があり、それが空の穴から全部降ってくるっていう・・・あういうやつかな?」と息子。

うーん。ノリは合ってるけどやっぱり違うと思うぞ。
もう1回借りてきた。ブラックホール/ホワイトホール/ワームホールが詳しく書かれていた。20年以上も前のブルーバックスとそう変わりはない。。。

天文学ってそんなに劇的に進化はしないのね。

どんなまとめ方をするのか楽しみだ。
でもなあ、ブラックホールで飯は食えんぜ。。。
仕事はどっちかっていうと、ブラックホールよりワームホールのほうが圧倒的に多いんだ。

人はなぜ確率に弱いのか?

2008-02-28 16:16:50 | 書籍
図書館に雑誌「ニュートン」があるので、空き時間によく読んでいる。

その昔、サッカー少年であると同時に「科学少年」でもあった。
小学卒業のとき、将来なりたいモノはたしか「理論物理学者」
「知られざる世界」という番組が大好きだった。

高校生になって、「どうも学者は割がよくない」と感じ、当時の科学雑誌「サイエンスの編集長」なんていいな、と思っていた。

最近たまたま、図書館で開いたニュートン、知ってはいたがあまり読んだ記憶は無かったが、昔の科学への興味が鮮明によみがえったのだ。。。
何せ絵が実にきれいだ。ブラックホール/ホワイトホールなんて見てきたのかと思うほど芸術的だ。

今日はその中で見つけた面白い記事の話。
「人はなぜ確率に弱いのか?」だ。人間の心は元来正しい確率を見抜くことが不得意らしい、ということだ。

問題1.誕生日の一致
「生徒50人のクラスがある。その中に、同じ誕生日の人が1組でもいる確率はどれくらいだろうか?50%より大きい?小さい?」

問題2.日本シリーズ
「ある野球解説者が、開戦前に次ぎのように解説した。『今年の日本シリーズは大接戦です。両チームの実力は全く互角ですから、最終戦の第7戦までもつれこむ可能性が高いでしょう。』この解説ははたして正しいだろうか?」

問題3.「モンティ・ホール問題」
「挑戦者の前には3枚のドアA、B、Cがある。どれか一つのドアの後ろに豪華な景品がかくされているが、残りの二つのドアはハズレである。司会者はあたりのドアを知っているが、当然、挑戦者は知らない。
 挑戦者は、ドアAを選んだ。すると、司会者は、残された2枚のうち、ドアBを開け、それがハズレであることを挑戦者に見せた。ここで司会者は、挑戦者にこうもちかけた。
『はじめに選択したドアAのままでも結構。ですが、ここでドアCに変更しても構いませんよ』
さて挑戦者は変更すべきか否か?」

問題4.ウィルス感染検査
「いま、1万人に1人の割合で感染しているウィルスがあるとする。あなたがこのウィルスの感染検査を受けたところ、『陽性(感染している)』と判定された。
この検査の精度は99%であり、誤った判定を下す可能性はわずか1%しかないという。このとき、あなたが感染している可能性は何%だろうか?50%より大きい?小さい?」

こりゃ面白いと感じる人と、興味ない人がいるでしょう。
でも宝くじの1等が当たる確率よりも、1年間に交通事故で命を落とす確率の方が500倍も高いのに、その差は実感せずにやはり宝くじは買う。。。
私はこの手の話が大好きだ。

答えだけ書くけど、「ちょっと待てよおっ」とカラクリを知らなければ寝られない人は「ニュートン4月号」を見てください。ものすごい数学やってるわけではありません。普通の中学生くらいです。

ホントはここから文字が逆さじゃなきゃいけないんだけど。。。

問題1.約97%

問題2.第6戦で決まる確率と7戦までもつれこむ確率は同じ

問題3.(早見優ばりに)このままじゃいけない。ドアCへ

問題4.約1%

いかがでしたか?