中小企業の「うつ病」対策ー人、資金、時間、情報に余裕がない

企業の労働安全衛生、特にメンタルヘルス問題に取り組んでいます。
拙著「中小企業のうつ病対策」をお読みください。

メンタル・睡眠 関係深く

2019年05月22日 | 情報

小職のセミナー講演の「出だし」と同じ、です。「メンタル・睡眠 関係深く」。
これからも、安心して講演ができそうです。

メンタル・睡眠 関係深く 国立精神・神経医療研究センター 北村真吾氏 
2019/5/14付日本経済新聞

睡眠を通し生活リズムを整え、心身の調子を高めていくにはどうすればよいのか。
国立精神・神経医療研究センターの睡眠・覚醒障害研究部、北村真吾氏に聞いた。

――メンタルと睡眠はどう関連しているのですか。

「メカニズムはわかりきっていないが、密接に関わっているのは確か。
例えば睡眠に問題がある人はうつ病になりやすい。リズムを整え、睡眠時間を確保できれば心身の健康リスクは抑えられる」
「睡眠には記憶や感情を整理する機能もある。負の感情の除去が睡眠中に進む。
また睡眠不足はネガティブな感情を引き起こしやすくなる。感情を安定させるという意味でも睡眠は重要だ」

――睡眠リズムを整えるにはどうすればよいですか。

「人の体内時計は24時間より少し長く、自然と後ろにずれていく。
なるべく起床時間は一定にし、起きたら光を浴びるとよい。光には体内時計を整える機能があるためだ」
「日光は照度も高くベスト。最近は照明を自動調整したり、カーテンを自動開閉したりして起床を促す機器がある。
目覚まし時計で起きるよりもこうした機器を使って自然と覚醒できればなおよい。
もし家族と起床時間が異なりそうした機器が使えない場合でも、午前のうちに光を浴びれば体内時計を整えられる」

――就寝前に気を付けるべき点は何でしょうか。

「睡眠は規則性が大事だ。いつもと同じパジャマに着替えて、歯を磨いてから布団に入って、
というようにベッドタイムのルーティンを決めておいた方が寝やすい。
また夜は光を浴びてしまうとよくない。部屋の照明はできるだけ暗めに、オレンジに近い暖色系の光にしたほうがよい」
「スマートフォンなどの液晶に使われる発光ダイオード(LED)の白い光は
体内時計を狂わせたり覚醒させたりする作用が比較的強い。
液晶を通じて見る内容の刺激性が睡眠に悪影響を与える可能性もあり、注意が必要だ」

――10連休中に睡眠リズムを崩した人も多そうです。

「いつものリズムを整える作業を効率良くやる必要がある。連休中の体内時計のずれは多くても2~3時間程度。
ただ、修正は1日1時間程度ずつが限界だ。
夜眠れなくても、いつも通りの時間に起きると次の日の夜は早めに眠れるようになる。これを繰り返し、整えていくしかない」

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月250時間残業を1年間

2019年05月21日 | 情報

報道(読売)では、「妻は労災申請したが、大阪中央労働基準監督署は労災を認めず、
遺族補償年金の不支給を決定していた。」とあります。
最近では、月残業時間が80時間超の場合は、ほぼ自動的に労災認定されていますので、
労基署側に残業時間認定の誤解があったのではないかと推測します。
事実は、どうなのでしょうか?

調理師の過労死認定=月250時間残業を1年間-大阪地裁
時事通信社 2019/05/15

調理師の男性が心不全で死亡したのは長時間の過重な業務が原因だとして、
遺族が国を相手に労災保険の遺族補償の不支給処分取り消しを求めた訴訟の判決で、大阪地裁は15日、処分を取り消した。
内藤裕之裁判長は「長時間労働と発症との間に因果関係がある」と述べた。
内藤裁判長は、男性が約1年にわたり月約250時間の時間外労働に従事していたと認定
長時間労働が発症と劇症化に作用したと判断し、因果関係は不明とする国側の主張を退けた。
判決によると、男性は大阪市内のレストランで勤務していたが、2012年11月に胸痛などを訴え、
急性心筋炎などと診断され入院。14年6月に死亡した。
大阪中央労働基準監督署は同年12月、遺族補償などを不支給とする決定をした。
厚生労働省補償課の話 今後の対応は判決内容を検討し、関係機関と協議した上で判断したい。 

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非常勤労災訴訟で原告控訴

2019年05月20日 | 情報

小職は、当事案を追いかけています。
労基署の判断と、司法の判断は「別もの」と理解していましたが、どうなのでしょうか?

非常勤労災訴訟で原告控訴 元北九州市職員自殺で 
2019/5/8 日経

非常勤職員の労災補償請求権を認めていなかった北九州市条例は違法だとして、
退職後の2015年に自殺した森下佳奈さん(当時27)の両親が市に損害賠償を求めた訴訟で、
原告は請求を棄却した福岡地裁判決を不服として8日までに福岡高裁に控訴した。控訴は4月27日付。
森下さんは12年から北九州市の戸畑区役所で働いていたが、13年1月にうつ病を発症しその後退職。
15年5月に自殺した。両親が17年、労災だとして遺族補償などを申請したが、
今年4月19日の地裁判決は労災認定されていないことなどを理由に認めないとした。〔共同〕

(再掲です)北九州市非常勤職員自殺、市の賠償認めず 福岡地裁 
2019/4/19 日経

北九州市の非常勤職員だった森下佳奈さん(当時27)が自殺後、
公務災害(労災)申請が市に認められなかったのは違法だとして、遺族が市に約160万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、
福岡地裁(鈴木博裁判長)は19日、請求を棄却した。遺族側は不服として控訴する方針を表明した。
原告側は当時の市条例について「非常勤職員やその遺族に労災認定を求める権利を認めていなかった」と主張したが、
鈴木裁判長は「条例上、職員らは公務災害の発生をもって直ちに補償請求権を取得する」と指摘し、
労災認定の手続きを経なくても補償を求めることはできると判断。
不服申立制度も整備されており、市側の対応に問題はなかったとして、原告側主張を全面的に退けた。
森下さんは戸畑区役所で働いていたが、うつ病を発症し、退職後の2015年5月に自殺した。
この訴訟を契機に、市は18年10月に非常勤による申請ができるよう施行規則を改正し、
今年2月には過去に遡っての申請も可能にしていた。
遺族はこれとは別に、自殺したのは上司のパワハラなどが原因として、
補償金など約1210万円の支払いを求める訴えも起こしている。

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16.17日は、休載します

2019年05月15日 | 情報

16.17日は出張のため、当ブログを休載します。
再開は、20日(月)です。よろしくお願いします。

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裁量労働制

2019年05月15日 | 情報

裁量労働制は、善用することも、悪用することもできる制度です。
考え方としては、悪くはないのですが、制度の運用次第でどうにでもなってしまうのが、欠点です。

残業月173時間、労災認定…女性が適応障害に
5/13(月) 読売

建築設計会社「プランテック総合計画事務所」(東京)に裁量労働制で働いていた20歳代の女性が
精神障害を発症したのは長時間労働が原因として、中央労働基準監督署(同)が労災認定したことがわかった。
女性が加入する労働組合が13日、記者会見で発表した。
労組によると、女性は実際の勤務時間ではなく事前に労使協議で決めた時間を働いたとみなす裁量労働制で勤務し、
昨年4月に適応障害を発症。
同労基署は発症前1か月間の残業時間が国の「過労死ライン」(月100時間)を超える173時間だったと認定した。
同社は昨年10月に裁量労働制を廃止しており、
「労災認定を真摯(しんし)に受け止め長時間労働の是正を進めている」とコメントした。


裁量労働で残業月173時間、女性に労災認定「ずっと私が悪いと自責していた」
2019年05月13日弁護士ドットコム

東京都内の建築設計事務所で専門業務型の裁量労働制を適用されていた女性(20代)が、
長時間労働が原因で適応障害を発症したとして、中央労働基準監督署が2019年3月18日付で労災認定していたことがわかった。
女性と女性が加入する労働組合「裁量労働制ユニオン」(坂倉昇平代表)が5月13日、
東京・霞が関の厚生労働省で記者会見し、明らかにした。

●発症1カ月前の残業時間は173時間15分
「(長時間労働に対する)違和感はずっとありましたが、まわりがみんなそうしていましたし、
この業界はそれが当たり前だとすりこまれていました。
労災を申請した理由は、身体を壊した理由をはっきりさせたかったためです。
今まで、ずっと自分が悪いのではないかと自分のことを責めていました。
労災が認定され、ようやく自分は悪くないと言われた気がしてほっとしました」(女性)
女性は2015年4月に新卒採用され、専門業務型裁量労働制の適用対象となった。
裁量労働制は、1日にどれだけ働いたとしても、みなし労働時間分を働いたとみなされる制度だ。
会社では、みなし労働時間は「1日8時間」とされていたが、入社3カ月目には残業時間は月100時間をこえていたという。
労基署が認定した精神疾患の発症日は2018年4月20日。発症1カ月前の残業時間は173時間15分だった。
同年6月から女性は休職したが、入社してから休職するまでの3年3カ月のうち7割の期間において、
過労死ラインの月80時間以上の残業をおこなっていたという。

●会社は裁量労働制を廃止

女性は2018年6月にユニオンに加入。未払い残業代や長時間労働の改善を求めて会社と団体交渉をおこない、
2019年4月に和解した。
ユニオンの説明によると、会社は団体交渉や労基署の指導を踏まえ、2018年10月に裁量労働制を廃止。
ほかにもフレックスタイム制を導入するなどの長時間労働対策をおこなった。
2018年4月には最大残業時間が170時間(全体の平均残業時間は63.26時間)だったが、
12月には79.5時間(全体の平均残業時間は36.95時間)に下がるなど、残業時間は大幅に減っているという。
女性は「3年勤務してきましたが、その間は何も変わりませんでした。
なぜ、もっと早くやってくれなかったのか」と悔しさを滲ませた。
会社は弁護士ドットコムニュースの取材に対し、「裁量労働制の適用によって、
女性が休職したことについて真摯に受け止めたい」とコメントした。

裁量労働制とは(厚生労働省労働基準局監督課)

専門業務型裁量労働制と、 企画業務型裁量労働制 があります。

専門業務型裁量労働制 

業務の性質上、業務遂行の手段や方法、時間配分等を大幅に労働者の裁量にゆだねる必要がある業務として
厚生労働省令及び厚生労働大臣告示によって定められた業務の中から、対象となる業務を労使で定め、
労働者を実際にその業務に就かせた場合、労使であらかじめ定めた時間働いたものとみなす制度です。

企画業務型裁量労働制

経済社会の構造変化や労働者の就業意識の変化等が進む中で、活力ある経済社会を実現していくために、
事業活動の中枢にある労働者が創造的な能力を十分に発揮し得る環境づくりが必要となっています。
労働者の側にも、自らの知識、技術や創造的な能力をいかし、
仕事の進め方や時間配分に関し主体性をもって働きたいという意識が高まっています。

こうした状況に対応した新たな働き方のルールを設定する仕組みとして、
事業運営上の重要な決定が行われる企業の本社などにおいて企画、立案、調査及び分析を行う労働者を対象とした
「企画業務型裁量労働制」が2000年(平成12年)4月より施行されましたが、
平成16年1月1日より、この制度がより有効に機能するよう、その導入に当たり、
労使の十分な話合いを必要とすること等の制度の基本的な枠組みは維持しつつ、
同制度の導入・運用についての要件・手続が緩和されています。

 

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