中小企業の「うつ病」対策ー人、資金、時間、情報に余裕がない

企業の労働安全衛生、特にメンタルヘルス問題に取り組んでいます。
拙著「中小企業のうつ病対策」をお読みください。

衛生委員会の設置、運営(続々編)

2018年11月08日 | 情報

衛生委員会の運営についてのノウハウです。

まずは、委員会の理念、目標の設定です。これがないと、何のための衛生委員会なのか分からなくなり、
やがて迷走化し、形骸化を招きます。
衛生委員会の議題がない、衛生委員会が停滞する、といった悩みの多くは、
何のために委員会を開催しているのかという合意がないことに原因があります。
安衛法で実施義務が定められているから、実施する、というこではマンネリ化は避けられません。

例えば、某大企業のF社には、まず就業規則の中に安全衛生規程を設け、第1に基本的理念として、
「安全の確保はすべての業務に優先するとし、
①社員にとって健康は生涯設計実現のための重要な資源である。
②会社にとっても、社員の健康はその能力を十分に発揮し、事業活動や社会生活に貢献する上での重要な資源である。
③健康は本人が自分で守るものであるが、会社はその活動を支援する。
と規定することにより、衛生委員会の活動のベースとしています。

さらに、衛生委員会を、充実させ、継続させるのは、一にも二にも事務局次第です。
事務局は、原則として、人事労務担当の従業員となるでしょう。
まず、議題は、事前に各委員に通知してください。
委員会で、いきなり議題を説明されても、何も準備していない委員は困ります。
各委員には、事前の準備と覚悟が必要ですから。そして、何よりも、委員長に議題を説明することが大切です。
そして、委員長に発言してほしいことは、事前に説明しておくことが必要です。
委員長である経営トップに困るようなことをさせてはいけません。これが、所謂「根回し」ということです。

委員会の日程や主要議題は、年間で決めておくと、何事もスムーズに運びます。
もちろん、経営トップの都合で変更することは、かまいません。
しかし、経営トップには、必ず出席してもらいましょう。
委員長の欠席、遅刻、中途退席は、委員会を形骸化させます。委員会には、常に緊張感が必要です。

委員会の議事録は、必ず公開してください。議事録を記録し、公開することは法令でも定められています。
なお、一回の議論では解決できない議題も、当然にたくさんあるはずです。
従って、その議論の経緯がわかるようにしておくことも大切です。

以上、基本を3回に亘って記しました。

 

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