中小企業の「うつ病」対策ー人、資金、時間、情報に余裕がない

企業の労働安全衛生、特にメンタルヘルス問題に取り組んでいます。
拙著「中小企業のうつ病対策」をお読みください。

労務管理の不適切さ認める

2018年11月06日 | 情報

勤務間インターバル制度の導入の必要性が叫ばれる理由です。
「男性の時間外勤務は最大月178時間に達し、退勤から次の出勤まで8分しかない異常な勤務記録もあった。」
厚生労働省では、労働環境の待遇改善の取り組みとして、勤務間インターバル制度の導入を企業に奨励しています。
働き方改革関連法の成立により、平成31年度からはこの制度の導入が努力義務とされます。

西日本高速、社員過労死謝罪へ 労務管理の不適切さ認める
10/30(火) 神戸新聞

西日本高速道路会社(大阪市)の男性社員=当時(34)=が過労死したことを受け、
同社と遺族との調停で会社側が労務管理の不適切さを認め公の場で謝罪することで合意したことが29日、分かった。
同社は男性社員が死亡した神戸市垂水区の旧社員寮の一角に慰霊碑を建立する。
男性社員は2014年10月、同社第二神明道路事務所(神戸市垂水区)に異動し、道路補修工事の施工管理などを担当した。
赴任した月から時間外労働が月100時間を超す状態が続き、うつを発症して翌15年2月に同区内の社員寮で自死した。
神戸西労働基準監督署は労働災害として認定している
遺族は、長時間労働の実態を明らかにしたいと考え、16年秋に未払いの残業代の支払いなどを求めて大阪簡易裁判所に調停を申し立てた。
約2年の調停を経て合意。同社は長時間労働によってうつ病を発症して亡くなったことや業務軽減の措置が不十分で不適切だったこと、
遺族の心情を傷つけたことを謝罪する。今後は労働時間や労働実態を正しく把握し、再発防止に努めるという。
同社は近く記者会見で合意内容を公表し謝罪するとみられる。
また、遺族側から強い要望があった慰霊碑を社員寮だった場所に設置する。社員の冥福を祈る像を安置するほか、
過重労働により社員が死亡して労災認定された事実が刻まれるという。
男性社員の母親は「これだけ問題になっていても過労死が後を絶たない。
企業も社会も一人一人の死を忘れず、胸に刻んでほしいと思い、碑の設置にこだわった。
人の死を風化させず、過労死のない社会であってほしい」と訴えている。

男性社員過労死 西日本高速の酒井社長が謝罪/兵庫県
10/31(水) サンテレビ

3年前、西日本高速道路の男性社員が過労死した問題を巡り、遺族と会社側との民事調停が成立したことを受けて31日、
酒井和広社長が公の場で謝罪しました。
男性社員は2014年10月、西日本高速道路の第二神明道路事務所に異動し、道路工事の施工管理などを担当しました。
しかし、時間外労働が月に100時間を超える状態が続き、うつ病を発症。
翌年の2月に神戸市垂水区の社員寮で自ら命を絶ち、その後、労働災害と認定されました。
遺族が2016年秋に大阪簡裁に申し立てた調停が29日成立し、会社側は男性が亡くなったのは長時間労働が原因で、
業務軽減の措置が不十分であったことを認めました。
これを受けて西日本高速道路の酒井和広社長は31日の会見で謝罪するとともに、
「労働時間の把握の徹底」を柱とした再発防止策を掲げました。
また、西日本高速道路では遺族側からの要望を受けて社員寮だった場所に慰霊碑を設置するということです。
男性の母親は調停成立を受けて、「人手不足による過大な業務量の解消に努めてほしい」と訴えています。
過労死を巡っては、母親は労働時間を減らす対策を怠ったとして去年、
当時の上司ら合わせて8人を業務上過失致死の疑いで神戸地検に告訴しています。

西日本高速で男性過労死 退勤8分後に出勤も
2016/1/25 神戸新聞

西日本高速道路第二神明道路事務所(神戸市垂水区)で道路の施工管理を担当していた男性社員(34)の自死について、
神戸西労働基準監督署が労災認定していたことが分かった。
遺族によると、男性の時間外勤務は最大月178時間に達し、退勤から次の出勤まで8分しかない異常な勤務記録もあった
同事務所は残業代の未払いで労基署から是正勧告を受けていたことも分かった。
男性は2014年10月、九州の道路事務所から赴任し、第二神明の補修、改良を担当。
15年2月、神戸市内の社員寮で自死しているのが見つかった。
転勤後から「仕事が忙しく時間がない」「体調がよくない」と家族に漏らしていたという。
遺族が第二神明道路事務所から提供されたセキュリティーシステムの入退室時刻やパソコンの使用時間から労働時間を算出すると、
転勤直後の14年10月の時間外労働は150時間、11月178時間、12月152時間、15年1月108時間だった。
夜間工事の監督業務にも従事し、14年11月4日は午前7時半に出勤し、昼と夕の休憩を挟んで翌5日午前4時59分まで勤務。
その後、午前5時7分に再び出勤した記録がある。同月は午前5、6時の退勤が4日あり、
うち3日は次の出勤までの間隔が8分、26分、2時間18分だった。
同事務所の労働時間を管理する就業管理システムには、月34~85時間の時間外勤務しか記録されておらず、
勤務実態を大幅に下回っていたため、会社側から遺族に残業代の追加支払いの申し出があったという。
他の従業員も残業代の未払いがあったとみられ、昨年、神戸西労基署が是正勧告。
西日本高速道路関西支社は勧告があったことを認めたものの、「詳細は差し控える」としている。
遺族は「こなし切れない仕事量を課され、明らかなパワハラだ」と憤り、同社に勤務状況を詳細に説明するよう求めた。
男性社員が搬送された病院で上司の課長が「業務量に対し明らかに人手が不足していた」と謝罪。
その後、所長も管理責任を認めたという。
これに対し、同支社広報課の赤井健二課長は「労災認定を重く受け止める」とするものの
「業務との因果関係について断定的なことは申し上げられない。
時間外労働、謝罪の有無にもコメントできない」と企業責任については言及を避けた。

 

 

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