中小企業の「うつ病」対策ー人、資金、時間、情報に余裕がない

企業の労働安全衛生、特にメンタルヘルス問題に取り組んでいます。
拙著「中小企業のうつ病対策」をお読みください。

訴訟で遺族と争う構え

2018年08月09日 | 情報

当事案は、既に労災認定されています。司法の場で、労災認定が覆る事例もありますから、
病院経営側は、争うことにしたのでしょうが、紙面からは、詳細な様子は分かりません。

新潟市民病院の研修医自殺 市側、訴訟で遺族と争う構え
2018年8月2日 毎日

新潟市民病院の研修医(当時37)が2016年1月に過労で自殺した問題で、
遺族が病院を運営する新潟市に損害賠償を求めた訴訟の第1回口頭弁論が1日、新潟地裁(今井弘晃裁判長)であった。
賠償額は非公表。市側は全面的に争う構えを示した。
原告代理人の斎藤裕弁護士によると、研修医は15年4月から市民病院に勤務。
同8月には時間外労働が162時間に達するなど長時間労働が続き、16年1月に自殺した。
新潟労働基準監督署は17年5月に長時間労働による過労が原因の自殺と認定している。
遺族側が昨年9月に労働審判を地裁に申し立てたが双方の主張が折り合わず、今回の訴訟に移行した。
原告側は、研修医は15年9月ごろから不眠や部屋に引きこもるなどうつ病の兆候が見られたとして、
病院は研修医の自殺する可能性を予見できたのに安全配慮義務を怠ったと主張。
一方、市側は研修医がうつ病を発症したのは自殺する直前だったとして「病院が自殺を予見するのは不可能だった」と主張している。
斎藤弁護士は裁判後の報道陣の取材に対して「うつ病の発症時期については専門医も認めている。
市側の対応は不誠実だ」と話している。また、遺族側は斎藤弁護士を通じて「市も病院も使用者責任を認め、対応策をとってほしい。
深く反省してほしい」とするコメントを発表した。

(再掲)自殺の医師「残業160時間超」労基署認定
毎日新聞2017年6月1日

遺族側弁護士が公表 自殺4カ月前にうつ病発症も
新潟市民病院(新潟市中央区)の研修医だった木元文さん(当時37歳)の自殺を巡り、
遺族側代理人の斎藤裕弁護士は1日、新潟県庁で記者会見し、新潟労働基準監督署が労災認定したことを明らかにした。
労基署は、木元さんは自殺する約4カ月前の2015年9月ごろうつ病を発症し、
その直前1カ月の残業時間が160時間を超えていたと認定した。
斎藤弁護士によると労災認定は5月31日付。遺族側は木元さんの電子カルテの操作記録から
月平均の残業時間は約187時間だったと主張。
一方の病院側は「学習の目的では労働時間に当たらない」として約48時間と反論していた。
斎藤弁護士は会見で「自己研さんも労働時間の一部だという我々の主張が採用されたと推測する。
この結果は病院が問題性に気づくきっかけになる」と強調。損害賠償訴訟も検討するとした。
木元さんの夫は、「過労死は使用者による殺人に他ならない。
(同病院は)何ら真摯(しんし)に対応していない」とのコメントを発表した。
一方、同病院の片柳憲雄院長は1日、「国において労働時間の短縮などを検討することになっている。
この議論を注視しつつ必要な取り組みを進める」とのコメントを出した。

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