中小企業の「うつ病」対策ー人、資金、時間、情報に余裕がない

企業の労働安全衛生、特にメンタルヘルス問題に取り組んでいます。
拙著「中小企業のうつ病対策」をお読みください。

間接被害も認定

2018年06月01日 | 情報

ピラミッド型の企業組織において、直接的であろうが、間接的であろうが、
上位の下位に対する影響が如何に大きいかが認められた裁判例です。
もっとも人間社会においては、従来より認識されている、極めて一般的な「常識」と考えています。

パワハラ発言、間接被害も認定 会社側敗訴が確定 
2018/5/17 日経

医療機器メーカー、フクダ電子の販売子会社(長野県)で働いていた女性4人が、
当時の代表取締役の男性からパワーハラスメントを受けたなどとして損害賠償を求めた訴訟で、
最高裁第3小法廷(林景一裁判長)は17日までに、会社側の上告を退ける決定をした。15日付。
会社と男性に計約660万円の支払いを命じた二審・東京高裁判決が確定した。
2017年10月の二審判決は、「給与が高すぎ、50代は会社にとって有用ではない」など、
原告2人に対する男性の発言について一審同様にパワハラに当たると認定。
男性の発言を見聞きした同僚の原告2人についても、間接的に退職を強要されたと認めた。
二審判決によると、男性は13年4月に代表取締役に就任し、直後からパワハラ発言を繰り返し、
不当に懲戒処分をしたり賞与を減額したりした。原告4人は同年9月末までに退職した。

パワハラ言動、見聞きした同僚にも退職強要認める 東京高裁 
2017/10/18 日経

医療機器メーカー「フクダ電子」の販売子会社で働いていた50~60代の女性4人が、
代表取締役の男性からパワーハラスメントを受けて退職を強いられたとして損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決が18日、
東京高裁であった。
畠山稔裁判長は子会社と男性に計約360万円の支払いを命じた一審・長野地裁松本支部判決を変更し、
賠償額を約660万円に増額した。
畠山裁判長は判決理由で、一部の原告に対する「人間50代になれば考えなんて変わらない」
「給与が高すぎ、50代は会社にとって有用ではない」などの男性の発言を、一審同様にパワハラに当たると認定した。
そのうえで男性から直接発言を受けていない同僚の原告についても、
「同じ職場で言動を見聞きしているから、今後自分たちにも同じような対応があると認めるのは当然」と指摘。
間接的な退職の強要行為で会社都合退職に当たるとして、退職金の差額や慰謝料を増額した。
判決によると、男性は2013年4月に代表取締役に就任した直後からパワハラ発言を繰り返し、
不当に懲戒処分をしたり賞与を減額したりした。4人は同年9月末までに退職した。
同社は「判決が届いておらず答えられない」としている。

「係長へのパワハラはその部下にも影響」東京高裁が判断
2017年10月18日 朝日

係長へのパワハラは、その部下にとってもパワハラだ――。長野県の50~60代女性4人が、
かつての勤務先で常務の男性からパワハラを受け退職を強いられたとして、
同社などに慰謝料計約1700万円を求めた訴訟の控訴審で、東京高裁がこんな判断を示した。
判決によると、フクダ電子長野販売(長野)に勤めていた女性4人は2013年4月、
常務から「50代はもう性格も考え方も変わらない」「50代は転勤願いを出せ」などと言われた。
うち係長2人は「辞めてもいいぞ」などと繰り返し言われ、4人は同年9月までに退職した。
常務に直接侮辱的な発言を繰り返されたのは係長2人だったが、
畠山稔裁判長は残る2人も「職場で見聞きし、間接的に退職を強いられた」と認め
一審のほぼ倍となる計約660万円の支払いを命じた。
一審判決は発言を受けた係長のうち1人だけが退職を強要されたとした。
原告側の上條剛弁護士は「見せしめ的なパワハラが周囲に与える影響も認めた意義ある判決」と述べた。

 

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