北京暮らしを始めてみれば ふたたび

2012年1月から再び北京生活が始まりました。(前回は2003.1~2006.1)

2024.1本帰国しました。

この国にいる限り避けられないこと

2012-08-12 17:17:40 | 北京暮らし いろいろ

昨夜、二胡のコンサートへ行ってきました。

それはそれは素晴らしい演奏だったのですが、そこで、中国にいる限り避けては通れない出来事に遭遇しました。

今日のブログは、写真もイラストもなしです。

 

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約2時間強のコンサート。 途中の休憩時間の出来事でした。

曲目などが書かれた冊子を読んでいたら、後ろの女性に肩をたたかれ

 

 

「ちょっと、それ、見せてもらってもいい?」

 

 

もちろんOKと渡したところから会話が始まり、

 

 

「中国人じゃないでしょ? 何人?」

 

「へぇ~、日本人なのになんで二胡のコンサートに来てるの?」

 

「そうなんや、二胡習ってんの? 習ってどれくらい? 誰について習ってるの??」

 

 

などなど質問攻め。

どうやら彼女の息子さんが二胡を習っているらしく、それで一緒にコンサートに来ていたらしい。

とそこへ息子さん、席に戻ってきました。

彼女、つまりお母さんがその子に「この人たち、日本から来たんだって~」と説明した次の瞬間、まだ5~6歳くらいの男の子から出た言葉は。

 

 

「日本鬼!」

 

 

固まるお母さんと私。

言うまでもなくこれは、日本人に対する最大の蔑称。

すぐにお母さんは「そんなこと言うもんじゃないの」とたしなめて、再びお母さんとの会話が始まったんだけど、その男の子が再び私に向かって。

 

 

「小日本!」

 

 

 

これも同じく日本に対する蔑称。

一度目は黙って流したけど、さすがに二度も言われるととっても悲しくなって思わず、「音楽の前では国に関係なくみんなお友達でいよう」と言ってしまいました。 向こうからしたら、お前が言うなって感じかな・・・。

 

 

結局この二度目の発言がきっかけで、お母さんとの会話はおしまいに。

 

 

休憩時間が終わり再び演奏が始まったけれど、さすがに面と向かってその言葉を聞いたショックから最初は集中できず。 それでも次第に素晴らしい二胡の演奏のおかげで気持ちが落ち着いていったのでした。

 

 

 

この国で暮らしていると、多かれ少なかれこういう場面に遭遇します。

日本人だと言った途端に口をきいてくれない人、怒りをぶつける人、2005年は目の前で反日デモを目撃しとても悲しい思いになりました。

それでもまだそれらを受け止められたのは、その相手が大人だったから。

 

 

 

ところが今回はまだ小学校に上がるか上がらないかくらいの男の子。

あの言葉にどれほどの重みがこめられているかまだきちんと理解していない様子で、ただ知っている単語を口にしたという感じでした。

 

最初こそ悲しみでいっぱいになったけど、時間が経つにつれて、この国ではあんなに小さい子供の中にも日本の固定されたイメージが植えつけられているのだと実感し、その教育に改めて恐ろしさを感じたのでした。

 

 

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北京での毎日は楽しいことや新鮮なこと、面白いことであふれているけれど、こうした出来事に遭遇することも全部含めて、中国で暮らすということなんですね・・・。