HageOyaji通信

進路指導ガイダンスの一環として、高校生が≪生き切る力≫を持った自立型人間へのアドバイス、サジェッション・・・になれば

第857話≪「平成21年国民生活基礎調査」から≫

2010年05月31日 | 一般情報
 高校生のみなさん、(^◇^)ノ お~ぃ~ゲンキか!

 みなさん、「国民生活基礎調査」の目的を知っていますか?

 厚生労働省のホームページからこの調査目的を抜粋しますと、

 ≪保健、医療、福祉、年金、所得等国民生活の基礎的事項を調査し、厚生労働行政の企画及び運営に必要な基礎資料を得ることを目的し、昭和61年を初年として3年ごとに大規模な調査を実施し、中間の各年は小規模な調査を実施する≫

 即ち、平成21年は中間年です。そこで「平成21年国民生活基礎調査の概況」から国民の「生活意識の状況」のグラフを抜粋して見ます。詳細はクリックしてみてください。

  ◆児童の有(児童数)無別にみた世帯数の構成割合の年次推移
   児童のいる世帯⇒1232万3千世帯(全世帯の25.7%)
    世帯構造別では、
      「夫婦と未婚の子のみの世帯」⇒849万9千世帯(児童のいる世帯の69.0%)
      「三世代世帯」⇒243万6千世帯(児童のいる世帯の19.8%)

          

  ◆生活意識の状況

  ・生活意識別世帯数の構成割合の年次推移
   生活意識別世帯数の構成割合で、
     「苦しい」(「大変苦しい」と「やや苦しい」)⇒ 58.1%、
     「普通」⇒ 37.9%
   年次推移をみると、「苦しい」と答えた世帯の割合は、近年、上昇傾向

          

  ・全世帯及び特定の世帯別にみた生活意識別世帯数の構成割合
   特定の世帯の生活意識別世帯数の構成割合で「苦しい」と答えた世帯の割合は、
     「児童のいる世帯」⇒ 63.4%、
     「高齢者世帯」⇒ 56.3%

          

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第856話≪「ホワイトスペース」など新たな電波の活用とは?≫

2010年05月28日 | 時事用語
 高校生のみなさん、(^◇^)ノ お~ぃ~ゲンキか!

 みなさん、「ホワイトスペース」という聞きなれない言葉を聞いたことがありませんか?

  既にご存じの通り、2011年7月地上テレビジョンアナログ放送終了し、デジタル化へ完全移行しますね。即ち、地上テレビジョン放送のデジタル化による空き周波数を利用した新サービスの登場なのです。

 ホワイトスペースとは、
 ≪放送用などある目的のために割り当てられているが、地理的条件や技術的条件によっては他の目的にも利用可能な周波数≫

 ホワイトスペースの活用可能性への期待し、魅力あるまちづくりや地域雇用の創出などの社会的効果、経済的効果が期待されています。

 ホワイトスペースの活用可能性への期待とは、

     ◆地域の絆の再生
     ◆暮らしを守る雇用の創出
     ◆新たな電波の有効利用によるグリーンICT

 なのです。

 総務省は全国にこの利用方法を広く求めています。「ホワイトスペース」の活用など新たな電波の有効利用の促進されるといいですね。

 そこで、現在集まった提案例をピックアップしてみましょう・・・

  提案例1:地域コミュニティ向け情報提供サービス
  提案例2:災害・防災・被災地情報
  提案例3:観光
  提案例4:交通機関
  提案例5:商店街(広告サービス)
  提案例6:大学
  提案例7:家庭内・オフィス内(家庭内ブロードバンド)
  提案例8:環境サービス
  提案例9:紙メディアのデジタル配信

 などがあがってきています。詳細は総務省「ホワイトスペースなど新たな電波の活用に向けて」をクリックしてお読みください。


 「ホワイトスペースに対するインテルの期待」をクリックし、「ホワイトスペースでのワイヤレスアクセス新しい市場を作る」話題を見てください。即ち、「ホワイトスペース」は、部屋の中で机の上からPCでネットに接続する、のではない、オープンな生活空間からネットにアクセスする可能性に道を開くのが「ホワイトスペース」・・・・・。

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第855話≪「写真でみる学校説明会」(JSコーポレーション⇒日本の学校ニュース)から≫

2010年05月26日 | 引用伝授
 高校生のみなさん、(^◇^)ノ お~ぃ~ゲンキか!

 みなさん、JSコーポレーションは≪雨の日でもパソコンでオープンキャンパスを楽しもう≫を、「日本の学校」ホームページ上に「写真でみる学校説明会」を立ち上げています。

 是非、オープンキャンパスや説明会への参加を考えているみなさん、出かける前にクリックし、情報を高めてから出かけましょう・・・・・

 現在144件の大学など学校を掲載しています。

 
 HageOyajiは明日から≪夢(Eco)の国≫での学会に参加します・・・・・・が、世界中インターネットは繋がっているので、できるだけ継続配信しますよ(⌒0⌒)/~~ ほんじゃ!

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第854話≪「平成22年3月高等学校卒業者の就職状況」(文部科学省&厚生労働省)≫

2010年05月24日 | 一般情報
 高校生のみなさん、(^◇^)ノ お~ぃ~ゲンキか!

 みなさん、「平成22年3月高等学校卒業者の就職状況(平成22年3月末現在)」に関する調査について文部科学省と厚生労働省から5月21日に公表されました。

 何故、同じ調査が二か所から出ているかは下記の調査対象の違いからです。

 「文部科学省の調査」 ⇒ 公務員志望や自営業などを含む就職希望者全員が対象
    ≪平成22年3月高等学校卒業者の就職状況(平成22年3月末現在)に関する調査
      ≪就職内定率 ⇒ 91.6%(前年同期比1.6ポイント減)≫
 
 「厚生労働省の調査」 ⇒ 学校やハローワーク経由で就職を希望した生徒が対象
    ≪平成21年度高校・中学新卒者の就職内定状況等(平成22年3月末現在)≫     
      ≪就職内定率 ⇒ 93.9%(前年同期比1.7ポイント減)≫

 で、文部科学省の調査は母数が多いのです。


 先に、文部科学省の調査≪平成22年3月高等学校卒業者の就職状況(平成22年3月末現在)に関する調査≫から主な点を抜粋しますと、

  ◆平成22年3月末における高等学校卒業者の就職率
    (就職者の就職希望者に対する割合) ⇒ 91.6%
     昨年同期から1.6ポイント下降

  ◆男女別
     男子 ⇒ 94.1%(昨年同期比1.4ポイント下降)
     女子 ⇒ 88.2%(昨年同期比2.0ポイント下降)

  ◆学科別
     就職率の高い順に、
        「工業」 ⇒ 97.0%
        「情報」 ⇒ 94.9%
        「福祉」 ⇒ 94.9%
        「農業」 ⇒ 93.6%
        「水産」 ⇒ 93.3%
        「商業」 ⇒ 93.0%
        「総合学科」⇒90.7%
        「家庭」 ⇒ 89.5%
        「普通」 ⇒ 86.6%
        「看護」 ⇒ 80.8%
  ◆都道府県別
    就職率の高い順に、
       富山県 ⇒ 98.1%
       福井県 ⇒ 98.1%
       新潟県 ⇒ 97.9%
       石川県 ⇒ 97.7%
       秋田県 ⇒ 97.4%

    就職率の低い順に、
       沖縄県 ⇒ 75.9%
       北海道 ⇒ 79.3%
       大阪府 ⇒ 86.2%
       高知県 ⇒ 86.2%
       神奈川県 ⇒ 87.1%


 次に、厚生労働省≪平成21年度高校・中学新卒者の就職内定状況等(平成22年3月末現在)≫からポイントを抜粋して見ますと、

 ≪高校新卒者≫
  ◆就職内定者数 ⇒ 14万4千人(前年同期比15.6%減)
   就職内定率 ⇒ 93.9%(前年同期比1.7ポイント減)
     (就職内定率は過去7番目に低い水準)
   就職内定率の男女別、
      男子 ⇒ 95.5%(前年同期を1.5ポイント減)
      女子 ⇒ 91.7%(前年同期を2.0ポイント減)
 
  ◆求人数 ⇒ 19万8千人(前年同期比38.6%減)

  ◆求職者数 ⇒ 15万3千人(前年同期比14.1%減)

  ◆求人倍率 ⇒ 1.29倍(前年同期比0.52ポイント減)

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第853話≪転職理由ランキング2010年版(転職・求人DODAから)≫

2010年05月21日 | 引用伝授
 高校生のみなさん、(^◇^)ノ お~ぃ~ゲンキか!

 みなさん、2010年度版の「転職理由ランキング」が株式会社インテリジェンスが配信している「転職・求人DODA」に発表されています。

 特に、エンジニアは「倒産・リストラ」、営業職は「残業が多い・休めない」ことに不満 もち転職組。転職理由は景気回復とは裏腹に、「会社の先行き不安」が最多ですね。

 そのランキングを抜粋しますと、

 順位    転職理由        割合   前年度順位&割合
 1位  会社の将来性が不安     14.7%    1位(12.9%)
 2位  他にやりたい仕事がある   10.6%    2位(11.3%)
 3位  倒産・リストラ・契約満了   7.6%    5位(6.2%)
 4位  給与に不満がある       7.2%    4位(7.3%) 
 5位  専門知識・技術力を習得したい 6.8%    3位(7.4%)
 6位  残業が多い、休日が少ない   4.4%    6位(5.4%)
 7位  幅広い経験や知識を吸収したい 4.1%    8位(4.2%)
 8位  業界の先行きが不安      3.7%    9位(3.3%)
 9位  市場価値をあげたい      2.9%    12位(2.3%)
 10位  I/Uターンしたい       2.6%    10位(2.4%)


 以上の結果から気になりますのは、「会社の将来性に不安」や「倒産・リストラ・契約期間の満了」という転職理由は、割合が前年より増えていることですね。

 又、「市場価値を上げたい」という人の割合も増えているのも気になりますね。多分、「会社・組織に頼らず自身の市場価値を高め、どの企業からも求められる人材になりたい」といった転職者の動きですね。


 解説の中に「日経平均株価と有効求人倍率の推移」を取り上げていますので、抜粋しますと、

 ≪雇用の回復は景気回復よりも遅れてくるため、「倒産・リストラ・契約期間の満了」も株価と有効求人倍率の推移からも、求人の動きは株価の推移よりも1~2年ほど遅れていることがわかる≫

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第852話≪高校生とコンビニエンスストアが商品開発(3品目)し、明日から店頭販売≫

2010年05月19日 | 一般情報
 高校生のみなさん、(^◇^)ノ お~ぃ~ゲンキか!

 みなさん、高校生のグループがコンビニエンスストアと組んで、商品開発を行い、明日からその商品が店頭に並ぶそうです。

 その高校とは、文部科学省が「学力の把握に関する研究」で研究指定校を受けています新潟県立新発田商業高等学校です。

 このプロジェクトは昨年12月から地産地消企画「新発田産アスパラ使用商品共同開発」を組み、ついに下記の3品目:

   ◆「新発田産アスパラの和風パスタ」(398円)
          

   ◆「新発田産アスパラ入りピラフ」(420円)
          

   ◆「新発田産アスパラ入りピラフのおにぎり」(120円)
          

 をコンビニエンスストア大手のサークルKサンクスと共同開発し、明日(20日)から~6月9日の期間限定で新潟県内のサークルK96店舗で販売にこぎつけています。
 商品は、生徒のアイデアを生かし、シャキシャキした独特の食感が楽しめるよう意識し、パッケージに生徒手書きの商品名などのデザインを取り入れているそうです。

 新潟県立新発田商業高等学校の教諭が生徒に商品企画させる目的と、地産地消に取り組むサークルKサンクスが、新潟県特産のアスパラガスを材料に商品開発を提案し、生徒からメニューを募集し、多くのアイデアの中から上記の3点が商品化が決まり、今回発売に至ったようです。

 サークルKサンクスは販売目標を、おにぎり1万2000食、パスタとピラフが各4000食をたてているそうです。

 みなさんの学校でこのような企画がありましたらお知らせください。

 HageOyajiも新潟まで行って食べてみたいな・・・・・・

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第851話≪「大学生の就職戦線好転は2012年」?(第一生命経済研究所 経済調査部レポートから)≫

2010年05月17日 | 引用伝授
 高校生のみなさん、(^◇^)ノ お~ぃ~ゲンキか!

 みなさん、嬉しいレポートがありましたよ。

 「大学生の就職戦線好転は2012年」からだとすると、高校生の就職戦線好転も同じ時期からかな・・・・・

 詳細は、「大学生の就職戦線好転は2012年~団塊世代の大量退職が後押しも、国力の弱体化につながる深刻な問題も~」のレポートをクリックして読んでください。

 このレポートでは、2012年頃の景気動向にもよるが、少なくとも人口動態面から見れば、2012年には団塊世代の退職が新卒採用の押し上げ要因となることが期待されると・・・・・

 即ち、2012 年には団塊世代が65 歳の年金支給開始および雇用継続義務化が終了する年齢になることからすれば、団塊世代の大量退職が起こる可能性が高い。つまり、本当の意味で団塊世代が大量退職するのは2012 年問題といえる・・と。

 しかし、今後の採用活動においては、企業のグローバル展開の進展により、企業が求める人材も今後は高度化する可能性がある・・・と。

 既に、企業は新興国への展開を進めており、今後の低スキル労働は今まで以上に国外に移転していく可能性が高い。こうなると、国内で必要な労働力は必然的に高スキル労働の比率が高まる。つまり、企業が成長していくためにはより高い技術や知識を持つ人材こそが今まで以上に必要となる。これは、大学生がただ大学を出ただけでは仕事にありつけなくなる可能性が高まることを意味する。若者の理系離れが起こり、深刻な状況になっている。理工学生の減少は専門分野の人材不足につながるため、日本の発展にとって重大な問題。

 以下にこのレポートの要旨を抜粋しますと、

  ◆今春の就職内定率は過去最低の数値になった可能性が高く、現在の新卒偏重型の採用システムでは、大学卒業時に就職できなければ正規雇用への道は一層遠のく懸念がある。

  ◆2010 年における企業の採用計画数は前年12 月調査時点で35.4 万人で、ピークだった1991年の187 万人と比較すると5分の1以下である。新卒採用が絞られやすい背景には、正社員を解雇しにくい日本特有の雇用慣行がある。ただし、2012 年には団塊世代が65 歳の年金支給開始や雇用継続義務化が終了する年齢になるため、団塊世代の大量退職が新卒採用の押し上げ要因となることが期待される。

  ◆日本は景気の回復が新卒採用につながるまでに時間がかかるという問題もある。米国では、従業員を解雇しやすいことから企業は過剰雇用を抱えないため、景気が回復して企業業績が上向けば雇用にも反映されやすい。これに対し、日本は正社員の雇用が守られる一方で余剰人員を抱え込むことにもなり、景気が回復しても雇用の回復に時間がかかる。ただ、前回の景気回復局面のケースを当てはめれば、我が国も2012 年頃には企業の雇用過剰感が解消に向かう可能性がある。

  ◆ただ、我が国では学生側の問題として若者の理系離れが起こり、深刻な状況になっている。理工学生の減少は専門分野の人材不足につながるため、日本の発展にとって重大な問題といえる。また、若年雇用の悪化により、更なる世代間格差の広がりも懸念される。特に、若年層の収入の低下は結婚や出産の抑制を招き、少子化問題を悪化させる等、長い目で考えれば国力の弱体化につながる。政府には、少子化の根本的な問題である若年雇用の問題にも積極的な政策対応が望まれる。

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第850話≪高知工科大学が「特待生制度奨学金」で優秀な学生を確保≫

2010年05月14日 | 一般情報
 高校生のみなさん、(^◇^)ノ お~ぃ~ゲンキか!

 みなさん、日本で初めて私立大学から公立大学へ変わった「高知工科大学」を知っていますか?

 高知県には、大学工学部がありませんでいたので、高知県のハイテク産業浮揚希望を担って、高知県により平成9年公設民営方式で私立大学として創設しましたが、平成21年4月に公立大学法人化により県立大学へ移行しています。学校教育法による大学で4年制私立大学を公立大学に転換する全国初の事例となったのです。

 この大学は今までの日本の大学慣習とは一線を画したところがあり、学生による授業評価や研究業績を直接的に教員評価教員処遇に反映させる教員任期制再任制度などを取り入れています。

 又、高知工科大学は、アメリカ景観建造物協会優秀賞、公共建築賞優秀賞を受賞しており、「日本一美しいキャンパス」も持ち合わせています。

 このユニークな高知工科大学は、「高知県内高等学校出身者授業料等免除の制度」「トミナガ奨学金」等がありましたが、更に「特待生制度」を創設しており、平成22年度に入学した県外出身の女子学生1人が、特待生第1号となっています。

 この高知工科大学「特待生制度」は平成22年度から、新入生を対象に、入学金30万円(県内の学生は15万円)、年間授業料53万5800円が全額免除され、月額10万円の奨学金を支給する制度です。

 但し、特待生は、毎年度末において、次の2つの要件を満たしていなければ、その翌年度の資格を失います。
 ① 入学時からの履修登録した全ての科目のうち、成績評価AAを4、Aを3、Bを2、Cを1、Fを0としたときの、1単位当たりの平均値が2.8以上であること。
(本学以外での履修により認定された単位は算定されません)
 ② 1年次終了時の取得単位数が35単位以上、2年次終了時の取得単位数が70単位以上、3年次終了時の取得単位数が100単位以上であること。

 さ~~ぁ、みなさんも県外出身の女子学生・特待生第1号に続きませんか・・・・・。


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第849話≪溜池通信 vol.442「日本企業とモノづくりの現在」双日総合研究所 吉崎達彦≫

2010年05月12日 | 引用伝授
 高校生のみなさん、(^◇^)ノ お~ぃ~ゲンキか!

 みなさん、特に「ものづくり教育」を受けているみなさん、20世紀までの日本は「職人」が支えてきましたね。良くも悪くもです。
 職人の人生設計にとって、金儲けにかまけるのは評判を落とす原因、一方腕はいいのに客がつかないのは困ります。全ては、バランスが大事です。
 今、日本国全体がこのジレンマに直面していませんか?

 この問題を解くカギに双日総合研究所 吉崎達彦氏の「日本企業とモノづくりの現在」エッセイが記載されていますので、下記に抜粋しておきますので、時間があります時にお読みください。


    溜池通信 vol.442 Biweekly Newsletter April 30. 2010
           双日総合研究所 吉崎達彦

        特集:日本企業とモノづくりの現在

 ●日本人は「職人」が大好き
 「モノづくり」というテーマを考えているうちに、ふと思い浮かんだのはその昔、当社の某役員氏から聞いたエピソードである。
 戦中派の某役員氏は、仕事も遊びも徹底する人だった。趣味のバイオリンのために、ン百万円の名器を買った人といえば、分かる人にはすぐ分かってしまうだろう。麻雀も大好きであった役員氏は、ある日、自宅用の麻雀卓を買おうと思い立った。もちろん買うからには一流品でなければならず、早速その道のプロを探し当てた。

 噂の職人を訪ねて下町に行くと、まるで日本テレビ系列『沿線ぶらり旅』に出てくるような町工場が現れた。門を叩くと、これまた絵に描いたような偏屈オヤジが現れた。このオヤジがあまりに傲慢な態度を示すものだから、役員氏は半分呆れながら、柄にもなく低姿勢になってしまった。
 「麻雀卓を作っていただきたいのですが、いつ頃できますでしょうか」
 「ふん、気が向いたら、作ってやるわさ」
 
 これは話にならんと、役員氏は早々に退散したのであった。しばらくたってから、職人から「おい、出来たぞ」という電話があった。早速、仕事場に参上すると、限りなく芸術作品に近い木製工芸品が出来上がっていた。単に麻雀をするだけの道具とはとても思えない。点棒箱を開けるとカチンという綺麗な音がする。あまりの出来栄えに惚れぼれとして、役員氏はまたまた低姿勢になってしまった。

 「いかほどお支払いすればよろしいでしょうか」
 「ふん、値段は適当に決めればいいわさ」

 役員氏は、百万円を置いて立ち去ったそうである。

 このような話、おそらくこの国では昔から、いろんな場所で繰り返されてきたに違いない。「仕事一筋で、人間関係には横柄で、カネには関心の薄い職人」というのは、古くからの美しい日本人の一つの典型ではないかと思う。左甚五郎からイチロー外野手まで、いつの時代でもこういうタイプの職人がいて、得てして歴史に残るような仕事をしてくれる。そして彼らは、概して世の中からは愛されていたのである。
 よく、「日本社会は変人を排除する」などという人がいるけれども、あれは断じて間違いであろう。学者であれ、スポーツマンであれ、板前であれ、プロフェッショナルでありさえすれば、この国は変人を大胆に許容してくれる。もちろん尊敬すべき仕事をしていることが条件だが、「あの人は職人だから」となれば大概のワガママは許してもらえる。
 日本史上のどの時代を振り返ってみても、奇人変人は枚挙に暇がない。彼らが思う存分腕をふるうから、この国の歴史には画期的な発明やイノベーションが尽きないのだろう(日本人がそのことに対して無自覚なほどに!)日本の歴史を切り拓いてきたのは、あるいは日本経済をここまで押し上げてきたのは、偉大なる変人パワーであったと思うのである。

 ●「職人」が生き残るための作法
 と、ここで話は麻雀卓づくりの達人に戻る。百万円という報酬が妥当なものであったかどうかは不明だが、おそらくこの偏屈オヤジは、そのような些事には関心がなかったのであろう。金儲けや栄達にはもとより興味はない。この役員氏のように酔狂な客が、評判を聞きつけて次々やってくるから食うには困らない。納期未定で引き受け、気が向いたら仕事をする。自分が満足できる作品が出来れば、それが最高の報酬である。

 このように考えると、この偏屈オヤジはある意味、最高の生き方をしている。自分は価値のある人間であることを知っていて、自分が最高だと思うものだけを作っていればいい。自分の仕事のクオリティを、いちいち他人が支払うカネの多寡で図る必要はない。ここまで来ると職人というよりは芸術家の域に近い。そもそもこの麻雀卓も、工業製品というよりは工芸作品と受け止めるべきであろう。
 その一方で、この偏屈オヤジは幾多のリスクを抱えている。全自動卓が流行して、木製の麻雀卓など誰も見向きもしなくなるかもしれない。麻雀自体が廃れてしまう恐れだってある。自分が怪我をするなどして、満足できる作品が作れなくなる危険だってあるだろう。
 もっともそんなことを気にするようでは、芸術家としては失格である。芸術家たるもの、末路哀れは覚悟の上でなければならない。
 この場合、個人としての最適解は、職人と芸術家の中間で人生を設計することであろう。
 つまり、「食うための仕事」と「仕事のための仕事」のバランスを考えることである。

 前者は口を糊するためであるから、Customer satisfaction を重視する仕事となる。営業力やマーケティング力が必要となる。かの偏屈オヤジのように、「ふん、気が向いたら、作ってやるわさ」といった態度は禁物である。ときには、客の好みに合わせて作品のレベルを下げることだってあるだろう。「ふん、値段は適当に決めればいいわさ」も論外で、プライシングは重要な行為である。作り手は、客の懐具合に無関心であってはならない。

 後者は自分の腕を磨くための真剣勝負であって、そこは限りなく Self-satisfaction の世界となる。もちろん、この手の仕事を成立させるためには、見る目のある金持ち客が一定数以上いなければならない。芸術家が生きていくためにはパトロンが必要なのだ。そしてこういう仕事こそが、作り手の品質力を向上させることになる。
 どちらかに偏ると、金儲けにかまけて評判が落ちてしまったり、腕はいいのに客がつかなかったりという状況を招いてしまう。プロフェッショナルという人種は、誰でも多かれ少なかれこの辺のことを意識しているのではないかと思う。

 ●職人国家・日本が陥った罠
 とまあ、以上は言わずもがなの話である。なぜこんなことを長々と書いてきたかと言うと、最近の日本企業、特に製造業が、この偏屈オヤジの「なれの果ての姿」に近づいているように思うからである。
 オヤジが作っている製品は確かに高品質であるが、以前に比べて腕が落ちている気配がある。 以前はそんなことはなかったのに、最近は客にはっきりと「お宅は高い」と言われるようになった。数少ないQuality Conscious な金持ちだけを相手にしているうちに、世間の大多数を占めるPrice Conscious な消費者の気持ちが分からなくなってきた。オヤジは相変わらず自分の仕事ぶりに自信を持っているのだが、実入りは確実に減少していて、内心では不安を感じ始めている。実は後継ぎが育っていないという問題もあったりする。

 心に不安を抱えていると、人はつい「強がり」を口にするようになるものだ。最近、「日本の未来はけっして暗くない」と強調する意見の中に、単純な事実誤認や手前勝手な理屈が混じっていることが増えたような気がする。最近では以下のような言説を聞くたびに、首をかしげている次第である。

  1. 日本製品の品質は世界一。新幹線やウォシュレットを海外に売り込もう。
  2. これからはアジアの時代。アジアで日本製品に対する需要が増えるはず。
  3. これからは環境重視。環境技術に優れた日本製品に対する需要が増えるはず。
  4. 世界は新重商主義の時代だ。日本が得意な官民連携で難局を乗り切ろう。

 もちろん、これらの議論が間違っているわけではない。というより、是非、このようにありたいものである。が、これらを実践するのであれば、下記のような点にも十分に思慮をめぐらす必要があるだろう。

 * 品質:われわれが消費者としてモノを買うときは、かならずQuality とPrice を天秤にかけて考えるはず。ところが日本企業は、Quality という単一の物差しでモノづくりをしていないか。例えば、新幹線の売り物は「40 数年間死者ゼロ」の安全性だが、おそらく新興国における交通インフラのニーズは、「ときどき事故や遅延が起きてもいいから、もっと安い方がいい」であろう。「いいものだから買ってもらえるに違いない」という思い込みは、ときには傲慢な勘違いとなる。どんなに多機能であっても、1 台6万円以上もする携帯電話を買ってくれる国は、日本以外にはあり得ない。

 * アジア:「今のアジアで不景気なのは日本と北朝鮮だけ」などと言われる。しかしそもそも日本は本当にアジアなのか。あるいはわれわれはどの程度、アジアを知っているといえるのか。世界経済を先進国と新興国に分けるなら、今の日本は明らかに沈滞ムードの先進国側であり、元気のいい韓国や台湾企業が属する新興国側にはいない。リーマンショック以前の日本の製造業は、先進国向けのハイエンド商品である程度潤ったものの、今は大胆なシフトチェンジが必要になっているのではないか。

 * 環境技術:エコカー減税やエコポイント制は、買い替え促進を行うことによって、かえって環境負荷を高めているかもしれない。ことほど左様に、環境技術の問題はスタンダード作りが重要になる。ところが国際的な環境保護のルール作りに対して、日本はどの程度参加していると言えるのか。

 * 官民連携:『官僚たちの夏』や『不毛地帯』の時代は遠くなり、今や「官」は公務員倫理規程に縛られ、「民」は怖くてお上を頼れなくなっている。そもそも国際商談において他国が挙国一致体制を作れるのは、国内の有力企業が絞り込まれているから。総合電機が9 社もあり、原発の方式も東京電力と関西電力で違うこの国で、どうやって「オールジャパン」体制を作れるのだろうか。

 ●ガラパゴス化する日本経済
 日本企業のこれら問題点に対し、最近は「ガラパゴス化」というキーワードが与えられている。確かに「下町の偏屈オヤジ」よりは、その方が聞こえはよさそうだ。以下、吉川尚宏氏の『ガラパゴス化する日本』(講談社現代新書)の説明をお借りしよう。

 ガラパゴス諸島とは、南米エクアドルの西方 900 キロにある島々で、ガラパゴス・イグアナなど、独自の進化を遂げた動物が生息することで知られている。大陸から離れているために、外来種の生き物は滅多にこの島には辿り着かない。その大半は草食動物であり、陸にすむ哺乳類はほとんどいない。そのために互いに捕食しあって絶滅することはなく、長期間にわたって独自進化が可能になった。

 この状況が「今の日本」と似ているのではないだろうか。
  ① 製品:日本企業が作り出すモノやサービスが他国で通用しない。
  ② 国 :日本という国が孤立し、鎖国状態になるリスクがある。
  ③ 人 :若い世代を中心に、外に出たがらない「草食系」のおとなしい日本人が増えている。

 かつての日本企業は、世界で最も要求水準の高い 1 億人の国内市場によって鍛えられてきた。日本で勝てるモノやサービスは、海外でも文句なしに通用した。ところが今ではむしろ、日本独自のルールや商慣習が国際化を阻んでいる。以前であれば、「世界第2 位の経済大国」のステータスはそれなりに高かったので、他国が「日本の都合に合わせてくれる」こともあった。しかし少子高齢化で国内市場が縮小し、世界経済に占める日本のシェアが漸減する中では、「異質な日本製品」はまったく通用しなくなる怖れがある。
 吉川氏は、同書の中でガラパゴス化の商品・サービスとして以下の実例をあげている。

 携帯電話端末、PHS、ディジタル放送、デビットカード、非接触型IC カード、電子マネー、お財布ケータイ、カーナビ困ったことに、これらは日本の産業界が得意だと自負している分野で生じている現象である。

 上記サービスは国内市場において、コスト面はさておき、少なくとも機能面では概ね好評を得ているはずである。ところが、「いいものだから、海外でも売れるはず」とはならない。むしろ、「良過ぎるから、海外では通用しない」となってしまう。他方、日本の消費者にとっては、国際標準のモノやサービスが「物足りない」と感じられてしまう。結果として内外の仕様の差がどんどん広がってしまう。かくして日本はガラパゴス化へまっしぐら、というわけだ。

 ●日本企業に求められるのは「地動説」
 「職人国家・日本」が不調に陥っている間に、躍進を続けているのが韓国企業である。こちらは日本のガラパゴス化とは正反対に、積極的に海外市場を目指した動きが功を奏している。以下は、本誌4 月2 日号で掲載して多くの反響をいただいた「法則」だが、「韓国に負けている」となると、日本企業には急に緊張感が働く(本気になる)ようである。

 ○日本企業が韓国企業に負ける7 つの理由
  1. 韓国企業は基礎研究にカネをかけない。日本企業は無駄な投資が多い。
  2. 韓国企業は新興国市場で大胆に動いているが、日本企業はコンプライアンス過多で自縄自
縛になっている。
  3. 韓国企業は実効税率が低く、内部留保が多いから投資額も多い。日本の法人税は高過ぎる。
  4. 韓国企業は寡占体質だが、日本企業は国内の競合相手が多く、国際的にみて規模が小さい。
  5. 韓国企業はオーナー社長の即断即決で物事が進むが、日本企業は意思決定が遅い。
  6. 韓国企業は大胆に若手社員を海外に出しているが、日本では若者が海外に行きたがらない。
  7. 韓国企業は危機感が強く官民連携も盛ん。日本は国内市場があるので国際競争に対して本
気になっていない。

 内田樹氏の『日本辺境論』(新潮新書)によれば、日本人とは「常にどこかに『世界の中心』を必要とする辺境の民」であるという。ここではその議論に深入りする紙幅はないが、おそらくその認識は正しいのではないかと思う。

 モノづくりの世界においても、かつての日本企業は「追いつき、追い越せ」であった。
自分たちは世界の中心にいるわけではなく、正しい姿、あるべき理想は常に国境の外側にあった。「日本製品の品質は世界一」などという認識が広がったのは、バブル期以降のたかだかここ20 年くらいの現象である。

 ところが今では技術やモノづくりの話になると、辺境の民であった日本人がなぜか天動説のような世界観を持っている。だから、「日本製品は海外でも売れるはず」といった発想が幅を利かせてしまう。しかし職人たるもの、もっと謙虚であるべきではないだろうか。

 冒頭に述べた比喩でいうと、職人国家・日本は「仕事のための仕事」ばかりをやって「食うための仕事」をしていない。ゆえに海外の顧客が見えなくなっている。
 品質というと、われわれはついモノやサービスという商品のクオリティばかりに目が行ってしまう。しかし本来、企業が問われているのは、マーケティング力や営業力も含めた経営全体の品質であるはず。「商品力では勝っていたんですが、商談では負けました」というのでは困ってしまう。求められているのは、「地動説」への回帰である。

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第848話≪「消費者物価指数における高校授業料無償化の影響」(総務省統計局発表資料)≫

2010年05月10日 | 引用伝授
 高校生のみなさん、(^◇^)ノ お~ぃ~ゲンキか!

 みなさん、総務省統計局が「消費者物価指数(CPI=Consumer Price Index)」を毎月作成しているのを知っていますね。

 総務省が毎月発表する小売物価統計調査を元に作成される指標で、物価指数の一つで、昭和21年(1946年)8月に開始され、昭和30年以降、5年ごとに基準時を改定してきています。
 同時に基準年における主な改廃品目があり、時代を反映しております。

 例えば、現在の基準年、平成17年には、

 ≪主な追加品目
 チューハイ、すし(回転ずし)、システムキッチン、キッチンペーパー、サプリメント、カーナビゲーション、移動電話機、 専門学校授業料、テレビ(薄型)、DVDレコーダー、録画用DVD、DVDソフト、プリンタ用インク、放送受信料(ケーブル)、フィットネスクラブ使用料、温泉・銭湯入浴料、エステティック料金、傷害保険料

 ≪主な廃止品目
 指定標準米、ミシン、婦人服地、ビデオテープレコーダー、鉛筆、ビデオテープ、月謝(洋裁)、 電気かみそり(輸入品)

 「消費者物価指数(CPI)」とは・・・を総務省の消費者物価指数の説明では、

 ≪全国の世帯が購入する家計に係る財及びサービスの価格等を総合した物価の変動を時系列的に測定するもの。すなわち家計の消費構造を一定のものに固定し、これに要する費用が物価の変動によって、どう変化するかを指数値で示したもの≫

 ◆作成方法
  小売価格調査:
   全国から167市町村を選び、小売価格はその中で代表的な小売店やサービス事業所30,000店舗、家賃は約25,000世帯、宿泊料は約530事業者を対象として調査している。価格は実際に販売している小売価格(特別セール売り等は除外)。
  指数品目:
   消費者が購入する商品及びサービスの物価変動を代表できるように家計支出上重要である
価格変動の面で代表性がある継続して調査が可能である
 という観点から選んだ平常小売価格596品目及び、持ち家の帰属家賃4品目の合計600品目を対象としています。

 さて、今回特に取り上げてみましたのは、「消費者物価指数における高校授業料無償化の影響」-東京都区部 平成22 年4月分(中旬速報値)結果-が掲載されています。

 平成22 年4月から導入された公立高等学校の授業料無償化・高等学校等就学支援金制度(高校授業料無償化)の消費者物価指数への影響については,上記をクリックしてお読みください。

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