医科栄養学・栄養医学ブログ

医学部で医科栄養学を学んだ経験と最新の栄養医学をこのブログに反映したいと、考えています。

遺伝子変異による老化と病気での酸化ストレスの影響について 栄養医学ブログ 日本ビタミンC研究会 藤井毅彦

2013-11-07 22:23:49 | 健康・病気

遺伝子の変異は、いろんな疾患で見られますが、老化においても見られることが、いろんな研究において明らかになりつつあります。そこで、遺伝子変異の主たる原因の、フリーラジカルによる体内での酸化ストレスを、抗酸化栄養素などで防ぐことにより、いろんな疾患や老化の予防につながると、考えます。今回は、それらについて考えていきたいと思います。

Proccedings of the National Academy of Sciences(September 6-12、2009)誌によると、体の遺伝子材料に及ぼす酸化ダメージの影響は、老化、ガン、それにその他の体不調などをもたらす遺伝子変異の原因となります。

オレゴン州立大学、インデアナ大学、フロリダ大学、それにニュ―ハンプシャー大学などの研究者らは、回虫Cの250世代にわたって、それらの遺伝子変異を追跡しました。それはヒトでは5000年に相当します。それらの回虫では、391の遺伝子変異が集められました。それは、
同じような研究で発見されたものより、10倍より多く、突然変異の大部分は、特に、酸化によるダメージに敏感なDNAのニュークレオチドである、グアニンと関係していました。

地球上のほとんどの生命は、いろんな形で酸素に依存しています。そのことがエネルギー産生には都合が良いのです。しかし、酸素依存には高い代償を払っています。なぜならば、酸素を使うプロセスは、100%効率的でありません。そして、その際、どうしてもフリーラジカルが発生します。そのことが積もり積もって、ガンを始めいろんな疾患や老化の原因になり、命を脅かします。したがって、抗酸化栄養素の摂取やフリーラジカルを発生させない生活習慣が求められます。

次に、酸素が100%効率よく利用され、フリーラジカルを発生しないという事は、あり得ません。したがって、発生したフリーラジカルは、蛋白質、脂肪、それにDNAなどにダメージを与え、疾患の芽を生みます。そして、年齢と共にその芽は大きくなり、やがて病気や老化をもたらします。

動物の遺伝子変異は、実際、かなりまれだと言われております。その遺伝子変異が何か悪者(フリーラジカル)によって引き起こされないならば、遺伝子変異はそう頻繁に起こりません。回虫を用いる価値は、約4日で生殖年齢に達することです。それで、数百世代を通じて起こる変化を、最新のゲノム配列技術を用いて、彼らは研究しました。その結果、全DNA変異の大部分は、酸化ストレスによる事を示しています。酸化ストレスが老化や病気の隠れた原因であることが、これらの研究から考えられます。更なる研究の積み重ねを待っています。そして、これからは酸化ストレスに打ち勝つ体を、最新分子栄養学の助けを借り、作り上げていかねばなりません。抗酸化栄養素は、その際の強力な助っ人の一人です。

References

Proceedings of the National Academy of Science: September 6-12,2009

Genetic mutation finding supports oxidative stress role in aging: LifeExtension. September 9,2009

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