酵素による糖尿病の治療については、膵臓の炎症を抑えたり、四肢循環系の打膿を減らすのに酵素が有益な可能性を、William Wong博士は指摘しています。
酵素の使用が一型糖尿病患者のインスリンの必要性を減らし、エネルギーを増やし、無数の合併症を改善するという明確な根拠は、臨床例を積み重ねることにより証明されると考えます。ここでは、米国での一型糖尿病患者での酵素療法の結果を紹介します。
40歳代のインスリン依存性一型糖尿病患者のネイティブ米国人は、下肢の末梢神経障害や、更に末梢から手まで放射する上肢の感覚異常がありました。下肢の末梢血管障害は、足指の切断の原因となります。
患者は、フィブリン溶解酵素の治療的投与を開始しました。数週間以内に、血液の足と下部四肢での循環の改善が認められました。そして、その部分の皮膚がピンク色と肌色に変化しました。その部分以外の足指は、現在では血液循環が回復し、切断しなくてよくなりました。下部四肢と上部四肢の痛みは、感覚異常(ヒリヒリ感、ピンと針で刺した痛み)になり、我慢できるものでした。そして、患者のインスリン必要性は減少しました。これらの結果から、フィブリン溶解酵素の一型糖尿病に対する効果が期待されますが、更なる研究を期待しています。そして、フィブリン溶解酵素の二型糖尿病への応用が可能かどうか、検討の余地があります。次回は別の症例を紹介したいと考えています。
References
Treating diabetes with enzymes:What we know now, William Wong, Natural health website
Oral pancreatic enzyme therapy in the control of diabetes mellitus in tropical calculous pancreatitis:Mohan V, Madras Diabetes Research Foundation
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