医科栄養学・栄養医学ブログ

医学部で医科栄養学を学んだ経験と最新の栄養医学をこのブログに反映したいと、考えています。

膀胱ガンのTuR-Bt検査後のBCG療法・栄養療法の症例研究 栄養医学ブログ 日本ビタミンC研究会

2019-10-20 16:10:34 | 健康・病気

膀胱ガンの症例研究について報告します。75歳の男性で、以前から頻尿に悩まされ、夜間頻尿でしばしば睡眠を妨げられ、おかしいと感じていたそうです。2019年3月25日から26日にかけて連続的に血尿が見られ、27日に近所の泌尿科クリニックでの聴音波検査で直径1cm程の丸い陰影が見られ、EF-膀胱尿道ファイバースコピー検査でもキノコ状の膀胱ガンらしきものが確認され、尿検査では潜血(2+)、白血球(1+)、顕微鏡では赤血球(70~80)、白血球(4~5)で扁平上皮、硝子円柱、小円形上皮ともにマイナスでした。そこで、紹介された近くの県立病院で尿検査、血液検査、CT検査が実施され、膀胱ガンの丸い陰影が認められました。4月18日、TuR膀胱内視鏡での検査では、T1(ガンが粘膜下に浸潤しているが、膀胱筋層へは及んでいない)、m(0)(他の組織への転移なし)、n(0)(所属リンパ節に転移していない)でステージ1でした。同日、膀胱ガン部位を電気メスで焼き切り、退院の後、以前のクリニックで再発予防のため、BCG療法(牛型弱毒結核菌注入療法)を受けることになりました。なお、患者は、肝臓、腎臓機能に異常は認められず、治療に差し支えないとの診断でした。

それとともに医科栄養学を学んだ専門家への相談から、BCG療法と併用して、4月1日から膀胱ガン再発予防のため、食事療法や、再発予防効果が米国で報告されているビタミンやハーブ、さらに免疫能を高めるプロバイオティクス療法と食事療法を継続して、10月まで続け、さらに継続する予定です。その内訳は、食事療法に加え、VC(6,ooomg/日、2回/日)、VA(4,000IU/日、2回/日)、VE(α-トコフェロール、800IU/日、2回/日)、VD(400IU/日、2回/日)、VB1(20mg/日、2回/日)、vB3(ナイアシンアミド、1,000mg/日、2回/日)、Q10(180mg/日、2回/日)、イノシトール(1,000mg/日、2回/日)、マルチビタミン少々、それにニンニク末、ターメリック末(クルクミン含有)、高麗人参茶(2包/日)、乳酸菌、酪酸菌、乳酸菌培養末、ビール酵母、消化酵素産生菌など適量摂取しました。また、帯状疱疹後神経痛の治療目的で長期摂取していたビタミンB12製剤(メチルコバラミン)が、膀胱ガン発症のリスクがあるとの報告で長期摂取を止め、さらに、カフェインが膀胱ガン発症のリスクになるとの報告で、長年、摂取していたカフェインを含むコーヒーやカフェイン入り栄養ドリンクの摂取も、4月1日以降中止しています。

2019年6月1日、初めてBCG療法を受け、その前の尿検査では、白血球(+)、顕微鏡では白血球(25~30)、他は正常であったが、BCG療法(イムノブラダー膀胱注用80mg)実施後、副作用は頻尿回数が増え、6月17日のBCG療法実施前の尿検査は正常、BCG療法実施、副作用は頻尿、7月1日の尿検査は異常なし、BCG療法実施後頻尿。7月22日の4回目のBCG実施前の尿検査は異常なし、BCG実施後、数時間で尿が血尿になり、血塊が混じり、発熱が見られ、翌日にはおさまる。また、その翌日には尿意を催すが出にくく、排尿時違和感が認められる。その後は血尿も発熱は認められなかった。7月22日のBCGで強い副作用が見られたので、予定していた8月5日にはBCG中止、その日の尿検査では、蛋白定性(±)、潜血反応(±)、白血球(2+)、顕微鏡では白血球(25~30)、EF-膀胱尿道ファイバースコピー検査では膀胱に炎症(膀胱表面が赤くなっている)が認められが、再発は認められなかった。なお、ドクターによると、膀胱の炎症はBCGによると考えられるとのことでした。続く9月30日のEF-膀胱尿道ファイバースコピー検査では膀胱の炎症は減少し、再発も認められず、尿検査は異常は認められなかった。しかし、腰痛や太ももの後ろの痛みが認められ、11月14日に受診、BCGの副作用の可能性である腰痛と足の太ももの後ろの筋肉痛であるとのことで、抗生物質のレボフロキサシン(500mg/日)、漢方薬の牛車腎気丸(2.5g/3回/日)を医師より処方され摂取、経過観察中、なお、抗生物質は、気分が悪くなったので10日程摂取し、その後中止。牛車腎気丸は毎日摂取。食事療法では食品添加物や塩分を減らし、タンパク質は魚介類や豆類を中心に、野菜や生果物の頻回の摂取を中心とした食事を続け、これらとともにビタミンC(8g/日)を食後、経口摂取しながら様子を見、2020年1月6日の再検査では再発は認められませんでしたが、腰部、ふくらはぎの歩行時の痛みは残っていると、報告されています。また、2020年4月6日の再検査でも再発なし、2020年7月20日の再検査でも再発なし、頻尿も腰痛も徐々に改善が認められた。

考察として、膀胱ガンが初期に発見され、ステージも進んでおらず、TuR-Bt膀胱内視鏡検査でもガンを残らず切除し、さらにBCG療法もビタミンやハーブとの相乗効果により、よく効いたと考えられます。経過観察で数年後の再発予防に、これらが効いているか観察が必要です。なお、BCGの副作用によると考えられる腰痛や太ももの後ろの筋肉痛の治療も同時並行的に行っているようです。

References

J Falke. Curcumin as treatment for bladder cancer. Bio Med Research International. 2018, ArticleID9634902, 7pages

Lean Lawrence, et al. vitaminA decreased bladder cancer risk. CancerNetwork. May 13, 2014

Fuqiang Chen. In VitaminC and bladder cancer, an inverse associations was found with vitaminC from diet. scientific Report. 23 April 2015

Does galic prevent cancer? MedicineNet. com . July 29,2014

What to take with vitaminC to beat bladder cancer. NutrientInsider. July 14, 2014