医科栄養学・栄養医学ブログ

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ガンの侵襲と栄養素拡散酵素に対するフィードバック阻害、そして免疫グロブリン、補体とビタミンCの関係について 日本ビタミンC研究会 藤井毅彦

2024-05-26 11:01:17 | 健康・病気
ガン細胞は局部的に侵襲し、隣接間質物質グリコサミングリカンと高分子プロテオグリカンへの酵素的侵襲による転移性拡散により、脈管系チャネルとリンパ系チャネルに侵入します。粘性関門と脈管周辺の被包化の干渉に及ぼす解縮作用は、ガン細胞への栄養素の拡散を高めます。これら障害プロセスで循環するフィードバック阻害物質が存在し、PHI(腫瘍マーカー)として知られています。血清PHI濃度は個々に多くか、少なく存在するけれども、すべてのガン患者で決まって上昇します。血清PHI値は、"遊離した"循環ビタミンCと相互作用を示すという証拠が報告されていますが、さらに重要なことには、ガン侵襲酵素と栄養素拡散酵素に対する、自然に備わったフィードバック阻害剤は、グリコプロテインです。

Verance博士等によると、免疫グロブリンのビタミンCによる産生能力に関して、孤立した環境の健康な人たちでは、ビタミンCの摂取の増加は、免疫グロブリン合成の増大をもたらすことが証明されました。

補体システムに関しては、補体システムはマクロプロテイン分子の組み合う連鎖よりなり、外部からの侵略者を破壊する最後の武器となります。C1エステラーゼとして知られているこれら防御システムの生物学的トリガーは、これらの効果的合成がビタミンCの効力に依存していることが、モルモットの研究で証明されました。そして、更なる研究の積み重ねが期待されています。

Reference
Cameron,E. Chemi-Biol Interactions.9(1974)
Mangelli, San. Science. Vol212,Number5, Page1126-1127, 1980